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第1部
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この世界では、16歳の学年、11年生からいよいよ舞踏会に参加することができる。
舞踏会はほぼ毎日どこかで開かれており、好きな人は足繁く通ったりするけど、私はそんなに好きじゃないと思う、多分。
11年生となり私の習い事関係はほぼ一区切りついて終了となった。
先生とのお別れも寂しいけど、その分放課後はクラブ活動が増えた。
学園には11年生から入れる様々なクラブがあって、必ず入らなくてはならない訳ではないけど、皆ほとんど何かのクラブに入っている。
私は吹奏楽クラブに入った。
担当楽器はまだ決まっていないけど、週3回活動ののんびりクラブだ。
あとは友達と遊びに行ったり、自分の趣味の時間に費やすことができるようになって嬉しい。
もちろん学生は勉強が本分だけどね。
あと、この学年になってもう一つ変わったことは、外出の際に護衛騎士がつくことは必ずではなくなった事だ。
ムスタファは私の護衛が主ではなくなったので、マルテッロ家の警備や魔鉱石の採掘管理などに戻る事になった。
ずっと一緒だったので少し寂しいな。
もちろん夜間やそれ以外にもお願いしたければ護衛はつくけど、友達と内緒話をしたい事もあるからね。
1人でゆっくりお出かけしたい時もあるし。
なので16歳になった事で、周りからも少しずつ大人と認められた気分だ。
11年生になって最初の月、1月に舞踏会デビューする人が多いので、私とケイト、そしてキースも1月の一緒の日に舞踏会デビューすることに決めた。
舞踏会はそれぞれテーマが決まっていて、1月最後の舞踏会はこれでデビューする人が多いことから、デビュタントがテーマとなっていて若い男女が中心のものだ。
その舞踏会に合わせ、その前の週末に、早速ケイトと2人でドレスを受け取りにいく事にした。
向かうブティックはケイトの親、ジグムント公爵の経営しているお店の一つ。
ジグムント家は庶民や貴族の普段着からドレスまで幅広く取り扱う服飾業を営んでおりかなりの富豪なのだ。
まあ、お金持ちならうちも同じくらいかな?
馬車で目的のブティック、ムフタールに到着し、注文のドレスを受け取る。
初めての舞踏会ドレスはお母様と一緒に決めたので悩むこともなかったけど、次回からはチュールやオーガンジーなど生地から悩んでしまいそう。。
試着してみるとぴったり!
採寸どおりでお直しなしで大丈夫そう、良かった。
ケイトは
「アイシャ、素敵!凄くいいわ。
きっと舞踏会で一番モテるわよ」
とべた褒めするので私は照れてしまう。
ケイトも赤いドレス姿がとても可愛いのでお互い褒め合う。
オーナーの娘が来店したということで、貴賓室に通された私達、その後ドレス以外の買い物も楽しんだ。
お母様からお許しをもらっているので、普段着も買っていこうっと。
ケイトおすすめの今、庶民の間で流行っているという、ざっくりとした薄手の白のニットに、ギャザーの入ったグレーのキャミソールのロングワンピースをあつらえてみた。
背中が結構見えて大人っぽいのよね。
その後店員さんがアールグレイとマフィンを持ってきてくれたのでお礼を言ってティータイム。
私はずっと気になっていた事を遠慮がちに聞いた。
「ねぇ、ケイト、その後、ヤーン様とはどう?」
最近デートした話を聞いていないし、キースから少し話を聞いていたので心配だったのだ。
ケイトははっとした顔をして、少し考えてから話し出した。
「先に言わなくてごめんね。実は、ちょっと前に、ヤーンの屋敷に遊びに行く約束をしてたのよ。
結構早く到着してしまって、ご両親もいないし、前にも訪問した事あったから、メイドにヤーンには言わなくていいと言ってヤーンの部屋に直接行ったのよ。
メイドは慌ててたけどね」
「うん」
「そしたら、部屋の外から男女の声が聞こえてきて…その…いたしてはいなかったけど、なんだかイチャイチャしてるみたいな」
「え!」
「話してる感じ、相手は平民のようだった。
ヤーンは、早く私と結婚してジグムント公爵家に入れば、地位も財産も格段に上がるって。
そしたら、ワレリア、って名前みたいその娘。
ワレリアには愛人で申し訳ないけど、一生苦労はさせないから、なんて言ってるのよ」
「なにそれ」
「だから今は私のご機嫌を損ねないように構ってやらないと、なんて言ってるの!
