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1 愚かなデビッド
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「君を愛する気持ちは変わらないよ、モリー。でも、君はまるで、空気だ。あまりにも一緒にいすぎて、いるのが当たり前すぎて、とても大切だしなくてはならない存在である事には違いない。そして世界の誰よりも君の幸せを祈っている。本当だ」
「要点を言って」
「わかった。あまり深刻に受け取らないでほしいんだけど……」
彼が私を見つめる。
私も彼を見つめる。
っていうか睨む。
「なによ」
「あ……」
彼、幼馴染で許婚のライルズ伯爵令息デビッド・イングは口をパクパクさせている。
「言いたい事があるんでしょ。はっきり言いなさいよ」
「恋がしたい!!」
「はぁ?」
夏にどちらかの別荘で過ごすのは毎年の事。
今年は私側、タウンズ伯爵家の別荘で両家揃って楽しくやっていた。
の、だが。
「というか、僕は恋をしてしまった! こんなの初めてだ!!」
「なに言ってるの……?」
バカなの?
「肖像画を見たんだ。あああ! キャシー!!」
「え? キャシー?」
誰よ。
「知ってるかい?」
「いいえ?」
「ブロドリック伯爵令嬢キャスリン・グウィルトだよ!!」
「……えっ!?」
度肝を抜かれた。
思わず、グラスを落としそうになった。
デビッドがブロドリック伯爵令嬢キャスリン・グウィルトに、恋……?
「……えええッ!?」
2回驚いちゃったわ。
なんならもう数回、驚ける。
「え、なんでッ!?」
「違うんだ、モリー。君に落ち度があったわけじゃない。君は素敵だ。幼馴染として愛してる。妹のように愛してる。だけど君には感じる事のできなかった胸の高鳴りが麗しのキャシーには感じるんだよ! 超感じる!! あああっ! 彼女の事を考えると、僕は……僕はっ、水を求め陸で跳ねる魚のように飢えそして焦がれるんだ……ッ!!」
「……」
悶えるデビッドを、唖然と見つめる事しかできない。
そうしていたらグラスが傾いて、ドレスが濡れた。
「あ」
冷たい。
「熱いッ!!」
私は冷たいけどデビッドは熱い。
デビッドは真っ赤になって拳を震わせている。
「僕は人生に満足していた……彼女と出会う前は……!」
「肖像画でしょ?」
「彼女の肖像画と出会う前は!!」
言い直せばいいってもんじゃないのよ、デビッド。
「でも僕は出会ってしまったんだよ、モリー! 僕は! この人生で! キャシーと! 燃えるような恋がしたいッ!!」
「…………は?」
ぽかぁーん、よ。
なんというか、言葉もない。
「というわけで僕は彼女に求婚する!」
「アホね」
訂正。
言葉はあったわ。ツルンと出た。
「要点を言って」
「わかった。あまり深刻に受け取らないでほしいんだけど……」
彼が私を見つめる。
私も彼を見つめる。
っていうか睨む。
「なによ」
「あ……」
彼、幼馴染で許婚のライルズ伯爵令息デビッド・イングは口をパクパクさせている。
「言いたい事があるんでしょ。はっきり言いなさいよ」
「恋がしたい!!」
「はぁ?」
夏にどちらかの別荘で過ごすのは毎年の事。
今年は私側、タウンズ伯爵家の別荘で両家揃って楽しくやっていた。
の、だが。
「というか、僕は恋をしてしまった! こんなの初めてだ!!」
「なに言ってるの……?」
バカなの?
「肖像画を見たんだ。あああ! キャシー!!」
「え? キャシー?」
誰よ。
「知ってるかい?」
「いいえ?」
「ブロドリック伯爵令嬢キャスリン・グウィルトだよ!!」
「……えっ!?」
度肝を抜かれた。
思わず、グラスを落としそうになった。
デビッドがブロドリック伯爵令嬢キャスリン・グウィルトに、恋……?
「……えええッ!?」
2回驚いちゃったわ。
なんならもう数回、驚ける。
「え、なんでッ!?」
「違うんだ、モリー。君に落ち度があったわけじゃない。君は素敵だ。幼馴染として愛してる。妹のように愛してる。だけど君には感じる事のできなかった胸の高鳴りが麗しのキャシーには感じるんだよ! 超感じる!! あああっ! 彼女の事を考えると、僕は……僕はっ、水を求め陸で跳ねる魚のように飢えそして焦がれるんだ……ッ!!」
「……」
悶えるデビッドを、唖然と見つめる事しかできない。
そうしていたらグラスが傾いて、ドレスが濡れた。
「あ」
冷たい。
「熱いッ!!」
私は冷たいけどデビッドは熱い。
デビッドは真っ赤になって拳を震わせている。
「僕は人生に満足していた……彼女と出会う前は……!」
「肖像画でしょ?」
「彼女の肖像画と出会う前は!!」
言い直せばいいってもんじゃないのよ、デビッド。
「でも僕は出会ってしまったんだよ、モリー! 僕は! この人生で! キャシーと! 燃えるような恋がしたいッ!!」
「…………は?」
ぽかぁーん、よ。
なんというか、言葉もない。
「というわけで僕は彼女に求婚する!」
「アホね」
訂正。
言葉はあったわ。ツルンと出た。
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