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ついに白薔薇様が動き出す?
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一晩明けてお昼頃。私はなぜか白薔薇様に呼び出された。今、白薔薇様のお部屋にいる。
「ねえ、白百合様。昨晩から朝まで、レン様がずっと貴女の部屋にいたというのは本当?」
「…あー」
なるほど、あれか。この泥棒猫!ってやつですね。ラン様は白薔薇様のところからはやることやったらさっさと撤退したらしいし。私のところには一晩いたなんて許せないよなぁ。
「…あー、ってなによ!はっきり答えなさい!」
「一応、本当です」
パンっと乾いた音が響く。私が白薔薇様に頬を叩かれた音だ。
「私ですら押して押してようやく抱いてもらったというのに!レン様はこんな小娘のどこがいいの!」
ラン様は単に一晩ぐっすり寝て帰っただけなんだけどなぁ。言うと火に油を注いでしまいそうだから言わないけれど。
「あんた!調子に乗るんじゃないわよ!お世継ぎを産むのはこの私!皇后になるのもこの私よ!」
「心得ております。白薔薇様にここまでさせてしまい申し訳ございません。私は決して線引きは間違えません。白薔薇様に刃向かう気持ちも、皇后を目指すこともございません。どうかお許しください」
私は深々と頭を下げて、謝罪する。下手に出ておかないとなにをされるかわからない。私は適当に生き残って適当な理由でお家に帰るのだ。でもこれで白薔薇様ももう大人しくしておくのをやめるだろうなぁ。ターゲットになるのは、私か…赤藤様辺りかな。
「…ふんっ。わかっているならいいわ。いいこと?皇后になるのはこの私。私に目を付けられたら貴女も貴女の実家も終わりよ?」
「はい」
「今後は気をつけなさい。話は終わりよ」
「失礼致します」
…あー、緊張した!でも楽しい!ほっぺは痛いし怖かったけど楽しい!これが生の後宮!最高!
でも、これからはラン様とは一晩ぐっすりってわけにはいかないなぁ…。ラン様の腕枕、安心出来るのになぁ。本について語らうのも楽しいのに。そういえばラン様、新しく貸した本も気に入ってくれるかなぁ?
…あ、ラン様だ。どうしたんだろう。昼間にこっちまで来るなんて。
「…一歩遅かったか。やあ、ユリ」
「ご機嫌よう、皇帝陛下」
「その頬、白薔薇にやられたね?」
「はい。ですがこれは私と白薔薇様の問題です。どうか、お許しください」
「…。私は、白薔薇が君を呼び出したと聞いて思わず飛び出してきたのだけど…後宮には後宮のルールがある。私が飛び出したところでなんの意味もない。そうだね?」
「はい。ですから、このままなにもなさらないでください」
「むしろ火の油だって?」
「はい」
「…はぁ。我ながら情け無い。そのくらいのこと、自分で気付かないとね。こんな調子で君を後宮の醜い争いから守ろうなんて、ちゃんちゃらおかしなことだ」
「あ、それは結構です。後宮の醜い争いとか、大好物です」
「はは、そういえばそうだった。…氷魔法が使えるのだったね。このハンカチを使って頬を冷やしなさい」
「お気遣いありがとうございます。それでは」
「…ああ、それと」
「?」
「なにも考えずに飛び出して君に迷惑をかけそうだった私を、どうか許して欲しい」
「…ああ、怒ってませんよ?白薔薇様のお部屋の近くなので、他人行儀に振る舞うだけです」
「そ、そうか。いやー、そうだよね、ごめんごめん。じゃあね」
「はい、また」
しかし、私なんかを守りたいだなんて、ラン様はどうしたんだろう?
「ねえ、白百合様。昨晩から朝まで、レン様がずっと貴女の部屋にいたというのは本当?」
「…あー」
なるほど、あれか。この泥棒猫!ってやつですね。ラン様は白薔薇様のところからはやることやったらさっさと撤退したらしいし。私のところには一晩いたなんて許せないよなぁ。
「…あー、ってなによ!はっきり答えなさい!」
「一応、本当です」
パンっと乾いた音が響く。私が白薔薇様に頬を叩かれた音だ。
「私ですら押して押してようやく抱いてもらったというのに!レン様はこんな小娘のどこがいいの!」
ラン様は単に一晩ぐっすり寝て帰っただけなんだけどなぁ。言うと火に油を注いでしまいそうだから言わないけれど。
「あんた!調子に乗るんじゃないわよ!お世継ぎを産むのはこの私!皇后になるのもこの私よ!」
「心得ております。白薔薇様にここまでさせてしまい申し訳ございません。私は決して線引きは間違えません。白薔薇様に刃向かう気持ちも、皇后を目指すこともございません。どうかお許しください」
私は深々と頭を下げて、謝罪する。下手に出ておかないとなにをされるかわからない。私は適当に生き残って適当な理由でお家に帰るのだ。でもこれで白薔薇様ももう大人しくしておくのをやめるだろうなぁ。ターゲットになるのは、私か…赤藤様辺りかな。
「…ふんっ。わかっているならいいわ。いいこと?皇后になるのはこの私。私に目を付けられたら貴女も貴女の実家も終わりよ?」
「はい」
「今後は気をつけなさい。話は終わりよ」
「失礼致します」
…あー、緊張した!でも楽しい!ほっぺは痛いし怖かったけど楽しい!これが生の後宮!最高!
でも、これからはラン様とは一晩ぐっすりってわけにはいかないなぁ…。ラン様の腕枕、安心出来るのになぁ。本について語らうのも楽しいのに。そういえばラン様、新しく貸した本も気に入ってくれるかなぁ?
…あ、ラン様だ。どうしたんだろう。昼間にこっちまで来るなんて。
「…一歩遅かったか。やあ、ユリ」
「ご機嫌よう、皇帝陛下」
「その頬、白薔薇にやられたね?」
「はい。ですがこれは私と白薔薇様の問題です。どうか、お許しください」
「…。私は、白薔薇が君を呼び出したと聞いて思わず飛び出してきたのだけど…後宮には後宮のルールがある。私が飛び出したところでなんの意味もない。そうだね?」
「はい。ですから、このままなにもなさらないでください」
「むしろ火の油だって?」
「はい」
「…はぁ。我ながら情け無い。そのくらいのこと、自分で気付かないとね。こんな調子で君を後宮の醜い争いから守ろうなんて、ちゃんちゃらおかしなことだ」
「あ、それは結構です。後宮の醜い争いとか、大好物です」
「はは、そういえばそうだった。…氷魔法が使えるのだったね。このハンカチを使って頬を冷やしなさい」
「お気遣いありがとうございます。それでは」
「…ああ、それと」
「?」
「なにも考えずに飛び出して君に迷惑をかけそうだった私を、どうか許して欲しい」
「…ああ、怒ってませんよ?白薔薇様のお部屋の近くなので、他人行儀に振る舞うだけです」
「そ、そうか。いやー、そうだよね、ごめんごめん。じゃあね」
「はい、また」
しかし、私なんかを守りたいだなんて、ラン様はどうしたんだろう?
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