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暖くんの狭いワンルームマンションで、二人でくっつきながら過ごす日々は幸せだった。
外出デートはほとんどできなかったけど。
暖くんはもっと広いところに引っ越したいからお給料を上げたいと、仕事を一生懸命頑張っていた。
俺はウリ専を辞めたいと他の仕事を探していた。
暖くんは辞めろとか言わないけど、俺が他の人に抱かれたくない。
それに、最近無言電話に加えて、ネットに俺の事が晒されているらしい。
俺はあんまりネットを見ないから分からなかったけど、同僚が教えてくれた。
『りつ、本名 河合 律というウリ専ボーイは何も動かないマグロだ』
『性病を持ってる』だとか!失礼だな!
やっぱり新規の客なんだろうか。
そんな嫌なこともあり俺はますますshockには近寄らなくなり、暖くんちに入り浸ってた。
そんな俺に暖くんは喜んで、もっと広いマンション借りて一緒に住もうって言ってくれた。
幸せな生活だったけど、仕事を頑張ってた暖くんが昇進して、ますます暖くんの帰る時間が遅くなってきた。
出張も増えたし、帰ってきて俺が待ってると喜ぶけど微笑んですぐセックスして寝てまた会社。
なんだか寂しいなと思っていたある日、珍しく早めに帰ってきた暖くんに、別れを告げられたんだ。
「…実は、上司から縁談を進められてて、本部長の娘さんが、たまたま会社にきた時に見た俺を気に入ってくれたみたいで。
それを受けたら、アメリカへ海外赴任の話があって。
2.3年向こうにいて戻ったら昇進は間違いないんだ。
…律ともっと広い部屋に住みたいと思って、もっと仕事頑張って金貯めようと思ってたけど、俺、もっと上にいきたいと思うようになっちゃったんだ。
…だから、律、ごめんね。
律のことが一番好きだけど、俺、結婚する」
そう告げられた後のことはよく覚えてなくて、泣いて泣いて、捨てないでってすがって…、思い出すと自分でも恥ずかしい。
それでも暖くんは変わらず、戻ってきたらまた会おうか、なんて言ってきた。
それって完全に浮気相手じゃないか。
最後はキレて帰ってきたっけ。
あー…、俺、暖くんとは終わってたんだ…。
それからは、またウリ専に戻ることになった。
前と同じ多めのシフトになったので、オーナーはめちゃめちゃ喜んでたな。
嫌がらせ行為もなくなったから、やっぱり犯人は誰か新規のリピーターさんだったのかもしれない。
それから、もう、俺は誰にも素顔は見せなくなった。
もう、誰にも心を動かされたくなくて。
言われたことを言われた通りこなして、何を言われても受け流して微笑む。
それだけで金が稼げるんだから、やっぱり俺にはウリ専がお似合いなのかもな…。
そこで完全に目が覚めた。まだ暗い。
時計を見たら夜中の3時だった。
はぁー…、あれが去年の出来事だ。
それから先が思い出せない。
「くそっ…」
俺はきっとshockは辞めていなかったはず。
颯真とは、どう出会ったんだろう?まだ、記憶の中に出てこない。俺は、何で、階段から落ちてしまったんだろう?俺は悶々と考えてすっかり眠れなくなってしまった。
起きたのは昼過ぎ。
松本さんは気を使って起こさずにいたらしい。
「おはよー…」
キッチンに行って、ランチで用意してくれた和風パスタをぱくつく。
「…ん、美味し」
「良かったです」松本さんはにっこり。
今日は外に出るのも億劫で、リビングで松本さんの孫の話とか聞きながらのんびりしていた。
「…いーなあ 松本さんみたいなおばあちゃん、欲しかった」
「律さんが孫だったら私もっと年寄りですよ!
