シンデレラ姫に最後のキスを

hari

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出会い

戻れない過去

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「いてて…姫様、そろそろ時間が~」

私が投げつけた枕を抱え、鼻をさすりながらリリアが言う。

私の赤く腫れた目を見て少し動揺したが、何かを察したのか、何事も無かったかのようにドレスを手に取っていた。

全く…変なところで気が利く女だ。

「ああ…ごめん。急ごう」

過去の事を思い起こそうとする思考と涙腺を無理矢理シャットダウンし、ベッドから降りた。

「時間ないんだからさっさとしてよね」

「でも時間がなくなったのは姫様のせい…いやなんでもありません」

リリアが余計なことを口走ろうとする前に、親指を首に当てて横に動かし、その口を閉じさせる。
時期女王の特権だ。

「…早くしないとまたアークに叱られるわ。急いで」

「かしこまりましたぁ~」

リリア伸びた返事を聞くと、不思議に気が緩んで…いつの間にか、過去の出来事は記憶の奥底へと引き戻されていたのだった。
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