雨あがりのそばに

多田羅 和成

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嵐は突然に嵐9

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次に目を覚ました時には辺りは真っ暗になっていた。きっと晴明は仕事に行っていることだろう。喉も乾いたこともあり、リビングへと向かうとそこには読書をしている晴明がいて、雨霧は驚きのあまり声が出なかった。

「な、なんで?」

「あっ、おはようございます雨霧さん。お店は休みましたよ」

「休んだ?」

「えぇ、熱を出している雨霧さんを置いて行くのは心配でしたし。お客さんもきっと分かってくださいますから」

その言葉に浮かれてしまう雨霧がいた。好きな人がわざわざ自分の為にお店を休んでくれたのだ。違うと分かりながらも勘違いしそうになる。晴明ならば誰にでも優しいから、自分じゃなくても同居人だったら休んでいただろう。高まる心臓を抑えつけて、言葉を紡ぐ。

「なんかごめん」

「いえ、私がやりたかっただけなので。お茶でも注ぎますね」

晴明は雨霧が喉が渇いていることに気づいたのか、キッチンにある冷蔵庫へと向かい、コップに注ぎ机の上へと置いた。雨霧はいつもの席に座る。

「ありがとう」

「どういたしまして」

注いでくれたお茶を飲むと冷たくて火照った身体には染みわたる。寝る前は不安と罪悪感で押しつぶされそうになっていたのに、晴明が目の前にいるだけで安心する。改めて自分は晴明のことが好きで仕方がないのだと自覚せざる得ないと雨霧は感じた。晴明は自分を友達だと思っている。優しい晴明のために友達として接し続けるのが恩返しなのだろう。雨霧は傷む心にそう言い聞かせ続ける。
きっと明日にはいつもの自分に戻っているはずだから今だけは許してほしい。

「本当に今日はありがとう。明日には治らせるから」

「本当お大事に。ゆっくり寝てくださいね」

「うん、おやすみなさい」

そう言い再び寝室へと入った雨霧の心は起きた時よりも心が晴れていた。あれだけ暗い感情が支配していたにも関わらず、晴明の行動一つで喜びに満ちる。二焼けそうな顔を抑えようとするけど、口角が上がっていくのを止められそうにない。

「やっぱり好きだな」

言葉にすると晴明への想いが溢れてくる。こんなにも人を好きになっていいのだろうか。打ち明けられない現状を保つことができるのだろうか。また不安が顔を覗かせてきたのでパチンと頬を叩く。

「流石に寝よう」

これ以上起きても不安になっていくだけだと判断した雨霧はベットに横たわりあわよくば夢の中では晴明と一緒にいる未来図を見てみたいと思いながら、眠りにつく。
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