本田さんへのとある謎

里 水雪

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第7話 更衣室の目覚まし時計⑦

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「すみません。」

サッカー部の部員に話しかけた。

「サッカー部の顧問の先生はどこにいますか?聞きたいことがあるのですが。」

「あぁ、顧問ならあそこに座ってるぞ。」

「ありがとうございます。」

サッカー部の顧問はグラウンド全体が見える花壇の前の朝礼台に座っていた。

「すみません。サッカー部の顧問の先生ですよね?聞きたいことがあるのですが。」

「はい...なんですか?」

若そうな先生だ。多分五年前の事は知らないな。

「五年前の事について聞きたいんですが...。」

「ごめんね。五年前は俺ここの教師じゃなかったんだよ...。五年前のサッカー部の顧問は今の教頭だよ。」

やはり違っていたか。

「そうだったんですか。ありがとうございました。」

俺たちは教頭の所へ行った。

「教頭先生、お忙しい中すみません。」

俺たちは教頭に目覚まし時計と、ダンボールの中身の事を話した。

「三年前まで今の卓球部の部室はサッカー部の部室でね、サッカー部の人数が増えたから部室移動をしたんだよ。目覚まし時計はその時はなかったよ。ダンボールも」

俺たちは交換日記に載っていた二人の事を聞いた。

「その二人の事なら覚えてるよ。選手とマネージャーだったよ。付き合ってたかは知らないけど。その日記の女子は二年生の時に急に引っ越してしまってね...。男子の方はその女子が部活に来なくなるまでとてもワクワクしてたよ。」

「そうだったんですか...。」

だから日記の続きが書かれてなかったのか。ワクワクしてたのは彼女がネックレスを見つけた時の反応が楽しみだったからだろう。

「その女子が来なくなったっきり男子の方も来なくなってね...。何度か声をかけたが結局退部してしまったよ。」

「その男子生徒が今どこにいるか知ってますか?」

佐藤...。さすがにそんな事知らないだろ...。五年も前だぞ...。

「知ってるぞ。最近ここの近くのコンビニに行ったらバイトをしていて少しはなしたからな。」

知ってるのかよ...。

「そうですか!ありがとうございます!」

佐藤は表情から読み取るまでもなく、嬉しそうだった。

「佐藤さん、良かったね!」

「はい!良かったです。これで目覚まし時計の事が分かります!今からそのコンビニへ行きましょう。」

「そうだね。本田もいくよね?」

「あぁ」

面倒臭いが仕方ない...、今は4時30分か。まぁ乗りかかった船だもんな...。

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