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セリ 5
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「ドローナック、僕はコーグが大好物ですし海鮮スープも大好物です。他の者に分けてよいと思うほどやさしさはありませんからね。横取りしたら殺しますよ!
あ!手を出すなと言ったのに、コラ~ドローナック!!」
「オイ、ハロルド。止めないか目立ちすぎだ。ドローナック、俺の蟹まで全部食べたな!!表に出ろ。~」
「ご・ごめんなさい。美味しすぎて手が出てしまう~。許して~」
「「薄ら笑い浮かべながら謝って許されるか~」」
「おや~知らないのかしら?美味しいもの食べたときは、思わず笑ってしまうのよ。」
「うぇ?誰?~」
「忘れたの~いや~ね。バロッグたら。『ぐぇ!』
ねぇ、ハロルド、そちらの方、お顔を見るの始めてね~紹介してくださらない~」
「セ…リ……あ・の・こ・れ・は…」
「あら、セリも初めてお会いするのか~。イヤ-こちらの方、門を通過されてないみたいなの。ちょっと、こちらに来ていただきたいのだけど~」
「シ、シズ様。」
食堂で食べていた、エドやジイがこちらを見てる。目が笑っていないぞ。
調理場はロイが立っているしアクトとラッドは通路で背をもたれかけて、こちらを見ている。
「ドローナックお前、砦の中に転移したのか?」
「うむ、ハロルドが中にいてたから…。砦の上に出た。見られていたのかな、誰かに。」
「セリ、3人の方々にはお話しをすこ~しお聞きしたいので、こちらに来ていただけるかな~それとも拘束していいかしら。」
「ねぇ、バロッグとハロルド。来てくれるわよね。そちらのお名前知らない方もい・い・わ・ね。」
「「「はい。」」」
バロッグとハロルド、きちんと話してもらおうか。確かに一人の人間が接触していたのはわかっていたけど、敵意がなかったから放っておいたのに。
そのうち理由を話してくれると思っていたのに。
なぜ、この砦に入ってくるかね。ここはシズと皆の砦だよ。森や街じゃないのに、何を考えているのかしら。
シズとその仲間たちは、私とモーグ兄弟ともう一人の話を静かに聞いていた。
わけは理解したわ、理解したけど認めれないわよ。王族や貴族とはいえ、ここには平民として来たのでしょう。
なら、砦に入るなら門を通過しないと礼に欠けることぐらいわかるはずだけど。
王族や貴族は礼を欠いても構わないと考えたのかしら?
そこから、キッチリ説明していただこうかしら。シズが許しても私は許さないわよ。
ドローナックさん、説明して頂戴。
申し訳ないの言葉は結構よ、言わないより言った方が良い程度の気持ちでしょうから。
あちらの世界のハウスメーカーにも嫌と言うほどその言葉聞かされたわ。謝ったからいいだろうの態度だったわね。あなたたちも一緒ね、貴族が平民に謝ってやったんだから文句ないだろうなのね。
どうすれば許してもらえるのか?
そうね、まずこの砦で見たこと聞いたことすべてを、誰にもお互いでも話さないことを誓約書にして、誓約を破った場合の代価はそれ以降、生きている限り言葉を話せなくして頂くわ。それと3人がシギの木に関して忘れることを誓約して貰うわ。誓約を破らなければ問題ないから良いわね。それと転移の魔法を教えてもらえるかしら。
誓約はシズとこの砦に対するお詫びよ。
私への謝罪は転移の魔法ね、それでいいわ。
ドローナックから、私は転移の魔法を教えてもらったわ。転移はやはり行ったことのある場所にしか行くことが出来ないのね。やはり、○○でもドアは夢か、残念だわ。
一応教えてもらったから、礼を言うわね。ありがとうドローナックさん。
では、こちらへどうぞ。ハロルドとバロッグも一緒よ。荷物はまとめて持ってるわね。
砦も出たし、ではここからさようなら。今後お目にかかることはないと思うわ。
「セリ…」
「…セリ…」
「二人を許してもらうことは出来ないか?大切なお仲間に礼を欠いたのは私だ。ハロルドとバロッグは決してそのようなことを望んではいなかった。」
「勝手な望みを”祝福の女性”に頼んで可能にしてもらう?祝福の女性が奇跡をおこせるから。自分たちが何の努力もせず人を当てにしての頼みごと?
ハロルドとバロッグは、この砦をみて学ばなかったの?この砦は確かにシズが造ったわ。
でも砦に命を吹き込んだのは、住んでるみんなよ。住んでるみんなが互いのことを考えて、妥協し尊重しあって作りあげているのよ。
シズ一人がしたわけではないわ。砦みんなの行動の結果よ。宿泊してる間にそんなこともわからないようでは残念ね。残念だったけど、あなたたちの希望がつぶれればよいとは思っていないわ。頑張って頂戴。
私は、自分でやりたいことをするわ。シズのように、背中を預けれる人とね。」
彼らは転移の魔法で消えたわ。私は急遽、シギの木と胡椒を購入できるだけ購入して砦を出立したわ。
しばらく一緒にいないかとシズに言われたけど、けじめはつけなくてはね。
誓約書には正式名を書かしたので胡椒等の秘密は守られるわ。
短い間だったけど彼らと一緒にいて、この世界で初めての恋人を得たのにね。
馬車を走らせている間、頬が濡れていたわ。いいえ、寂しいだけよ、また一人になったから。
当面の行き先はマリのところね。シギの木を届けてから商売を考えなきゃね。
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