白百合は白百合でも、温室ではなく山で逞しく咲き誇るタイプです

下菊みこと

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ラン様との夜更かし

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赤薔薇のお茶会から四日が経ち、夜です。今のところ妃方のバチバチバトルは起こっていません。早く始まらないかなぁ…。ラン様は今のところ階級順に毎日妃方のところに通っている模様。つまり順当にいけば今日は私のところにくることになる。あー、早くラン様と他の妃方との恋模様が知りたーい!

と、ドアがノックされます。ラン様だ!

「は、はい!入ってください!」

「やあ、ユリ。元気にしていたかい?」

「はい、とっても!」

ラン様はウェーブのかかった長いふわふわの金髪を揺らして部屋に入ってくる。

「この本、ありがとう。とても面白かったよ」

「気に入っていただけてよかったです!」

「赤薔薇のお茶会は楽しめたかな?」

「はい!どのお妃様方も綺麗で可愛いくて、ラン様と一体どんな恋愛模様を繰り広げるのかとわっくわくです!あと、これからの上下関係やバトルにも期待です!」

「ははは。いやー、君は本当にブレないな」

なでなでと私の頭を撫でるラン様。何事?

「なんか、君を見ていると癒されるよ。見た目は可愛いしね」

「見た目はってなんですか!」

「それで?私に聞きたいこととかはあるかい?」

「もちろん有ります!赤薔薇様との夜はどうでした!?」

「いやー、濃厚な夜だったよ。彼女結構なロマンチストだね。ベッドに赤い薔薇の花びらが散らされててさあ。あんな演出されるとこっちも満更でもないよね。あんまりがつがつ来られるのは好みじゃないが、ああいうアピールは悪くない。思わず燃え上がったよ」

「おー!」

「赤薔薇とは身体の相性もよかったし、世継ぎを一番に産んでくれるかもしれないなぁ」

「さすが赤薔薇様!」

「おや、君は赤薔薇のファンかな?」

「んー…どちらかと言えば、赤百合様派ですかね?」

「へえ。なるほど、彼女は女性からも人気があるんだね」

「白薔薇様とはどうでした?」

「ん?んー…はは、まあ、ぐいぐい来るよね。世継ぎを作りたいのは私も同じだからまあ…。彼女にも立場はあるしね、気持ちはわかるけど」

「あー…白薔薇様…」

「だから、まあ、ほら?彼女に主体的に動いてもらってサービスを受けていた感じかな」

「どうでした?」

「さすがに上手かったよ。閏房術の天才だね。もちろん処女だったけど、あれは座学だけで身につくものではないかな」

「あー…まあ、貴族の義務ですからねー…」

「その義務を怠る君は一体…」

「ま、まあ!それは置いておいて!赤百合様はどうでした?」

「ん?可愛かった。いやー、控えめなあの感じがいいよね。最高。一晩が短く感じたよ。まあ実際は色々知ってはいるんだろうけど、純情振るそぶりもいい。色々教えてあげる楽しみがある。もっと抱きたいなぁ…」

「そんなに盛り上がったなら、今日は眠いのでは?」

「うん」

「じゃあ寝ましょう!」

「言い寄る前から振られた…まあ、君だし許すけど…」

「え?」

「自分が抱かれるって考えがまずないんだね…。まあいいや、添い寝しよう。おいで」

「はい、ラン様!」

そうして貸していた本の良さを語らいつつ、添い寝したのでした。
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