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第5章
最終決戦④
しおりを挟む最終決戦④
味方兵が当初の目的であるルンガ砦まで敵を追いやった。
デッカ達もルンガ砦へと向かう
其処には攻め切れない理由が居た。
不敵に笑い純粋に残虐を楽しむモズを中心に、その場所は
地獄とかしていた。
モズ「下劣な血めっ!ヒャハハ我が血となり得る事を幸せに
思うがいい!」
叫びながら、兵を切り、その首元から流れる血を吸う。
殴り殺しては、首元に噛みつき、その肉ごと噛み千切る。
首に手をやり片手で持ち上げ、骨を折り、身は捻じ切れ、
そして乾杯をするかの如く、生き血を楽しむ……
噛み切った腕から骨を生きたまま引きちぎり、その骨を使い
狂った様に撲殺を楽しむ……
時には味方の魔物すら手をかけ、漆黒の霧をも搔っ食らう姿は
最早、この世に存在してはならないかのような生き物であった。
モズの本性は吸血鬼のバーサーカー(狂戦士)であった。
最早、先程のスーツ姿の執事の身なりからは、遠く離れ、
裾や袖は破れ血みどろの姿に元々赤いネクタイはドス黒く、
動く度になびく姿から、彼の居た世界では
残酷の狂紳士とも言われてた。
モズ「血だ!もっと血を、もっと血をよこせ!」
「素早い動きは最早、人の2足歩行ではなく4足歩行の獣の動きを
していた。
ジュンイ「まずいわね……動きが速すぎて捉えられない」
ローザ、ドルフィ、敵の動きを止めれないかしら、一時でも
止まれば……この光矢をブチ込んでやるのに!」
デッカ「一時だな、行くぞ!マシュー、ドルフレア、リアム!」
駆け近ずく彼等は、先頭のリアムを中心に三角形の陣で
モズ目がけ素早く駆け急ぐ。
リアムが光の剣を十字に構えながら、魔犬の力を借り高速で
突っ込む、両手で挟み込む様な剣をクロスさせ切りかかった。
攻撃は空を切り、モズは上空に逃げる。
すかさず地面を蹴り出した魔犬は、
籠手に引き戻す力を利用し、追いついた後方の二手、
右の魔犬はマシュー、左手の魔犬はドルフレアを一瞬で絡め
モズのいる空中へ放った。
2人の剣がモズの脚と胴への同時攻撃に入った。
モズ「ほほう……ムカつく攻撃しますね」
モズは体を捻りながら高速回転をし2人を斬りつけながら
攻撃を軽く凌いだ。
その瞬間デッカが敵の真下に配置、全ての武器、防具に宿る
魔力を解放し、モズの真下から数十メートルはあろうかと
いう様な大きさの氷魔法を魔人目がけブチ込んだ。
モズは瞬間、上空へと逃げようとしたものの
脚は一瞬で氷に絡め取られる。
モズ「チィィ……殺人鬼の分際で……我にふれるなっ!」
その氷はモズの脚を捉えるに留まったが……
ローザ・ドルフィ「まだまだよ!」
ローザ 「アイスボール!」
ドルフィ「アイスボール!」
すかさず彼女達は、氷を割ろうとするモズの両腕を凍らせた。
ローザが叫ぶ「今っ!」
ジュンイは、力一杯ふり絞った弦に、溜めていた光魔法を
込めた一撃を撃ち放つ!
ジュンイ「ぶっ飛べーー!」
唸る光矢は、眩しい光を放ちながら凄まじいスピードで
光の帯を描き、モズの額、目がけ一直線に飛んだ。
しかしモズの左右から獣型の魔物2体が彼の前で交差する
かの様に身を艇してモズを守った。
魔物「ギッシィアアア……アァ……」
断末魔の音が辺りの空気を歪ませる……
2体の魔物の肉体がデッカ達の視界が一瞬遮ぎった瞬間
魔物2体の体を引き千切り、モズがジュンイ目がけ突進する。
デッカ「まさか、あの連続魔法でも通じなかったのか!」
それを読んでたかの如く、突進する上空のモズの前に
忽然とリアムが映った。
モズ「なに ‼︎ 」
驚くモズにリアムが叫ぶ
リアム「囲い石よ!奴を囲めっ!」
辺りが暗黒の闇に包まれ、リアムとモズは一瞬でその場から
消え失せた。
デッカ「なに!単体で石が発動出来るなんて!」
ーー囲い石ーー
発動には呪う側の大量の血が必要とし、発動者は大量出血に
より命を捨てなければならない。そして解除には、その空間内に
存在する祭壇に呪われた側の血を捧げなければ解除出来ない。
ーーーー
ジュンイ「わけ解らないけど、今がチャンスよ!このまま
一気に殲滅するよ!」
辺りに生気が蘇る。その絶望の暴力の塊が消え、未だ不利な
この状況の中……
それまで敵だった者、味方だった兵士、そしてデッカを含め
殺人鬼達、ジュンイ率いる軍は一丸となった。
「行け!生きたければ敵を倒せ!」
辺りに生気が練り込まれ一層、希望は蘇る。
魂が吹き返した兵士も含め、彼等は自分達よりも格上の骸骨兵や
蛮族型の魔物や敵魔物軍の蛮族兵士を次々と倒して行く。
助かる為に、そして勝てるという興奮に、そして義の為に戦う
意思の者達は、暗黙の連携を繰り出し、まるで1つの意識体と
なりて敵を次々と殲滅してゆく。
魔法が飛び交い、その姿は、この世のものとは思えない
美しい光景となりて敵を殲滅する。
その未知なるモノに希望は更に膨れ上がる。
そして……
ジュンイ率いる軍は勝利した……
血の海と化したルンガ砦から黒い霧が辺りを覆う
その霧の間から差し込む太陽が流された人々の血に反射し
凄惨なる光景の中、命の残り香を漂わせた……
立ち尽くす彼等は思った。
デッカ 「リアム……」
ジュンイ 「リアム……」
マシュー 「リアム……」
ドルフレア「リアム……」
一同 ーー「戻って来い……」
リアムを残し、その場は静まりかえった……
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