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今日は颯真さんはお仕事に行く。
朝は何時頃出るのか、お見送りしようと思い聞いてみたら
「大体7時前かな。気にせず寝ていろ」
はやっ!
でも頑張ってお見送りくらい…と思っていたのに俺はまんまと寝坊してしまった。
8時くらいに目覚めてしまい、誰もいないリビングに行くと颯真さんからのメール通り、冷蔵庫に朝食が入っていた。
サンドイッチとフルーツを有難くいただく。
朝早く仕事に行く彼に朝ごはんを用意してもらっているとは申し訳ないな。。
でも、やっぱり美味しい!
テレビを見ながらもぐもぐとゆっくり食べた。
食器を片付けようと腰を上げると、カチャリとドアの開く音がする。
ん?
リビングへと扉が開いて、小太りの50代くらいの女性がひょっこりと顔を出した。
ああ、この人がもしかして。
「あ、河合様ですか。初めまして。
ハウスキーパーの松本です。
よろしくお願いします」とニコニコ。
いい人そうだ。
「河合 律といいます。
よろしくお願いします」
松本さんは9時から17時まで休憩を挟み、家事全般をしてくれる。
俺のお昼ご飯とか夕食も仕込んでくれるとのことで本当有難い。
俺もご飯作ろうと思えば簡単なものは作れるんだろうけど、面倒くさがりな俺はカップラーメンで終わらせそうだと颯真さんが食事もお願いしたらしい。。
「律さん、本当お綺麗ですねぇ。
びっくりしました。外国の血が入ってるのかしら?」
「分かりません。
俺、施設育ちで親の事何も知らないんです」
「!あらあら、まあ、申し訳ありません、私ったら」
「いえいえ、全然、大丈夫です」
親の事なんて最初から知らないし何とも思わなかった。
掃除してる松本さんの近くのソファに座りながら、俺はポツポツ松本さんと世間話をしていた。
人と関わるのは苦手なんだけど、松本さんと話すのは苦じゃない。
なんだか、松本さんのほんわかした雰囲気、誰かと似てるんだよな。誰だっけ…。
そうだ、高校生のときよく通ってた漢方薬局のおばさんだ。
施設へ帰りたくなくて、門限ギリギリまで公園で暇を潰していた頃、近くの薬局のおばさんが声をかけてきたのだ。
松本さんみたいな、小太りのメガネをかけたニコニコしたおばさんだった。
少しずつ俺は打ち解けて、いつしか薬局の中で自分の事をポツポツと話し始めた。
女にされてる事は言わなかったけど。
おばさんは黙って聞いてくれて、
「漢方は処方がお金がかかってしまうけど、リラックスできるハーブティーをご馳走してあげるね」
とカモミールとかいろいろブレンドされてるティーカップをそっと俺に差し出した。
一口飲んだら何だかホッとして、それから俺は度々その薬局に入り浸るようになった。
おばさんはハーブティーや漢方薬についてもいろいろ教えてくれて、俺は将来こんな店を持ちたいな、なんて漠然と考えていた。
俺が高3の時おばさんの親の介護のため引越しすることになったらしく店が閉店する事になって、おばさんは俺のことをすごく心配してくれた。
力になれる事があればいつでも連絡して、と連絡先をくれたけど、俺は連絡せずに卒業してそのままその町を離れたからな…、忘れていた。
なんだか、ハーブティーが飲みたくなったなあ。。
松本さんが帰ってから俺は夕飯の後映画を見たりゲームしたりして颯真さんの帰りを待ってたけど、帰って来たのは23時頃。
仕事の時は会食もあることが多く、大体このくらいの時間になっちゃうらしい。
副社長て大変なんだな。。
軽くシャワーを浴びて来た颯真さんに、ハーブティーを買いに行きたいと言うと颯真さんはっとして、何か思い出したか聞かれた。
ただ忘れてた高校の頃入り浸ってた漢方薬局の話をすると、颯真さんはほっとした感じ?に俺の分も何か買って来てくれ、と微笑んだ。
朝は何時頃出るのか、お見送りしようと思い聞いてみたら
「大体7時前かな。気にせず寝ていろ」
はやっ!
