上 下
39 / 60

魔力クッキー

しおりを挟む
レオはクッキーを食べ続ける、そんなレオを後目にカカオ豆の皮を剥いていく。
皮が全部剥ける頃には、魔力が大いサーヤですらクタクタになってしまう。
レオは虚ろな目とふらふらな身体から少し回復したのかキョロキョロと辺りを見渡す。

「うわっ、レオお前大分食ったなぁ、30分に一回はクッキーを三枚くらい食べろよ、じゃないと持たないわ」
「えっ、あっ、はい、お叔父様」

レオは訳が分からない様だが、アキラが説明をし始める。

「なら、過去の王族の不調は」
「これが出来てから良くなったぜ、始祖の神獣様が長年開発していたんだ、子孫が哀れだってな、まぁ、神獣様達が協力して作って下さるから明日からはお前の分も出来上がる筈だ」
「俺の分もですか」

きょとんとするレオにアキラはレオの頭を撫でる。

「今回は緊急だったから俺のを食べさせたが、運命の番の神獣により若干配合が違うらしい、ニアは雷属性が強いからなピリピリするだろう、このクッキー」

サーヤもレオも一口貰い齧る。
レオは顔をしかめる、サーヤに至っては涙目だ。

「これはっ」
「ーっ」
「レオはさっきまで瀕死の状態だったからな感じなかったが満足した今なら、ピリピリが分かるだろう」

こくっこくっと頷くレオとサーヤ。

「神獣の属性により変わるらしいだ、まぁそれでも簡易用だ常に接種した所で埋め合わせが出来なくなる」

アキラは寂しそうな顔をする、アキラの寿命は少しずつ少しずつだが、減ってきている。
神獣が運命の番を選ばない時に起きる現象だ。
アキラは確実に死が近か付いている、ことは王族と神獣に神殿の人間は理解している。
そして、肉体的にも少しずつ変化が起きてきている、王族は成人に近付けば老いが止まるのに、アキラとレオは老いが止まらなかった。
今はレオは老いが止まり、王族の時間が流れ始めたが、アキラは誓う。

「レオの神獣が早く目を覚まし本格的に結ばれなくてはならないよ」
「ーっ、お叔父様」

レオの頭を撫でるアキラの手は大きく優しくレオを包んだ。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

きつねうどん、たぬきそば

BL / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:5

義妹の策略で婚約破棄された高嶺の花は、孤高の王太子に溺愛される。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:35pt お気に入り:2,980

幻想銀河エセ英雄譚

SF / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:2

波打つ砂浜

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:4

オコジョに転生したので、可愛い飼い主の夜を覗いてます

BL / 連載中 24h.ポイント:21pt お気に入り:966

君の右手に誓う永遠…

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:11

処理中です...