XLサイズの龍大くんはくっつきたがりなクーデレ男子

星詠みう菜

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そのサプライズは聞いてない!

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 会場へ着くと、更紗とシェアハウスで一緒に住んでいたメンバーも全員来ていた。更紗の結婚式は近親者と仲の良い友人のみの招待だから、大勢とは言えないけどゲストで賑わっていた。大家さんだった秋さんもいて、早速挨拶に向かう。
 
「秋さん! ご無沙汰してます」
「あらぁ鈴夏ちゃん、久しぶりね」

 秋さんはしばらく見ないうちに、ちょっと白髪が増えたように感じた。でも、みんなのお母さんとしての朗らかな笑顔は当時のままだった。
 
「鈴夏ちゃんも綺麗になって……いい人いるんじゃないの?」
「まぁ……います」

 そう答えると、わぁっと声があがって秋さんも他のみんなも目の色を変えて矢継ぎ早に質問が飛んできた。馴れ初めから相手はどんな人だとかどこを好きになったとか付き合いはどのくらいだとか……。女性はいつだって、恋バナが大好きだ。
 そうこう話しているうちに、結婚式の始まるアナウンスが聞こえてチャペルの中へと案内された。今日は見事な秋晴れで、チャペルの中にも神々しいほどの太陽の光が降り注いでいる。明るくて前向きで、どこかしたたかなところもある更紗の晴れ舞台にはぴったりだった。
 ウエディングドレス姿で現れた更紗は輝いていた。バージンロードを歩いているときの横顔があまりにも女神のような美しさで、隣りにいた秋さんとも「綺麗ですねぇ」と思わず溜め息混じりで言葉を交わした。
 新郎の駆瑠くんは写真でしか見たことがないけど、実物はメガネをかけた好青年でタキシードがよく似合っていた。身長や体格は全然違うけど、あのタキシードを龍大が着たらどんなにカッコイイだろうか……。そんな妄想が鈴夏の頭の中を埋め尽くしていた。
 壇上で並ぶ新郎新婦の後ろ姿が眩しくて、羨望の眼差しで見てしまう。厳かな雰囲気が漂う中、粛々と式が行われた。
 そして式が終わると、次の案内をするアナウンスが流れた。

「それでは続いて、ブーケトスを行います」

 会場のスタッフが、ゲストをチャペルの前へと誘導する。男性は会場の外側に行くと、女性陣がブーケトスをするエリアへと集まってきた。
 鈴夏も今まで何回か結婚式へ参加したが、今回のブーケトスの対象は独身女性のみじゃないらしい。
 
「ブーケトスって女の子全員やるんですね」
「そうそう。今ドキの結婚式は独身と既婚でわけずにやるんですって。多様性よね~」

 秋さんに聞いてみると、微笑みながらそう答えた。
 鈴夏には、正直言うとブーケトスでキャッチしたい気持ちがものすごくある。今は結婚したいと思える相手もいるわけだから、少しでも験を担いでおきたい。でも、さすがに30歳を越えているのに自分が出しゃばるのは恥ずかしかったし、自分よりも若い独身の女の子は他にもいる。そう思って何気なくブーケが来そうにない位置に行こうとしたのに、スタッフの誘導や流れでど真ん中になってしまった。
 ――こうなったら更紗がブーケをまっすぐ投げてくれるのを祈ってシレっとキャッチするしか……。
 
 そう思っていたら、更紗がブーケを持って後ろを向き、カウントダウンを始めた。
 
「じゃあ行きますよ~! 3,2,いーち!」
 
 更紗の腕が思いっきり上がると同時に、そのカウントダウンはゼロになった。
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