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魔人殺しヤマト

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 生涯無敗天下無双の名を冠するヤマトには三分以内にやらなければならないことがあった。

「三分以内にワシを倒さねば、貴様が大事にしている姫とこの街は焦土と化す。無論貴様も一瞬であの世だぁ!」

 ハゲトール3世幹部。ハゲ魔人を討伐することである。ヤマトは魔人に鋭い殺気を放った。

 魔人の目的は主君の障害、ヤマトの排除である。例え己の身が吹き飛ぼうとヤマトを道連れにする覚悟を持ってやってきた。彼はヤマトと邂逅した時点で既に街一つ吹き飛ぶ自爆魔法を自ら発動している。

 さらに保険として攻撃を無効化する加護を身体に宿してある状況。最早、勝ちを確信した魔人はヤマトを煽り散らかしだした。

「ワシを倒さねば姫も含めてこの領土は血の海だぁ。グフフっ、逃げるなら今のうちだぞ~ヤマトく~ん。まぁ、最強なら逃げるわけないよなぁ~」

「正直驚いたよ」

「なんだ言い訳か?」

「ちげえよハゲ。この程度の凡策でこの俺に勝てると思ってるお前の脳みそに驚いてんだよ」

 瞬間、魔人の右腕が吹き飛んだ。攻撃が見えなかったからか分かりやすく狼狽える魔人。

「なっ、なにをした……!? そもそもワシは、主君の加護を身に纏い攻撃が一切効かない身体になったはず……」

「簡単なことだよ。加護ごと斬ってしまえばいい」

「……はっ?」

 加護は基本的に不可侵である。少なくとも人間では他人についた加護を解除&無効化することは出来ない。しかしヤマトは目の前でやってのけてしまった。当たり前の様に加護を無視して攻撃を当ててきた。

 魔人は生まれて初めて心の底から恐怖していた。それと同時に彼が何故『生涯無敗天下無双』と呼ばれているかも理解した。

「ワープループ!」

 少しでも時間稼ぎをするため魔人は異空間の入り口を形成し、そして飛び込んだ。

 しかしヤマトにワープ先を特定され、先回りされてしまった。

「おいおい。逃げるなって言ったのはお前だろ。もっとも、逃すわけないけどな」

「正直驚いたよ。この搾りかすしかない戦闘力で無敗の貴様に勝てると思っていたワシの脳みそに」

「なんだ言い訳か? ってかなんかセリフ入れ替わってない? 誰か入れ替わりの術でも使った?」

 間髪を入れずヤマトは『マジックルーム』を顕現させた。魔人はいつのまにかルーム内に閉じ込められてしまった。

「お前が自爆するまで開かない空間を作った。自爆しないで一生ここで暮らすか、自爆して死ぬか。好きな方の地獄を選んでくれ」

「わりい、ワシ詰んだ」

 こうしてハゲ魔人は討伐された。
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