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ようこそ魔法学校へ 6
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「こんにちはー!」
「え?あ、ウォシュレットの人だ!!」
「ホントだ!!ウォシュレットの人じゃん!!」
ザザは学生たちの“生の声”聴きたさに、休み時間に体育館へ突撃しに行った。現状をよく知る大人たちの声を拾うのが基本ではあるが、彼らの声ばかり聴いていては意見が偏ってしまう。それに、実情を最も体感しており、かつ発言が素直な学生の方が良い意見を持っていることが多い。ザザが体育館の扉をバァアアアアンと開け放つと、いるわいるわ学生の群れ。そして、ひとたび声をかければそれなりに有名なザザに学生がどんどん集まってきた。有名人じゃないのに有名人扱い、ちょっと悪くない気分だ。
「皆よく知ってるねー。そう、俺はウォシュレットの人こと、行政改革ギルドのザザ・ナムルクルスと申します。今日は皆に学校の話を聞きたいんだけど、今時間あるよーって人いる?」
「「「はああああああい!!!!!」」」
「いやーノリが良いね!!じゃあ教えてほしいんだけど、学校で嫌なこととか、これはちょっとどうなのってことがある人は挙手!」
しーん。と誰も手を挙げず、一拍置いて笑いが広がった。
「違う違う!フリじゃなくてね。なんでもいいんだよ、“飯がマズい”とか“先生の下ネタが多い”とか“家から遠い”とか“使っている道具が汚い”とか、とにかくなんでもいいんだ!俺は普段からギルドの悪いところを直す専門の人をやってるんだけど、今日は学校の悪いところを直すのに君らの意見が欲しいわけ。はい、そこの坊主のボーイ」
「俺!?」
「そう、君。なんかない?部活やってそうだね。部活の道具がしょぼいとかそういうのでもいいよ」
「ええ?……あー、じゃあ、1個いいっすか」
「どうぞ」
「部室が狭いっす」
「部室が狭い!素晴らしい!なるほど、部室って臭い?」
「臭いっす」
「エアコン付いてる?」
「ないっす」
「なるほど、はい皆注目!!」
ざわざわがピタりと収まる。
「この少年の所属する部活の部室は、狭くて臭くてエアコンもないどうしようもない空間だそうです!」
ひでー!!ウケる!!がやがや。
「彼の部活限定の話なので、費用対効果を考えると部室に対策設備を整えることは難しいかもしれません。……ですが!!!例えば、各教室に空気清浄機や加湿器、エアコンを設置することはできるかもしれません」
「え!?そんなことできるんすか!?」
「かも、だけどね。
例えば、教室の温度が真夏は40℃近いとしよう。一般的に、ギルドや会社にはエアコンが付いているんだ。オフィスを冷やして快適な温度にしておかないと、仕事に集中できないからね。じゃあ君たちはどうなのかっていうと、若いからエアコンがなくても勉強に集中できます!!!……じゃないよね?普通に暑いし、集中力だってすげぇ下がるでしょ?君たちは未来の社会を背負っていく人間なのに、今現在環境のせいで満足に勉強できないってのはおかしいじゃん!そうでしょ?」
おー!確かに!そうだそうだ!!
「そういう現状があるってことに気付いたのは、今この部活ボーイが『部室が狭くて臭くて暑い』って声を出したからなんだ。
残念ながら、君らが抱えてる問題が今すぐたちどころに解決するわけじゃないかもしれない。でも、全然関係ないところから重要な問題に話が膨らんで、そうして君らの勉強する環境とか、進学先の学校や就職する会社の環境がどんどん良くなるかもしれないわけ」
おお!!すげえ!!やるな部活ボーイ!!!うるせえ部活ボーイって言うな!
「給食の飯がマズいってことがあったら、実は冷蔵庫がボロくて食材が傷んでた、だから冷蔵庫を良いものに買い換えようってことになるかもしれない。先生が黒板に文字を書くのが遅いなら、授業は黒板じゃなくてパワーポイントでやれば文字すら書かなくていい。訳の分からない校則があるって分かったから調べたら、なんと国内全体で不毛な校則による教員の負担が発覚した!!……なんてこともあるかもね。
色んな改善提案は、君達の文句から生まれることだってあります!ですので、今時間のある人!国営ギルドの人間である俺に、学校の文句を教えて下さい!」
はいはい!!俺も!私のも聞いて!!
「良いですよ皆さん!これが改善提案を出すために必要な気持ちなんです!じゃあ誰に当てようかな……よし、じゃあもう一回部活ボーイ!」
部活ボーイって言うな!!あはははは!!