でも頑張ってお見送りくらい…と思っていたのに俺はまんまと寝坊してしまった。
8時くらいに目覚めてしまい、誰もいないリビングに行くと颯真さんからのメール通り、冷蔵庫に朝食が入っていた。
サンドイッチとフルーツを有難くいただく。
朝早く仕事に行く彼に朝ごはんを用意してもらっているとは申し訳ないな。。
でも、やっぱり美味しい!
テレビを見ながらもぐもぐとゆっくり食べた。
食器を片付けようと腰を上げると、カチャリとドアの開く音がする。
ん?
リビングへと扉が開いて、小太りの50代くらいの女性がひょっこりと顔を出した。
ああ、この人がもしかして。
「あ、河合様ですか。初めまして。
ハウスキーパーの松本です。
よろしくお願いします」とニコニコ。
いい人そうだ。
「河合 律といいます。
よろしくお願いします」
松本さんは9時から17時まで休憩を挟み、家事全般をしてくれる。
俺のお昼ご飯とか夕食も仕込んでくれるとのことで本当有難い。
俺もご飯作ろうと思えば簡単なものは作れるんだろうけど、面倒くさがりな俺はカップラーメンで終わらせそうだと颯真さんが食事もお願いしたらしい。。
「律さん、本当お綺麗ですねぇ。
びっくりしました。外国の血が入ってるのかしら?」
「分かりません。
俺、施設育ちで親の事何も知らないんです」
「!あらあら、まあ、申し訳ありません、私ったら」
「いえいえ、全然、大丈夫です」
親の事なんて最初から知らないし何とも思わなかった。
掃除してる松本さんの近くのソファに座りながら、俺はポツポツ松本さんと世間話をしていた。
人と関わるのは苦手なんだけど、松本さんと話すのは苦じゃない。
なんだか、松本さんのほんわかした雰囲気、誰かと似てるんだよな。誰だっけ…。
そうだ、高校生のときよく通ってた漢方薬局のおばさんだ。
施設へ帰りたくなくて、門限ギリギリまで公園で暇を潰していた頃、近くの薬局のおばさんが声をかけてきたのだ。
松本さんみたいな、小太りのメガネをかけたニコニコしたおばさんだった。
少しずつ俺は打ち解けて、いつしか薬局の中で自分の事をポツポツと話し始めた。
女にされてる事は言わなかったけど。
おばさんは黙って聞いてくれて、
「漢方は処方がお金がかかってしまうけど、リラックスできるハーブティーをご馳走してあげるね」
とカモミールとかいろいろブレンドされてるティーカップをそっと俺に差し出した。
一口飲んだら何だかホッとして、それから俺は度々その薬局に入り浸るようになった。
おばさんはハーブティーや漢方薬についてもいろいろ教えてくれて、俺は将来こんな店を持ちたいな、なんて漠然と考えていた。
俺が高3の時おばさんの親の介護のため引越しすることになったらしく店が閉店する事になって、おばさんは俺のことをすごく心配してくれた。
力になれる事があればいつでも連絡して、と連絡先をくれたけど、俺は連絡せずに卒業してそのままその町を離れたからな…、忘れていた。
なんだか、ハーブティーが飲みたくなったなあ。。
松本さんが帰ってから俺は夕飯の後映画を見たりゲームしたりして颯真さんの帰りを待ってたけど、帰って来たのは23時頃。
仕事の時は会食もあることが多く、大体このくらいの時間になっちゃうらしい。
副社長て大変なんだな。。
軽くシャワーを浴びて来た颯真さんに、ハーブティーを買いに行きたいと言うと颯真さんはっとして、何か思い出したか聞かれた。
ただ忘れてた高校の頃入り浸ってた漢方薬局の話をすると、颯真さんはほっとした感じ?に俺の分も何か買って来てくれ、と微笑んだ。
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