テラへ愛を捧ぐ

大江山 悠真

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     ☆☆☆☆☆


幸田君は一緒に住むことになった。お祖父ちゃんが良いって言ったんだよ。
私のスマホも博のスマホも使えなくなっている。応答しないのよね。
祖父ちゃんや幸田君は今までと違うって言うの。
電気も来ないし水道も使えない。今は23世紀だよ、15世紀じゃないよと思うんだけど同じようなものみたい。
水素エネルギーが手に入らないから車は手動でも動かないし、太陽光エネルギーも駄目みたい。
スーパーで買い物って言われても物がないし、知り合いの人から野菜をもらうのも物々交換になっている。
銀行や郵便局も開かないし警察や救急車も動かない。
テレビも勿論映らないしどうなってるのか、私にはさっぱりわからない。
1年前までスーパーには物があって当たり前だしネットで注文すれば翌日には注文したものが届いてたのよ。
スマホで連絡も取れたし地図も調べられたのに、今じゃ自分がどこにいるのかも確認できないんだよ。
信じられないよね。服ってどうやって洗うの?と考えたわよ。
でも、私たちはまだマシ。津波があってから1か月ぐらいしてから生き残った人が避難してきたの。
幸田君と同じよね。
彼らは空いているうちに勝手に住んだりしているらしい。でも警察の人も来ないし文句も言う人もいないから勝手にしている。着の身着のままで歩いてきて勝手に実がなった作物を取って食べたりしているの。
作った地の人から追いかけられていた。


この家に来る人はいなかったので不思議に思って聞いてみるとなんとお祖父ちゃんが隠蔽をかけていたらしいよ。
お祖父ちゃん、魔法使えるんだ!!
驚いたわ。だから私や博が魔法使えるのを聞いてもあまり驚かなかったんだ。
お祖父ちゃんが隠蔽の魔法をかけてくれるので、他の人からは薄らぼんやりした人影にしか見えないらしい。
近づいたら余計に見えなくなるしね。
そのおかげで私たちは畑で野菜を作り取られずに済んだよ。



     ◇◇◇◇◇



津波のおかげで随分人間どもが減ったし、行政組織がなくなり混乱している。
軍隊や警察の組織には絡新婦が張り込ませた毒蜘蛛たちが良い仕事をしてくれた。
地球は徐々に人族の手から離れたな。
現在、俺は日本という国にいるが津波のおかげでこちらも行政組織は壊滅し無政府状態だ。
海岸沿いのかろうじて生き残った者たちは、あまりの惨状に茫然自失していたな。
燃えてしまったビルや街、船舶や倒壊したビルに潰されたマンションや大型ビル。
海水に沈んだままの地下街や地下鉄。
国会議事堂は燃えてしまい東京都庁は崩れ落ちた。
一部の地域で起こった災害ならば救助の手があるが全地域となれば救助の手はないからな。
死体はそのまま、海水に沈んだ死体は腐敗が進む。
鉄道や高速道路、一般道も使用不可となり手の付けようがない。これは何も日本だけのことではない。世界中で同様のことが起こっているのだ。
どのぐらいの人間が生き残れるかな。
偶(タマ)に銃器を持っているものもいるだろうが山から人間どもが獣と呼んでいるのがテリトリーを広げようとしているからな。
これから人間はどうするのかな。
さあ俺たちも元の姿に戻り生きていこうか。
魔素に適応したものだけが残れる世界になりそうだ、俺たちだって同じだがな。


絡新婦の由美は山に戻るのか。
そうだな、津波から逃げ出した人間が山の方を目指していたな。餌には事欠かないか。
絡新婦から進化するには餌が必要なのか?
次の進化を教えてくれるか?アラクネになるのか、そりゃあすごい。

サキもオオカミに戻って狩りをするのか。
サキは大狼だが魔素で進化するとどうなるんだ?フェンリルに最後はなるのか?
フェンリルになるのが希望でそうなるとは決まってないのか。
希望が実現できればいいな。

俺か俺はそのまま上半身は人間で下半身蛇の魔物だな。
魔素をとりこんだらどうなるかわからないんだ。
俺は河から山に入る。河の死体に魚たちが食いついて魔物に変化している可能があるからそいつらも喰らいながらどう自分が変化するかみて。みるつもりだ。

次に会えることを楽しみにしているぞ。


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