貴方が呼んでくれるから

ツナコ

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 次の日の朝目覚めたら、いろいろな体液で汚れていたであろう身体は綺麗に拭かれていたが、俺は全裸で手を紐でほぼ固定されていた。

 そこから颯真の部屋で一日中犯される。

 食事は颯真が自ら給餌し、トイレは颯真にがっちりと押さえられながら行って、トイレの前で待っている状態。

 異常としか思えない状況で、快感と無力さを同時に味わい俺の意思は段々と麻痺してきていた。

 何回俺の中に白濁を撒き散らしただろうか。

 今が何時ごろか分からないまま、満足したような颯真に後ろから包み込まれながら眠りに微睡む。

 次の日はもはや俺は家を出る事を諦めた。

 それを察知したのか颯真は俺の両手の縛めを止め、服を着せてくれた。

 外はいい天気だけど、どこにも出れずに二人で映画やテレビを見たり、食事は俺のリクエストでラーメンの出前を注文してくれた。

 昨日からろくに食べていなかったし、美味い。

 俺は食べながら

 「…なあ、明日は病院行く日だよ。
 俺、行かなきゃ」

 「…わかってる。一人で大丈夫か。
 八乙女に付き添わせるか」

 「大丈夫。
 それに、あの人俺の事嫌いだから会いたくない」

 「そんな事ないだろ。
 八乙女は俺の大学の後輩だが、いい奴だぞ。そんな態度とるはずない」

 …、ふーん、後輩なんだ。

 「あの人ぜったい颯真のこと好きだよ。
 俺の事すごいライバル視」

 「…は?んな事あるか」

 一笑に付し一緒に頼んだ餃子をぱくりと食べる。

 その後暫く黙々と食べていると、颯真が箸を置いた。

 「…律、一昨日と、昨日と、すまなかった」

 とペコリと謝られた。

 この人が謝罪をするとは思わなかったので俺は驚く。

 「…謝るところ初めて見た」

 「……」

 「…だって、颯真は、いつだって……?」

 なんだ?

 何かを思い出しそうで頭がズキンと痛む。

 「つ…」

 「律?どうした?」

 「あたた…分からない、何かを、昔を思い出しそうだったんだけど、……ああ、ダメだな、出てこない…」

 「……」

 「…別にいいよ。怒ってない。
 ただ、ここからいずれ出たいとは思ってる。その人に会えればと思うし」

 颯真はぐっと堪える顔で、

 「…興信所で調べてもらうか?そいつの事…」と苦々しく問う。

 「…いや、いいよ。
 まだ全部の記憶を取り戻せてないし。
 …俺と颯真の関係も、よく分からない」

 「…俺と、お前も、shockで出会ってる。
 俺が、指名した」

 「…!」やっぱりな。

 「…何で、嘘ついたの。
 エリアルコーヒーなんて」

 「…俺とお前の出会いを、最初からやり直したかった」

 「なんで?」

 「それは…俺が最低のやつだったからだ。
 …お前に惹かれていたのに、俺は…お前に酷いことばかり言って、多分思い出したら、お前は俺のこと嫌いだと思って…。
 このまま律が思いださなきゃいいと思ってた。本当に、すまなかった」

 「…酷いことって、どんな?」

 「それは…」

 「…うん、何か、言いづらいなら、いいよ。
 段々と記憶が戻ってるんだ。
 そのうち思い出すだろ」

 「悪い…、shockを辞めさせたのも、マンション引き払ったのも、俺だ」

 「…!マジか。…俺の、スマホは?」

 「…俺の部屋の引き出しに入ってる。
 ただ、お前が落ちた時に本当に大破してる。…後で渡すけど、電源は入らなかった」

 「…はぁー、本当、マジかよ」

 俺は頭を抱えた。

 「…本当にすまない。
 shockもすぐ戻れるようにしてるし、マンションも空き部屋のままだ。
 すぐに戻れる。律のしたいようにしていい」

 そう言われてもな…、結局全部の記憶が戻った訳じゃない。

 別にウリ専を続けたい訳じゃないし。

 とりあえず、暖くんを探してみたいから、このままここでいろいろと探し回った方がいいような気がする。

 「…うーん、うん、…も少しここにいてもいい?俺が全て取り戻すまで。
 …俺にいてほしい?颯真」

 颯真は俺をじっと見つめて、

 「…いて欲しい。
 律、ここにいて欲しいんだ…」

 と俺の手をギュッと握る。

 「なら、もうセックスはしない。
 俺の好きな人に悪いし。
 あと、無理矢理とか、怖いことしないで欲しい。そう約束してくれるなら」

 彼は俺を真っ直ぐ見つめながら、

 「分かった」と約束した。
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