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第1章

第5話 エリスちゃん8歳、仕事の面接を受ける。

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 なんやかんやあって無事8歳になりましたエリスです。毎月支給されるはずのお金が3ヶ月前から届かなくなりました。だんだんと金額が減っているな、とは思ってたからちゃんと貯金して、そのお金で細々暮らしてたけどもうすぐ底つきそうだなぁ。という訳で、町に買い物に出た時に見つけた『給仕募集』の張り紙の店に行ってみようと思いまして。
『給仕募集  
    "宿屋兼食事処 青いフラミンゴ亭"
    ・週3日以上働ける事
    ・午前8時~午後4時(まかない有)
    ・日給6000リト~                   』  
       
 青いフラミンゴ亭………此処だ。  
「すみません。表の張り紙を見てきたんですが。」
現在時刻午前7時。なるべく人のいない時間帯を狙って来たんだけど………。人、いなさすぎない?
「あー、お嬢ちゃん1人?」
店内にいた2人の男女のうち、男性の方が口を開いた。
「はい。1人です。」
こちとら3年前からずっと1人だが?
「子供はお家に帰んな。」
は?見るからに20代前半くらいじゃんあなた達。私前世今世会わせたら30超えてますけど。
って言いたい。言わないけど。
「家はあるけど親がいないので。」
ちょっとなげやりに返す。
2人は目配せしたあと深いため息をついて、
「わかった。ただし、使えなかった場合はすぐにクビだ。」
「わかりました。」
前世は惣菜工場とファミレスでバイトしてましたから、クビにはたぶんなりません。
男性が去ったあと、女性がこっそり
「あの人、最近めっきり客が減って気が立ってるのさ。大目に見てやってくれよ。」
と話しかけてきた。聞くと、客が減り出してから従業員がほとんど辞めてしまったらしい。そのお陰で、私は仕事を手に入れた。




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1リト=1円くらいです。
この世界ではかぜつちみずほのおやみつきの7日間で1週間。風曜日=月曜日、土曜日=火曜日みたいな感じになってます。
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