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03 手はつけないが駄賃は貰う
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「俺は魔導士のライナスだ。お前の名は?」
「……モニカです」
「ふん。変わった名だな。魔法は使えるのか?」
魔法かぁ……
どうかなぁ……?
「……わかりません」
「資料には狩人とあったが、弓の腕は確かなんだろうな?」
「……さあ……」
夜の草道を歩いていたら、ライナスがぴたりと足を止めた。
ライナスは、背も高くてスタイルよくてイケメンで、うねる長い黒髪が天使の輪を作るくらい美髪。魔導士らしいダークな装いも似合っている。
ただ、秘密のオークションで女の子を競り落とすクズだ。
「あまり俺を苛立たせるな。お前みたいな貧相な体の女を80000Gもかけて救い出したんだ。感謝される覚えはあっても不貞腐れて怠そうに生返事される覚えはない」
「ごめんなさい」
とりあえず頭を下げておく。
悪くなくても謝るなんていうのは、朝飯前だ。
「ふん。そうやってしおらしくしておけ。あそこで68000の値を出した侯爵は変態だぞ。帰りの馬車で廃人にされて明日の朝からは娼婦だ。感謝しろ」
「ありがとうございました」
もう一度、深く会釈。
納得したようで、ライナスが歩き始める。
「俺はお前の体に興味はない」
「はい」
ううううん、複雑。
こんなイケメン魔導士なら、抱かれたい。
「さっき会場でも言った通り、連れて帰るまで誰にも手をつけさせないという約束だ。俺も当然含まれる。抜け駆けというやつだな」
「お仲間がいらっしゃるんですね」
「そう言った」
「……あの、何人くらい……女性はいますか……?」
「仲間はあと2人、女はいない。先日、女剣士が逃げたからな。だがお前が来て4人に元通りだ」
女剣士が、逃げた?
……なんで?
「そう、です、か……」
「あのじゃじゃ馬、丹精込めて調教してやったのに」
「……」
「まあ、いい。お前がそれ以上の働きをしてくれれば、最高の冒険になる」
「……」
もう恐くて何も言えないんですけど。
えっと……神様?
これ、なにかの間違いなんじゃ……?
「さっきの泣き顔はよかったぞ。お前は顔がいい。子供っぽくて、しかし淫らで、とにかく嗜虐心をくすぐってくる。でも子供じゃないのがいい。お前いくつだ? エルフは人間より長生きだろう」
「……」
ちょっと、とんでもない人に買われちゃってますけど……どうなるの?
大丈夫なの、コレ……
「ふん。歳は答えたくないか。女だな。そうやって何年、男を手玉に取ってきたのやら」
「ち、違います……そんな……っ」
「口答えするのか。よし、はっきりさせておこう」
またくるりとふり向いて、ライナスが杖を掲げた。
「!」
体に弱い電流が走ったような、変な感覚。
それから両手両足が勝手に広がって、大の字の姿勢になった。……というか、された?
「なっ、なにを……っ?」
動けない!
「モニカ」
「……」
ライナスに名前を呼ばれると、自然と……こう、なにかを覚悟してしまう。
信じられない事に、体が浮いた。
「だいぶ骨が折れた。手をつけないと約束はしたが、駄賃は貰う。お前は買われた。お前の体は俺たちのものだ。特に俺は、お前を、自由自在に操る事が出来る」
「……モニカです」
「ふん。変わった名だな。魔法は使えるのか?」
魔法かぁ……
どうかなぁ……?
「……わかりません」
「資料には狩人とあったが、弓の腕は確かなんだろうな?」
「……さあ……」
夜の草道を歩いていたら、ライナスがぴたりと足を止めた。
ライナスは、背も高くてスタイルよくてイケメンで、うねる長い黒髪が天使の輪を作るくらい美髪。魔導士らしいダークな装いも似合っている。
ただ、秘密のオークションで女の子を競り落とすクズだ。
「あまり俺を苛立たせるな。お前みたいな貧相な体の女を80000Gもかけて救い出したんだ。感謝される覚えはあっても不貞腐れて怠そうに生返事される覚えはない」
「ごめんなさい」
とりあえず頭を下げておく。
悪くなくても謝るなんていうのは、朝飯前だ。
「ふん。そうやってしおらしくしておけ。あそこで68000の値を出した侯爵は変態だぞ。帰りの馬車で廃人にされて明日の朝からは娼婦だ。感謝しろ」
「ありがとうございました」
もう一度、深く会釈。
納得したようで、ライナスが歩き始める。
「俺はお前の体に興味はない」
「はい」
ううううん、複雑。
こんなイケメン魔導士なら、抱かれたい。
「さっき会場でも言った通り、連れて帰るまで誰にも手をつけさせないという約束だ。俺も当然含まれる。抜け駆けというやつだな」
「お仲間がいらっしゃるんですね」
「そう言った」
「……あの、何人くらい……女性はいますか……?」
「仲間はあと2人、女はいない。先日、女剣士が逃げたからな。だがお前が来て4人に元通りだ」
女剣士が、逃げた?
……なんで?
「そう、です、か……」
「あのじゃじゃ馬、丹精込めて調教してやったのに」
「……」
「まあ、いい。お前がそれ以上の働きをしてくれれば、最高の冒険になる」
「……」
もう恐くて何も言えないんですけど。
えっと……神様?
これ、なにかの間違いなんじゃ……?
「さっきの泣き顔はよかったぞ。お前は顔がいい。子供っぽくて、しかし淫らで、とにかく嗜虐心をくすぐってくる。でも子供じゃないのがいい。お前いくつだ? エルフは人間より長生きだろう」
「……」
ちょっと、とんでもない人に買われちゃってますけど……どうなるの?
大丈夫なの、コレ……
「ふん。歳は答えたくないか。女だな。そうやって何年、男を手玉に取ってきたのやら」
「ち、違います……そんな……っ」
「口答えするのか。よし、はっきりさせておこう」
またくるりとふり向いて、ライナスが杖を掲げた。
「!」
体に弱い電流が走ったような、変な感覚。
それから両手両足が勝手に広がって、大の字の姿勢になった。……というか、された?
「なっ、なにを……っ?」
動けない!
「モニカ」
「……」
ライナスに名前を呼ばれると、自然と……こう、なにかを覚悟してしまう。
信じられない事に、体が浮いた。
「だいぶ骨が折れた。手をつけないと約束はしたが、駄賃は貰う。お前は買われた。お前の体は俺たちのものだ。特に俺は、お前を、自由自在に操る事が出来る」
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