神を知る者

依存症🦃

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天楽園

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「えっと」

「構わん!行くぞ!」

サリー様はそう言ってまた歩き始めた。

「本当に良いのですか?」

「私が良いと言ったのだ。後で解決しておく」

サリー様は少し強気でそう言った。

「御意」

「かしこまった言い方にせんでも良いと言っておるのに.......」

「は、はい!」

そんなやり取りをしているうちに着いた。

「懐かしいです天楽園ヘブンズ・エデン

ここは神様と天使のみが利用する複合施設だ。神様にとっては娯楽の施設だが天使にとっては教養の場所で、ここで作法等を学ぶ。
学び終えたらココを訪れる機会が殆ど無くなる。

「もしかして1からですか?」

私は不安を覚えた。ココにいると学び終えるまでは、神様達に会えない。
サリー様も例外では無い。

「いいや、その必要は無い。ミカエル出てこい!」

「はい」

サリー様が呼ぶと白い翼を生やした存在が現れた。
大天使ミカエルだ。

「お呼びでしょうか、サリー様」

通常の天使には翼が無いのだが、大天使になると翼を授かる。

「コイツの課程を飛ばして欲しいのだ」

「コイツ?」

ミカエルはそう呟くと私を見てきた。

「はい。分かりました。」

そして二つ返事で返した。

「良いのか?」

「もちろんです」

根拠も無しにミカエルは言った。

「他の者にも伝えておきますので安心してくださいねイルミナ」

「!?」

何故私がイルミナと分かったのでしょう。

「そんなに驚かないでください。サリー様の反応を見てたら分かりますよ。イルミナが去ってからは、ことある事に溜め息を漏らしていましたから。」

「そ、そんなことなど無い!決して無い!」

「はいはい、分かりました。そういうことにしておきます。」

なにやら私の知らないところで話が繰り広げられています。

「とにかくイルミナの件は大丈夫なんだな?」

「それは心配しないでください!他の者達にも伝えておきます。」

「では帰るとするか」

「はい!」

そして私達は来た道と違う道を歩んで行った。
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