本田さんへのとある謎

里 水雪

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第4話 更衣室の目覚まし時計④

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 次の日の放課後、西川が話しかけてきた。

「そういえば、仮入部はどうだった?卓球部の!」

「普通だったぞ。面白かったが本みたいにはいかないな。」

「まぁそういうものだよ。」

佐藤とのことは別に言わなくてもいいか。まぁ聞いても面白い事なんか無かったからな。

「あのーすみません。本田さんはいますか?」

「あぁ、いるぞ。」

すると西川がニヤニヤしていた。

「誰だい?あの人は!もしかして...彼じっ?!」

俺は西川が全てを言い終える前に口をはさんだ。

「彼女じゃないぞ。」

「なーんだ!面白くない!」

西川はふざけるようにして言った。

「でっ、そちらの彼女は誰?」

「佐藤だ。佐藤琥珀。」

「へー、佐藤さんか。まぁ本田に彼女なんか出来るわけないよねー。女友達も全くいないのに。」

失礼な奴だな...。女友達の1人や2人くらい俺にもいるぞ!

「ところで佐藤、何か用か?」

「はい。目覚まし時計の事なんですけど、先輩方に聞いても知らないと...。」

西川が不思議そうな顔をしていた。

「目覚まし時計って?」

「卓球部の女子更衣室のロッカーにあったんだ。」

「なんで...?」

それが分からないから佐藤が来てるんだろ...。

「話の腰を折ってしまってすまない。それで?」

「佐藤さん、ごめんね。」

「あっはい、先輩方も知らなかったそうです。そもそも女子部員さんは、奥のロッカーをほとんど使わないそうです。それに、喋りながら着替えるそうで音には気づかなかったと言ってました。」

「なんで使わなかったんだ?」

「汚かったからです。」

そうだな、汚いロッカーは使いたくないよな...。

「それでですね。なぜ目覚まし時計がロッカーの中にあったのか気になりませんか?」

「別に気にならなくもないが。」

俺は正直どうでもよかった。卒業生が置いていっただけかもしれないし、ほんとにただたまたま置いてあっただけかもしれないからだ。

「いやっ!気になるよ!」

西川が叫んだ。声がでかい。

「目覚まし時計なんか僕等の目を覚ます以外の用途はないだろ?なのになんで部室のロッカーにあるんだよ。」

俺は気にならないとは言ってないんだが...。まぁどうでもよかったけど。

「調べるにしても、どうやって調べるんだ?卓球部員はなにも知らないんだろ?」

「顧問の先生に聞きましょう!」

「そうだね。なにか知ってるかも!」

俺は正直どうでもいいのだが、家に帰ってもゲームをするだけだ。しかし、俺が行っても役に立たないな。まぁいいか...。
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