生まれたことが間違いでした。

＊あとがき＊

　この度は本作『生まれたことが間違いでした。』をお読み下さり、誠にありがとうございました。心より御礼申し上げます。

　仄暗い雰囲気でお送りしてきた哀しみの多い恋愛物語でしたが、運命の恋でもあり、こうして彼らなりのハッピーエンドを迎えました。少しでもお楽しみ頂けましたら幸いです。

　悪役に見せてヒロインの母親ルイザがいちばん可哀相な人だったのですが、この物語では彼女を救う事だけはできなかったので、少し心苦しい思いです。名前すら出ていないノーマンの姉もかなり不幸でした。

　モデルにしている時代背景では貴族は特権階級を享受しているわけですが、相手が王族ともなるとひれ伏す以外にないという感じで、仮にノーマンがホレスの厚意を受け入れたとしても名誉を取り戻す事が叶ったかどうか定かではありません。

　みんなの幸せのために、黒い部分はうやむやにしておく。
　なんとなく日本の村社会的な雰囲気もありつつ……ですが、アナベルとノーマンが幸せに暮らしていく希望を持ってのラストでした。

　ただなんとなくこの３人は、過酷な運命でメンタルが鍛えられ愛と絆もあるので、いつかどこかで殺人事件などに巻き込まれて解決していてもおかしくないトリオだなと感じました。

　これからも明るい物語もダークな物語も書いていきたいと思います。
　またお楽しみ頂得ましたら幸いです。

　ここまでお読み下さり、本当にありがとうございました！


　　百谷シカ　拝