貴方が呼んでくれるから

ツナコ

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 颯真が客としてきたのは、暖くんと別れて三か月後くらいだった。

 随分色男だな、と思ったけど、俺を指名したというのに、目も合わない彼に戸惑う。

 まあいいか、といつもと同じく自分で服を脱ぎ、颯真を下半身だけ寛がせて口で奉仕した。

 大きくなってきたので

 「俺が上になりますか、それとも下がいいですか?」

 と見上げると、颯真はため息をついて、

 「…期待はずれだったな。
 お前は本当に何も考えてない、淫売なんだな。…そのまま、口でしてくれ」

 そう言って俺の頭をぐっと押さえつけた。

 喉奥まで彼の太い陰茎が突き刺さる。

 「ぐっ…!」

 「…噛むなよ。
 …よし、もっと吸え…、くっ……」

 俺の頭を押し付けながら彼が自分のいいように前後に動く。

 ちくしょう、苦しいな、なんだよこいつムカつく…!

 俺は涎を垂らしながら必死に彼のものを吸い上げる。ジュポジュポと水音が響いた。

 すると颯真は、

 「…出る」

 とぷるっと震え俺の口中に勢いよく吐精した。

 「ぐうっ…」

 射精したとたん彼は、ズッと陰茎を抜いて途中まで下ろしたパンツを上げ、カチャカチャとベルトを締め始める。

 俺は彼の出した苦いものをティッシュで拭い終わると、

 「…お客様、まだ、時間ありますが終わりでよろしいですか?」

 とムカついたのは奥に隠して颯真に向かって微笑んだ。彼は目を大きくして俺をみる。

 キリリとした相貌が一瞬崩れた。

 「……終了でいい。…悪かったな」

 颯真はほんの30分程なのにチップも充分過ぎるほど置いて帰って行った。

 「……なんなんだよ、あいつ。
 どうせ俺は下品な淫売だよ。
 …まあ、もう来ないだろ」

 そう思っていたのだが、颯真はまた1週間後にやってきた。






 ぶっきらぼうな口調だが前回とは打って変わった態度で、やはり俺を指名する。

 「あの…お客様、俺で良いんでしょうか」

 指定の豪華なホテルについた俺は恐る恐る聞いていた。

 颯真はスーツのジャケットを掛けながら、

 「…お前と、少し話したかったんだ」

 と小声で呟く。

 「俺と?話す?あの、プレイは?」

 「…まあ、座れ」

 とまた横柄な口調でソファを勧められる。

 その時初めてお互いに名乗りあった。

 颯真は本当変なやつだった。

 スタートは夜の9時。

 颯真は腹が減ったからもルームサービスを頼むと言う。

 「お前は何が食べたい?」

 ……何がといえば、

 「ラーメンでしょうか…」

 「ラーメン?!
 そんなもんこの時間に食べたら体に悪いぞ。違うのにしろ」

 相変わらず上からな口調とお前呼ばわりにイライラしながらも、二人でおでんをハフハフしながら食べて。1時間ほど過ごし別れた。

 また次の週も指名が入り今度は2時間。  

 彼おすすめの寿司屋でめちゃくちゃ美味い寿司をご馳走になる。

 トロとイクラが好きで他はあんまり食べたことないと言うと颯真は

 「子供の舌だな。
 そんな濃い味ばかり先に食べるとイカや白身の淡白な味が分からなくなるぞ。
 いろいろ食べてみろよ」

 と俺の皿に自分のイカをのせた。

 またバカにしたような言い方にイライラしながら一口で食べると、

 「…このイカ、美味い」

 「だろ?ケンサキイカだ。
 上品な味わいだろ?」

 と、得意げに微笑む。
 
 それから颯真の仕事、エリアルコーヒーの副社長で厨房機器なんかの販売もしてて、父親の圧に参ってることとか聞いて。

 そのまま別れた。今回もプレイなし。

 次の週も指名が入り、食事をして世間話をしてっていうのが2.3回続いた。

 いつも高飛車な物言いでプレイもなく、こいつは何がしたいんだろうと思っていたが、歯に衣着せぬ態度に段々と俺も素が出て、ハーブティーが好きなこと、休みの日は家でドラマや映画を見たり、本を読んだりゲームをしたり、完全インドアな生活をしてること、将来の夢は決まってないが節約して貯金してること、とかいろいろ喋った。

 それにまた説教されながらも、暖かい目で俺を見る颯真に、怒りよりも居心地の悪さが先に立ってきた。

 そして次の週の金曜、ロングの9時間で颯真から指名か入る。
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