私、頭に血が上ってドアを思い切り開けて叫んでやったのよ。
残念!がっつり聞いてたわよ。
どうぞその娘とお幸せにね、さようなら!って。
ヤーンはなんか言って追いかけてきたけどそのまま帰ったわ。
通信も無視してる」
「ケイト、凄い!」
「アイシャ!早く言わなくてほんとごめんね。
あんなバカな男とつきあってたなんてほんと恥ずかしくて」
「ううん…実はキースから少し聞いていたの。
平民のグループと仲良くしてるらしいって。
そういう関係だったとははっきり分からなかったけど、酒場とか行ってるみたいだって言ってた」
「うん、キースに聞いたわ。
でもその時はただグループで仲良くしてるだけだって、恋人は私なんだって信じちゃったの。
あんなのをかっこいいと思っちゃって舞い上がって、ほんと、清い交際でよかったわ。
初めてがあいつなんてゾッとする!」
「ほんとそう!良かったね」
「母様に相談したら父様に話がいっちゃって、ヤーンの家に注意するって怒っちゃったわ」
「あら、じゃあ、きっと無事ではいられないわね」
舞の世界の小説みたいに、ざまあ?な目に遭いそうだな、と私はヤーンの身が心配になってしまった。
舞踏会はほぼ毎日どこかで開かれており、好きな人は足繁く通ったりするけど、私はそんなに好きじゃないと思う、多分。
11年生となり私の習い事関係はほぼ一区切りついて終了となった。
先生とのお別れも寂しいけど、その分放課後はクラブ活動が増えた。
学園には11年生から入れる様々なクラブがあって、必ず入らなくてはならない訳ではないけど、皆ほとんど何かのクラブに入っている。
私は吹奏楽クラブに入った。
担当楽器はまだ決まっていないけど、週3回活動ののんびりクラブだ。
あとは友達と遊びに行ったり、自分の趣味の時間に費やすことができるようになって嬉しい。
もちろん学生は勉強が本分だけどね。
あと、この学年になってもう一つ変わったことは、外出の際に護衛騎士がつくことは必ずではなくなった事だ。
ムスタファは私の護衛が主ではなくなったので、マルテッロ家の警備や魔鉱石の採掘管理などに戻る事になった。
ずっと一緒だったので少し寂しいな。
もちろん夜間やそれ以外にもお願いしたければ護衛はつくけど、友達と内緒話をしたい事もあるからね。
1人でゆっくりお出かけしたい時もあるし。
なので16歳になった事で、周りからも少しずつ大人と認められた気分だ。
11年生になって最初の月、1月に舞踏会デビューする人が多いので、私とケイト、そしてキースも1月の一緒の日に舞踏会デビューすることに決めた。
舞踏会はそれぞれテーマが決まっていて、1月最後の舞踏会はこれでデビューする人が多いことから、デビュタントがテーマとなっていて若い男女が中心のものだ。
その舞踏会に合わせ、その前の週末に、早速ケイトと2人でドレスを受け取りにいく事にした。
向かうブティックはケイトの親、ジグムント公爵の経営しているお店の一つ。
ジグムント家は庶民や貴族の普段着からドレスまで幅広く取り扱う服飾業を営んでおりかなりの富豪なのだ。
まあ、お金持ちならうちも同じくらいかな?
馬車で目的のブティック、ムフタールに到着し、注文のドレスを受け取る。
初めての舞踏会ドレスはお母様と一緒に決めたので悩むこともなかったけど、次回からはチュールやオーガンジーなど生地から悩んでしまいそう。。
試着してみるとぴったり!
採寸どおりでお直しなしで大丈夫そう、良かった。
ケイトは
「アイシャ、素敵!凄くいいわ。
きっと舞踏会で一番モテるわよ」
とべた褒めするので私は照れてしまう。
ケイトも赤いドレス姿がとても可愛いのでお互い褒め合う。
オーナーの娘が来店したということで、貴賓室に通された私達、その後ドレス以外の買い物も楽しんだ。
お母様からお許しをもらっているので、普段着も買っていこうっと。
ケイトおすすめの今、庶民の間で流行っているという、ざっくりとした薄手の白のニットに、ギャザーの入ったグレーのキャミソールのロングワンピースをあつらえてみた。
背中が結構見えて大人っぽいのよね。
その後店員さんがアールグレイとマフィンを持ってきてくれたのでお礼を言ってティータイム。
私はずっと気になっていた事を遠慮がちに聞いた。
「ねぇ、ケイト、その後、ヤーン様とはどう?」
最近デートした話を聞いていないし、キースから少し話を聞いていたので心配だったのだ。
ケイトははっとした顔をして、少し考えてから話し出した。
「先に言わなくてごめんね。実は、ちょっと前に、ヤーンの屋敷に遊びに行く約束をしてたのよ。
結構早く到着してしまって、ご両親もいないし、前にも訪問した事あったから、メイドにヤーンには言わなくていいと言ってヤーンの部屋に直接行ったのよ。
メイドは慌ててたけどね」
「うん」
「そしたら、部屋の外から男女の声が聞こえてきて…その…いたしてはいなかったけど、なんだかイチャイチャしてるみたいな」
「え!」
「話してる感じ、相手は平民のようだった。
ヤーンは、早く私と結婚してジグムント公爵家に入れば、地位も財産も格段に上がるって。
そしたら、ワレリア、って名前みたいその娘。
ワレリアには愛人で申し訳ないけど、一生苦労はさせないから、なんて言ってるのよ」
「なにそれ」
「だから今は私のご機嫌を損ねないように構ってやらないと、なんて言ってるの!
私、頭に血が上ってドアを思い切り開けて叫んでやったのよ。
残念!がっつり聞いてたわよ。
どうぞその娘とお幸せにね、さようなら!って。
ヤーンはなんか言って追いかけてきたけどそのまま帰ったわ。
通信も無視してる」
「ケイト、凄い!」
「アイシャ!早く言わなくてほんとごめんね。
あんなバカな男とつきあってたなんてほんと恥ずかしくて」
「ううん…実はキースから少し聞いていたの。
平民のグループと仲良くしてるらしいって。
そういう関係だったとははっきり分からなかったけど、酒場とか行ってるみたいだって言ってた」
「うん、キースに聞いたわ。
でもその時はただグループで仲良くしてるだけだって、恋人は私なんだって信じちゃったの。
あんなのをかっこいいと思っちゃって舞い上がって、ほんと、清い交際でよかったわ。
初めてがあいつなんてゾッとする!」
「ほんとそう!良かったね」
「母様に相談したら父様に話がいっちゃって、ヤーンの家に注意するって怒っちゃったわ」
「あら、じゃあ、きっと無事ではいられないわね」
舞の世界の小説みたいに、ざまあ?な目に遭いそうだな、と私はヤーンの身が心配になってしまった。
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