テラへ愛を捧ぐ

大江山 悠真

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ゴルトさんが長らく世話になったがそろそろ出かけようと思うと話した翌日に亜人の熊族ガロさん・ミーヤさん・ルイ君が来た。
ゴルトさんはガロさんと知り合いのようで挨拶している。
奥さんのミーヤさん強い方でした。

「あらアラクネさん、お世話になります。どこに住めばよいですかね?」

「ミーヤか、家はこの近くはどこでもいいわよ。周囲は空き家ばかりだからな。」

「じゃ、アラクネさんの隣の家に住みますね~。あんたら話はあとで出来るから、まずい家を住めるようにして頂戴「あ、私たちもお手伝いします。」そう、有り難いわ~私はこの熊の亜人の女房のミーヤ、ボサとしてるのは息子のルイよ。よろしく頼むわ。」


「私は神崎由紀です。弟の博と幸田晃君、倉橋誠さんと田中アンナさん、剛君と唯ちゃん、お祖父ちゃんは畑にいるので後でご挨拶させていただきます。」

「ご丁寧に、これからお世話になりますね~」

にこやかに旦那さんの首を引っ張り隣の家に(隣の家と聞こえはいいけど1kぐらい離れているのよ。)そこまで熊の200㎝はあろうかの体格のだんなを引っぱっていけるなんて・・・どんな力持ち。
ルイ君が小声で気にしないであれが普通だから、僕たち北極熊から亜人化したんだ。力は強いよと話してくれました。
家の修繕等は出来るだけしたつもりだけど、ガロさんたち身体が大きいから高さがと思うのだけど自分たちで改築するから大丈夫だって。
ルイ君は14才だけど身長は博と同じくらい。翌日には田畑を一人で耕していたからビックリ。
粉雪待ってる中、半袖で地面掘り返してるのみて博と幸田君倉橋さんが手伝いを申し出ると鍛錬にもなるから大丈夫って断った。
それ聞いた倉橋さんと幸田君、博は自分たちも鍛錬で田畑を広げると外周の土塀を崩し始めた。
頑張ってね。
私もアンナさんも剛君も唯ちゃんも影響受けましたとも、魔法だけでなく体力も必要と感じたから外周を走り始めたよ。
私たちは歩道は基本勝手に動いてくれたから自分が歩くことなかったけど、こんな時代になったら体力も絶対必要よね。少なくとも角ウサギに追いつかれないようにしたい。
そうミーヤさんに話したら、目を丸くしたのち爆笑してたよ。
ガロさんは木を伐りだしてミーヤさんと一緒に補強作業している。
木を伐りだすついでに狩りもしているようで鹿の魔物を狩ったから肉を分けてくれた、ありがたやありがたや。
私たちは野菜の種を分けたり、収穫した野菜を分けたりしている。
そういえば川で魚が泳いでいたとルイ君と博と剛君が釣りにいき、50㎝ほどの魚を10匹ほど釣ってきた。
誰も釣る人がいなくて繁殖したんでしょうね。鍋にして美味しく頂きました。

ゴルトさんはウサギ族の2人が来てから旅立たれました。
世界を見てきたら、また来るかもしれない元気でな~と言って飛び立ちました。
ウサギ族のお二人はお色気たっぷりの姉妹。18才と20歳の姉妹です。
そのお色気に引き付けられた男性陣を女性の私たちが冷ややかな目で眺めたとしても仕方ないと思う。
幸田君と倉橋さん鼻血だしたもんね、なに創造したのよ!!
ガロさんはミーヤさんに引っ張られていった。
修理するなら俺に任してくれなんて鼻の下伸ばして言うからそうなるよね。
でもねウサギ族のお姉さん二人、舞子さんと菊音さんオオカミの魔物をあっさり倒しました。
見てた唯ちゃんと私、あんぐりしたよ。
たまたま唯ちゃんと私が体力作りに駆け足している時、後ろから獣の息遣い聞こえたので唯ちゃんに後ろを向かずに近くの家に逃げ込もうと走った。
唯ちゃんは走るのが私より早いから、でも後ろからの魔物は間違いなく私たちより早い。
追いつかれたらお終い。
とにかく走った、誰か気が付いてくれたらなんて追われているときには考えられなかった。
息遣いが後ろで聞こえた時、唯ちゃんに走れ~と声かけたのは覚えているけど自分はもうだめって思ったの。
その時、誰かが横をすり抜けた。
すり抜けたと思ったら私転んでしまった。転んでも魔物が襲わないので不思議に思い横を見るとオオカミの魔物に菊音さんが後ろのオオカミには舞子さんが包丁のようなものを持って対峙してた。
まっすぐ突っ込んでくるオオカミの魔物に対して菊音さんは炎魔法で焼きながら魔物の眼を包丁で突き刺した。
後ろのオオカミの魔物は舞子さんが魔法ででした水の槍に貫かれていた。
唯ちゃんが知らせてくれたのか博が顔を引きつらせて走って来てくれた。
呆然としていた私に菊音さんは笑顔で大丈夫か聞いてくれたのよ。

でも安心したら涙が出てきて、博に泣きながら怖かったよ~と鼻水垂らしながら泣いてしまいました。
姉を助けていただいてありがとうございましたとお礼を言う博に感謝しながら泣いてました。
祖父ちゃんも来てくれて、舞子さんと菊音さんに何度もお礼を言ってくれたよ。
舞子さんはアロエの栽培をするために畑を耕そうとしていて、菊音さんは料理してたまたま外のネギを取ろうとしている時、逃げている唯ちゃんと私に気が付いたと話してくれた。
助けてくれてありがとうございます、魔物がいるようになった世界では命が簡単になくせるものだと改めて実感しました。
しっかり鍛錬しよう。自分の命は自分で守らないと人に迷惑をかけることになるのだと思ったよ。
どんな魔物や動物が出てくるかわからない。
家の近くだからと安心できない、気を抜いたら命がなくなるとわかりました。
その日は舞子さんと菊音さんがオオカミの肉を分けてくれました。
アンナさんが汁物にしてくれて唯ちゃんも私もしっかり食べましたよ、たくましいでしょう。

猫族の5人が訪れた時、人族も来たのよ。
ネコ族はタロ・タマ・シャイ・チェイ・ミケの5人兄弟。
人族は藤田仁さん・蒲池明人さん・土屋大樹さんの3人。
私たちが兄弟がお祖父ちゃんに連れられて此処に来た。町から外れた場所で人も少なかったのに今ではちょっとした町内会ぐらいの大きさになったよね。
亜人種とか人族とか関係なく仲良く住めたらいいなと思った。


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