白百合は白百合でも、温室ではなく山で逞しく咲き誇るタイプです

下菊みこと

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赤薔薇のお茶会

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ということでやって参りました、赤薔薇のお茶会!今日の私は気合ばっちりです!いつもストレートの銀髪は、今日はハーフサイドアップに。ドレスは瞳の色に合わせて淡い青で、私の低身長でこそあれ、ぼんきゅっぼんな体型を活かしてくれるドレスをチョイス。メアリーのおかげでそれなりに様になっているのではないでしょうか?

「皆様、ご機嫌よう」

「ご機嫌よう」

「ご機嫌よう」

「ご機嫌よう」

「ご機嫌よう」

「ご機嫌よう」

「赤薔薇のお茶会を開催させていただきます、赤薔薇ことヴェルデですわ。よろしくお願い致します」

ヴェルデ様はミュートス公爵家から嫁入りしていらしたお姫様。公爵家の出だけあって威厳のある雰囲気だけれど、領地では天使と崇められるほど民草に優しいことで有名。もちろん見た目も天使。ウェーブのかかった金髪と紫の瞳が美しい。長身長でぼんきゅっぼんな所謂モデル体型の身体も素敵。こんな人がラン様に「抱いてください!」と迫っていたのだと思うとやっぱり後宮って最高!

「さあ、お茶会を楽しみましょう」

ヴェルデ様の鶴の一声でお茶会は始まる。

「まあ、もしかしてこの香り…薔薇茶ですの?」

「あら、さすがは白薔薇様ですわ。その通りです。薔薇茶はストレスからくる疲労・肩こり、不眠、胃痛などに効果がありますので、今日のお茶会にぴったりかと思いましたの。私達、まだ嫁入り二日目で不安やストレスに晒されていますでしょう?」

「さすがは赤薔薇様ですわ!」

白薔薇様ことリスティヒ様。ストレートの金髪に赤い瞳が特徴的なきつめの美人。性格は…後宮に相応しい棘のある方。エーポス侯爵家から嫁いで来られたので、公爵家出身の赤薔薇様にはよいしょしつつ、赤百合様以下の私達にはでしゃばるなと無言の圧力。…でも、自分が男児を産んだら赤薔薇様にも高圧的になると予想。ううん、本当に後宮向きな方!最高!

「お気遣いありがとうございます、赤薔薇様」

赤百合様ことヴァイスハイト様。ウェーブのかかったストロベリーブロンドを肩で切り揃え、青い理知的な瞳を光らせる童顔の可愛らしい方。しかし童顔と侮ることなかれ、理知的な瞳は本物で、ユーバーリーファルング侯爵家きっての才女なのです。その人物像から、皇后の座はこっそり狙いつつも、ダメでも赤薔薇様と白薔薇様と仲良くなっておこうと狙っていらっしゃるタイプだと勝手に想像しています。

「やはり赤薔薇様は素晴らしいお方ですね!」

とりあえず私もよいしょしておく。

「お茶も最高ですが、お茶菓子もとても美味しいです」

赤藤様ことメランコーリッシュ様。この国では珍しい烏の濡れ羽色のロングヘアーに黒真珠の瞳を持つ異国の血が流れている方。ちょっとだけ内気というか陰気な感じが否めない方だけど、領地での評判はかなり良い。見返りを求めることなしの優しさを持つ方。正直後宮向きではないけれど、個人的に仲良くなりたいタイプの方。ザーゲ伯爵家ではその見た目のせいで異母兄弟に虐められていたらしいとの噂あり。

「本当ですね。とても美味しいです!」

白藤様ことキューン様。赤毛に緑の瞳の可愛らしい方。しかし多分この中で一番皇后になりたがっていると思われる。最近とんと話を聞かないフォルクスザーゲ伯爵家の再興の為に命を賭けている。でも昨日のラン様の言動的に、ラン様の苦手なタイプっぽい。どんまいです。

その後はひとしきり当たり障りのない世間話に花を咲かせて、特にバチバチな展開とかは無く解散となりました。でも楽しかったー!これからどんな展開が繰り広げられるか今から楽しみです!
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