人外食堂

召喚

「神、あぁ神々しい神よ」

邪神に抱きつかれて、マンションの廊下で立ち尽くす。
なずなくんと一緒に家に入ろうとしていたら、突然腰に抱き付かれるとはちょっと意味が分からないが、困った様な顔をしてポリポリと頬を掻く魔界人にライカワの言葉が甦る。

「こんにちは、僕下の階に越してきました此方は兄ですお話せませんか」

なずなくんは眉をしかめながら自室に案内してくれる、本当にいい子だ。

「知り合いそこの変人は」
「クスクスそんな訳ないよ」

僕はこんな知り合いごめん被る。
だが、このタイミングという事なら、理解は出来る。

「改めて、なずなくん僕はある調査で人間界に降りてきた」
「ある、調査・・勝手にすればいい俺を巻き込まないでくれれば」

なずなくんの言葉はもっともだろうが、無理だ。
なずなくんの家は理想的で我々の現実を調べるにはうってつけ。

「なずなくんの暮らしている場所は今世界的な死者が多くいるね、その死者は本来は死ななくていい人達もいる、これ以上増えないように我々輪廻転生管理部が訂正しなければならない」
「ーっまさか、サイが死ななくなる」

僕は首を傾ける、サイくんは誰だか分からないが、なずなくんに名前を教えてもわなくてはならない。

「サイくんは何歳でフルネームと性別は」
「吉原佐為１５歳高校１年、男親友なんだけど、伝染病に掛かってしまって今は隔離されているけど、写真ならある」

なずなくんは僕にサイくんの写真を見せる、僕は魔界の悪魔に写真を見せる。

「死神リストに記載されていますか」
「#%#&@&#&」

悪魔が呟くとペラペラと手帳が動き止まるある、１ページで。

「書かれていますが、まだ寿命はかなり残っているね」
「そう、なら僕の出番だ」

スーツと呼吸をして神界で創った神獣と聖獣を召喚する。