…でも、律さんみたいな綺麗で可愛い子が孫だったら、うんと甘やかしちゃうでしょうね~」
「ふふっ」
そんな他愛もない話をしながら、明日はまたハーブティーを仕入れようかな、そういえばshockの近くにもハーブティー屋を見かけた。行ってみよう。
俺用と、怒ると怖い颯真にリラックス効果の高いやつを買うか、なんて考えていた。
外出デートはほとんどできなかったけど。
暖くんはもっと広いところに引っ越したいからお給料を上げたいと、仕事を一生懸命頑張っていた。
俺はウリ専を辞めたいと他の仕事を探していた。
暖くんは辞めろとか言わないけど、俺が他の人に抱かれたくない。
それに、最近無言電話に加えて、ネットに俺の事が晒されているらしい。
俺はあんまりネットを見ないから分からなかったけど、同僚が教えてくれた。
『りつ、本名 河合 律というウリ専ボーイは何も動かないマグロだ』
『性病を持ってる』だとか!失礼だな!
やっぱり新規の客なんだろうか。
そんな嫌なこともあり俺はますますshockには近寄らなくなり、暖くんちに入り浸ってた。
そんな俺に暖くんは喜んで、もっと広いマンション借りて一緒に住もうって言ってくれた。
幸せな生活だったけど、仕事を頑張ってた暖くんが昇進して、ますます暖くんの帰る時間が遅くなってきた。
出張も増えたし、帰ってきて俺が待ってると喜ぶけど微笑んですぐセックスして寝てまた会社。
なんだか寂しいなと思っていたある日、珍しく早めに帰ってきた暖くんに、別れを告げられたんだ。
「…実は、上司から縁談を進められてて、本部長の娘さんが、たまたま会社にきた時に見た俺を気に入ってくれたみたいで。
それを受けたら、アメリカへ海外赴任の話があって。
2.3年向こうにいて戻ったら昇進は間違いないんだ。
…律ともっと広い部屋に住みたいと思って、もっと仕事頑張って金貯めようと思ってたけど、俺、もっと上にいきたいと思うようになっちゃったんだ。
…だから、律、ごめんね。
律のことが一番好きだけど、俺、結婚する」
そう告げられた後のことはよく覚えてなくて、泣いて泣いて、捨てないでってすがって…、思い出すと自分でも恥ずかしい。
それでも暖くんは変わらず、戻ってきたらまた会おうか、なんて言ってきた。
それって完全に浮気相手じゃないか。
最後はキレて帰ってきたっけ。
あー…、俺、暖くんとは終わってたんだ…。
それからは、またウリ専に戻ることになった。
前と同じ多めのシフトになったので、オーナーはめちゃめちゃ喜んでたな。
嫌がらせ行為もなくなったから、やっぱり犯人は誰か新規のリピーターさんだったのかもしれない。
それから、もう、俺は誰にも素顔は見せなくなった。
もう、誰にも心を動かされたくなくて。
言われたことを言われた通りこなして、何を言われても受け流して微笑む。
それだけで金が稼げるんだから、やっぱり俺にはウリ専がお似合いなのかもな…。
そこで完全に目が覚めた。まだ暗い。
時計を見たら夜中の3時だった。
はぁー…、あれが去年の出来事だ。
それから先が思い出せない。
「くそっ…」
俺はきっとshockは辞めていなかったはず。
颯真とは、どう出会ったんだろう?まだ、記憶の中に出てこない。俺は、何で、階段から落ちてしまったんだろう?俺は悶々と考えてすっかり眠れなくなってしまった。
起きたのは昼過ぎ。
松本さんは気を使って起こさずにいたらしい。
「おはよー…」
キッチンに行って、ランチで用意してくれた和風パスタをぱくつく。
「…ん、美味し」
「良かったです」松本さんはにっこり。
今日は外に出るのも億劫で、リビングで松本さんの孫の話とか聞きながらのんびりしていた。
「…いーなあ 松本さんみたいなおばあちゃん、欲しかった」
「律さんが孫だったら私もっと年寄りですよ!
…でも、律さんみたいな綺麗で可愛い子が孫だったら、うんと甘やかしちゃうでしょうね~」
「ふふっ」
そんな他愛もない話をしながら、明日はまたハーブティーを仕入れようかな、そういえばshockの近くにもハーブティー屋を見かけた。行ってみよう。
俺用と、怒ると怖い颯真にリラックス効果の高いやつを買うか、なんて考えていた。
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