【完結】四ばあちゃん、二度目の人生

大江山 悠真

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半蝙蝠族 視点

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私は半蝙蝠族のマリナと申します。
今度、この砦でお世話になる予定でございます。
半蝙蝠族は血を飲むことと生肉を食することで、ハーフ族の中でも異質の存在と思われています。
魔物の肉の強さで私たちは戦闘能力が決まります。
そして珍しいことに半蝙蝠族も蝙蝠族も女性が生まれやすいとされています。
逆に言うと何もできない女性が多いため戦闘に向かない種族なのです。
そのくせ狩った魔物の強さで戦闘力が決まる。
お分かりですよね。半蝙蝠族は自分達より弱い魔物しか狩れないのです。弱くなれば狩りは出来ません。
餓えて滅んでゆくのが私たちの運命だと思っておりました。
事実私たちは飢えと渇きで一族滅亡の危機でした。どこからともなく漂ってくる血の臭いをかぐまでは。

ある日大量の血の臭いが漂ってまいりました。私たちは躊躇することなく全員で臭いの方向に向かったのでございます。臭いは4日程で薄くなり消えましたが進むしか道はありませんでした。砦が見えた時、また血の臭いが感じられました。限界です。リーダーのグルレッド様一家が砦に向かいました。私たちは待機です。
すぐにグルレッド様が呼びに来て下さり砦に伺います。
砦には多くの獲物、驚くことにキングスネーク2匹とワイバーンが3匹見えました。それは多くの獲物の一部となっているのです。キングスネーク1匹退治しようとしたらSランクの冒険者グループが必要と言われております。その程度は、まだ16歳の私でも知っている常識です。
笑いながら、獲物を荷駄車に積みこんでいるこの人たちは何者でしょうか。

砦では冷たい血を頂きました。熱い所を歩いてきたので冷たい物がのみたいでしょうとご配慮いただました。
生きてきて初めてです。こんな風に言われたのは。いつもは血を分けてくれても気持ちが悪いからほかで飲んでくれとか飲むところを見せるなとか言われてましたので。
水を飲むのを見てるように、普通に見て話してくれる女性と子供達は初めてです。
お陰で骸骨のようだった自分の外観が、人並みの中肉中背からぽっちゃりな体型になったのを感じ嬉しかったです。それに宴で焼いて下さった肉のステーキと言う物は、外観は焼いた肉ですが中身は温かく肉汁溢れて非常に美味しかった。このステーキなら他のハーフの人達が見ても嫌悪感を覚えませんよね。
スイツさん、マッドさん、クロードさん、ニーナさん、メルトさんと仲間の
サミエルが肉をたっぷり焼いてくれました。美味しかった。
先に十分血を飲んでいたので肉でお腹を壊すと言うこともなかったです。
私たちはみんな、寝る頃にはコロコロになってました。
お風呂の使い方をサトウ様達に教えていただき、
ここは”働かざるもの食うべからず”と言うことも教えていただきました。
サトウ様は夫が5人もいるのに狩りを共にし、料理と洗濯を担当し夫の身体も洗って差し上げると言うのです。普通女性は何もしないはずですのに。
夫の身体を洗うとはどういうことなのでしょう。わからなかったのでお聞きすると
サトウ様は恥ずかしそうにほほを染め、独身の女性には教えられないとおっしゃいました。
これはお教えしていただかなくては、私達独身組は決心しましたの。結婚する前には絶対教えてもらわねば。


砦の宴で、わたくしこの方と思う方を見つけましたの。アガサやルミナやエグナは
エド様やラッド様に惹かれたようです。私は同年代より年上の方が好みでございます。お名前を知りたくて、数日砦の中をうろうろしましたがわかりました。
リベト様と呼ばれてました。後一人はネッド様とおっしゃいます。お二方とも落ち着いた方で一人身と聞いています。半蝙蝠の身寄りのない女で若さしか取りえはございませんがお二人に、この気持ちを伝えても良いのでしょうか。
ここにきて1カ月ほどですが、水魔法と風魔法を使って洗濯もできるようになりました。お風呂に水も入れれますし、風魔法で草を刈り取ることも覚えました。草を切り土に混ぜ肥料を造ることも覚えました。服も縫うことをサトウ様に教えていただき上手と褒めていただきました。随分出来ることが増えました。


メルトさんとルイスさんに相談すると応援していただけましたので、明日お二人に伝えるつもりです。うまくいけばサトウ様、夫の身体の洗い方教えてくださいましね。
練習したいと思います。
エッ、目をそらさないで下さいまし、わたくし不器用ですので上手にするには練習が必要なんです。
練習はいらない?何故でしょう、1度で簡単に出来るものですか?
メルトさんとルイスさんが少し無理かなと話されてますけど。
あ、サトウ様が逃げた~。ちょっと待って下さい、メルトさん、ルイスさん教えてくれますよね。
なに、目をそらしてるんですか?


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