後日、行政改革ギルドは未来ある若者のための政策として、学校環境の改善業務に着手する。今の中央ギルドのように、お金をたくさん持っていて直接中央ギルドに影響力を持つ年寄りのことばかり考えていては、そのうち大日本帝国は立ち行かなくなるだろう。だからこそ、これからの大日本帝国を担う若者への投資として、彼ら若年層の拠り所を良くしなければならないのだ。
これから数年の時を経ることにはなるのだが、大日本帝国は全教室にエアコンを完備し、全学生が自前のパソコンを持つようになるだろう。それは彼らの光り輝く未来のためであり、我々現役世代が年老いて引退した時、少しでも大日本帝国を豊かにしてもらうためにも必要なことなのである。
「え?あ、ウォシュレットの人だ!!」
「ホントだ!!ウォシュレットの人じゃん!!」
ザザは学生たちの“生の声”聴きたさに、休み時間に体育館へ突撃しに行った。現状をよく知る大人たちの声を拾うのが基本ではあるが、彼らの声ばかり聴いていては意見が偏ってしまう。それに、実情を最も体感しており、かつ発言が素直な学生の方が良い意見を持っていることが多い。ザザが体育館の扉をバァアアアアンと開け放つと、いるわいるわ学生の群れ。そして、ひとたび声をかければそれなりに有名なザザに学生がどんどん集まってきた。有名人じゃないのに有名人扱い、ちょっと悪くない気分だ。
「皆よく知ってるねー。そう、俺はウォシュレットの人こと、行政改革ギルドのザザ・ナムルクルスと申します。今日は皆に学校の話を聞きたいんだけど、今時間あるよーって人いる?」
「「「はああああああい!!!!!」」」
「いやーノリが良いね!!じゃあ教えてほしいんだけど、学校で嫌なこととか、これはちょっとどうなのってことがある人は挙手!」
しーん。と誰も手を挙げず、一拍置いて笑いが広がった。
「違う違う!フリじゃなくてね。なんでもいいんだよ、“飯がマズい”とか“先生の下ネタが多い”とか“家から遠い”とか“使っている道具が汚い”とか、とにかくなんでもいいんだ!俺は普段からギルドの悪いところを直す専門の人をやってるんだけど、今日は学校の悪いところを直すのに君らの意見が欲しいわけ。はい、そこの坊主のボーイ」
「俺!?」
「そう、君。なんかない?部活やってそうだね。部活の道具がしょぼいとかそういうのでもいいよ」
「ええ?……あー、じゃあ、1個いいっすか」
「どうぞ」
「部室が狭いっす」
「部室が狭い!素晴らしい!なるほど、部室って臭い?」
「臭いっす」
「エアコン付いてる?」
「ないっす」
「なるほど、はい皆注目!!」
ざわざわがピタりと収まる。
「この少年の所属する部活の部室は、狭くて臭くてエアコンもないどうしようもない空間だそうです!」
ひでー!!ウケる!!がやがや。
「彼の部活限定の話なので、費用対効果を考えると部室に対策設備を整えることは難しいかもしれません。……ですが!!!例えば、各教室に空気清浄機や加湿器、エアコンを設置することはできるかもしれません」
「え!?そんなことできるんすか!?」
「かも、だけどね。
例えば、教室の温度が真夏は40℃近いとしよう。一般的に、ギルドや会社にはエアコンが付いているんだ。オフィスを冷やして快適な温度にしておかないと、仕事に集中できないからね。じゃあ君たちはどうなのかっていうと、若いからエアコンがなくても勉強に集中できます!!!……じゃないよね?普通に暑いし、集中力だってすげぇ下がるでしょ?君たちは未来の社会を背負っていく人間なのに、今現在環境のせいで満足に勉強できないってのはおかしいじゃん!そうでしょ?」
おー!確かに!そうだそうだ!!
「そういう現状があるってことに気付いたのは、今この部活ボーイが『部室が狭くて臭くて暑い』って声を出したからなんだ。
残念ながら、君らが抱えてる問題が今すぐたちどころに解決するわけじゃないかもしれない。でも、全然関係ないところから重要な問題に話が膨らんで、そうして君らの勉強する環境とか、進学先の学校や就職する会社の環境がどんどん良くなるかもしれないわけ」
おお!!すげえ!!やるな部活ボーイ!!!うるせえ部活ボーイって言うな!
「給食の飯がマズいってことがあったら、実は冷蔵庫がボロくて食材が傷んでた、だから冷蔵庫を良いものに買い換えようってことになるかもしれない。先生が黒板に文字を書くのが遅いなら、授業は黒板じゃなくてパワーポイントでやれば文字すら書かなくていい。訳の分からない校則があるって分かったから調べたら、なんと国内全体で不毛な校則による教員の負担が発覚した!!……なんてこともあるかもね。
色んな改善提案は、君達の文句から生まれることだってあります!ですので、今時間のある人!国営ギルドの人間である俺に、学校の文句を教えて下さい!」
はいはい!!俺も!私のも聞いて!!
「良いですよ皆さん!これが改善提案を出すために必要な気持ちなんです!じゃあ誰に当てようかな……よし、じゃあもう一回部活ボーイ!」
部活ボーイって言うな!!あはははは!!
後日、行政改革ギルドは未来ある若者のための政策として、学校環境の改善業務に着手する。今の中央ギルドのように、お金をたくさん持っていて直接中央ギルドに影響力を持つ年寄りのことばかり考えていては、そのうち大日本帝国は立ち行かなくなるだろう。だからこそ、これからの大日本帝国を担う若者への投資として、彼ら若年層の拠り所を良くしなければならないのだ。
これから数年の時を経ることにはなるのだが、大日本帝国は全教室にエアコンを完備し、全学生が自前のパソコンを持つようになるだろう。それは彼らの光り輝く未来のためであり、我々現役世代が年老いて引退した時、少しでも大日本帝国を豊かにしてもらうためにも必要なことなのである。
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