テラへ愛を捧ぐ

大江山 悠真

文字の大きさ
8 / 25

しおりを挟む

     ☆☆☆☆☆

結局人間って大きな顔していて進化の頂点だとうぬぼれていたけど大したものじゃなかったのよね。
今回身に染みて理解しました。
考えてみてよ、水が止まったら食事の用意も風呂もトイレも使えないわけ。
むかしむかし、雪隠とトイレが言われてたそうだけど同じように外でするしかないような状況になったわけよ。
真剣に、二度いうわよ真剣に考えました。異世界小説のようにスライムなるものがいて石だろうがゴミだろうが排泄物だろうが消化してほしいと切に願いましたが見つかりませんでした。
由紀ちゃん哀しい。
周辺の家々も同じようなものですごい臭気が漂っている、笑い事じゃないからね!

山に探しに入るのも獣?魔物?たちがいて危ない。
一度ウサギのようなものがいたので、可愛いなと遠めに見てたらなんとそのウサギに大きな角があり大型犬とバトルを始めたの。
博と私、思わずホケーと見てましたよ。
亀岡の端は丹波牛を育てている農家さんが多かったのよね。
津波以降、2本頭の牛が道路をのし歩いてた。頭が2つあるんだ~っておもわずその時もガン見しました。

話を戻すわ、トイレよトイレ。
頭を悩ましたけど水魔法で流して毎日溜まった汚物を火魔法で完全乾燥して土に混ぜることにしたの。
多少臭気は発生するけどこの2,3か月よりましな状況となったわ。
祖父ちゃんも私たち兄弟も幸田君も何故か生活魔法は最低限使えるのよね。
逆にいうと魔法が使えない人は生きていけない状況。
使えないからいつもいつもお願いしますでは私たち自身の生活が営めないからやむ負えないわよね。
魔法を使えない人は最後ご近所の皆さんに助けてくれないと不平不満を述べてどこかに行かれたわよ。
それだけ、生き残った人間は厳しい環境で生活しないといけないわけよ。
寒いからとか火をおこすためとかで簡単に木々を伐採した人は森の魔物に殺されてたわ。
枝葉や枯れ木、つる草をとるのは別に襲われたりしないのだけど木々を無駄に切り倒すのは駄目みたい。

私たちは祖父ちゃんが耕した田んぼに稲を植えたり、家の前の畑に野菜を作ったりしていたけど不思議なことに作物の収穫は順調だったのよね。
まあ、自分たちの口を養う程度だったけど…。
耕作放棄された田畑に汚物の肥料を混ぜたり落ち葉を混ぜたりして土をつくる一方で、私たちは収穫したものをせっせと自宅の地下に保存した。
果物も柿は干し柿にしたし、葉はお茶になるので乾燥して保存した。
冬がきたら作物が出来ないと思うから。
冬の服は引っ越しで持ってきたものしかないし、幸田君は着の身着のままでいついたから博の服を分けてたけど、ちょっと小さめだし。
暖房なんてあるわけないしね。
冬に向けての対策も必要だなと悩んでたら、幸田君が狩りの練習するぞって言いだした。
狩りをするの?
狩りをするということは獲物を解体しなきゃいけないのではと恐る恐る男性陣に確認したら当り前だろう見たいな顔された。
おかしいでしょう!
今まで私は肉という物は、牛肉でも豚肉でも鶏肉でも魚でも切り身ですべて購入してたのですよ。
あんた達も同じだよね!
学校でも解剖なんてこと習ったこともないわよ!誰が解体するのよ。
平然と俺たちがするからって言わないで…血抜きも必要なのよ!わかってるの?
わかってるが解体しないと肉が食えないだろうが、俺たちは肉が食いたいの!魚なんてここにはいないだろう。
河はあるけど海は遠いのだからな。
魔物だろうが獣だろうが食えりゃいいの。
試してみなきゃ食えるかどうかわからないだろう。
だから狩りの練習するぞ。魔物が多くなりゃ身を護るためにも戦えるようにならなとい死ぬからな。
魔物の毛皮は冬の布団にぴったりだ。
翌朝から博と幸田君は家と田畑の周囲に土塀を作り始めた。外敵から身を護るためだそうだ。
そうよね、角があるウサギをよく見かけるようになってるもんね。私も手伝うよ。
外堀は深く掘るようにすればいいのね、わかった。
そうよね、雨が降れば水も貯めれるし魔物たちも侵入しづらいよね。
柿の木や無花果の樹の後ろにも土塀を作ればいいのね、了解。
お祖父ちゃんは腰痛めないようにしてね。
こうして2日かかって土塀を作り上げた私たちは土塀の上から、魔法でウサギの魔物を撃つ練習を始める予定。

姉ちゃん、もう寝ろよ。明日から狩りの準備もしなくてはいけないからな。
明り魔法をつけてグズグズ悩んでいた私は博から注意され目をつぶりここでの生活を思い出していた。
私たちの朝は早い。明るくなると同じぐらいに起きないと電気がない今は、あとが辛くなる。
顔を水魔法で洗い、顔を洗った水や食器を洗った水はすべて田畑に撒く。顔を洗ったら畑で収穫。収穫したもので朝食の雑炊を作る。博と幸田君は次の田んぼを作るために土を混ぜていく。お祖父ちゃんは今日食べるコメを半分白米半分は玄米にしてくれる。その後汚物を乾燥させてくれる。私も雑炊を火にかけると洗濯をし始める。水を湯にして洗濯ものを風魔法で回して絞る。これだけで随分汚れが落ちるのよ。石鹸は手に入りにくいので使うのは慎重になる。一仕事終えてから朝食。その後水を撒いて祖父ちゃんは家の掃除。
私たちは土塀作りが終了したので森の周辺で小枝、枯れ木、つる草等を刈る。これは夜の焚き木に使う。
今の夜空は星がきれいにみえるのよ。周囲にも電気がないから。陽が落ちたら真っ暗になる。
真っ暗の意味が分かったわ。困ったので夜はしばらく玄関に火を焚くようになった。
玄関先で大人4人が火の明り頼りに本を読んだりしている。
その風景はちょっと引くかなと考えながら眠りに落ちたみたいだ。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。 それが約50年前。 聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。 英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。 俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。 でも…英雄は5人もいらないな。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

愚者による愚行と愚策の結果……《完結》

アーエル
ファンタジー
その愚者は無知だった。 それが転落の始まり……ではなかった。 本当の愚者は誰だったのか。 誰を相手にしていたのか。 後悔は……してもし足りない。 全13話 ‪☆他社でも公開します

処理中です...