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第8章 伝説の青い星
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宇宙船の中は深い闇につつまれていた。
乗組員は全員、冷凍睡眠カプセルの中で静かに眠り続けている。
呼吸も心音も極限にまで抑えられた状態の眠り、時間すら意味を失ったかのような長い長い眠り、それは永遠にも似ていた。
真っ暗な船内でだた一人作業を行っていたのは、人工知能コンピュータ、サイファだった。
宇宙船の航行記録を取り、自動航行を行い、クルーたちの生命維持管理を怠る事なく管理し続けていた。
何億光年もの距離を、異空間を通って船は進む。
途中、いくつかの恒星系をかすめ、流星の群れをすり抜け、大きなトラブルもなく、航行は順調に目的の座標を目指していた。
もし、冷凍睡眠装置が無ければ、乗組員たちはこの旅の半ばで寿命を迎えていただろう。
外の世界では何億光年という月日が過ぎたかもしれないが、彼らにとってはほんの一晩の夢のようなものだった。
やがて、船内の照明がふっと点灯した。青白い光が静かに走り、長い眠りが終わる合図だった。
サイファは乗組員が目覚めた時の船内活動に向けて準備を進めていた。
「目覚めの準備を開始します。」
サイファの声が誰もいない無音の空間に響くと、冷凍睡眠装置の解凍プロセスが動き始める。各カプセルの温度が上昇し、生体リズムが再起動してゆく。サイファの内部プロトコルは、最初にエルを目覚めさせるように設定されていた。
シューッ。
圧縮されたガスの音と主に、ひとつのカプセルが開いた。
薄い水蒸気のような白い霧が立ち上り、その中からエルがゆっくりと体を起こす。
「・・・ん、さむっ・・・、あー、よく寝た。サイファ、ついたのか?」
「はい、エル、目的の惑星に到着しました、窓の外をみてください。」
ふらつく足取りでエルは立ち上がって窓辺へと歩み寄った。
宇宙の闇の中に、青く美しく輝くひとつの星が浮かんでいた。
「あれが・・・伝説の青い星・・・?」
それは、静かに自転する宝石のようだった。
濃紺の海と白い雲が渦を巻き、光を反射して輝いている。
大気圏を縁取るように、淡く輝く青の輪が浮かんでいた。
「本当にあったんだな・・・」
エルは息を呑み、しばらく呆然と言葉を忘れて、その美しい星を眺めていた。
シューッ。
続いてミケのカプセルが開く。彼女は目をこすりながらぼんやりと起き上がり、欠伸をした。
「ふわあ……ついたの? もう体がムズムズするわ。あれ、窓の外に……ほんとうに青い星。きれい……」
やがてノアとレオのカプセルも順に開き、ふたりもまた、ゆっくりと目を覚ました。
「……すごい……まるで神様がくれたプレゼントみたいだ」
ノアは信じられないといった様子で呟いた。
「……夢じゃないのか? 本当にあったんだ……青い星……」
レオの瞳には、純粋な感動があふれていた。
4人は無言で、しばらくその青い星を見つめ続けた。
冷たい宇宙の闇の中で、唯一、生命の気配を放つようなあたたかな光。その星は、彼らの長い旅路の終着点であり、希望そのものだった。
「総員、準備をお願いします。これより着陸態勢に入ります」
サイファの声に促され、乗組員たちは静かに頷いた。
宇宙船は徐々に高度を下げ、青い星の大気圏へと進入していく。船体がわずかに震え、まるで星に迎えられるように、ゆっくりとその懐へと吸い込まれていった――。
乗組員は全員、冷凍睡眠カプセルの中で静かに眠り続けている。
呼吸も心音も極限にまで抑えられた状態の眠り、時間すら意味を失ったかのような長い長い眠り、それは永遠にも似ていた。
真っ暗な船内でだた一人作業を行っていたのは、人工知能コンピュータ、サイファだった。
宇宙船の航行記録を取り、自動航行を行い、クルーたちの生命維持管理を怠る事なく管理し続けていた。
何億光年もの距離を、異空間を通って船は進む。
途中、いくつかの恒星系をかすめ、流星の群れをすり抜け、大きなトラブルもなく、航行は順調に目的の座標を目指していた。
もし、冷凍睡眠装置が無ければ、乗組員たちはこの旅の半ばで寿命を迎えていただろう。
外の世界では何億光年という月日が過ぎたかもしれないが、彼らにとってはほんの一晩の夢のようなものだった。
やがて、船内の照明がふっと点灯した。青白い光が静かに走り、長い眠りが終わる合図だった。
サイファは乗組員が目覚めた時の船内活動に向けて準備を進めていた。
「目覚めの準備を開始します。」
サイファの声が誰もいない無音の空間に響くと、冷凍睡眠装置の解凍プロセスが動き始める。各カプセルの温度が上昇し、生体リズムが再起動してゆく。サイファの内部プロトコルは、最初にエルを目覚めさせるように設定されていた。
シューッ。
圧縮されたガスの音と主に、ひとつのカプセルが開いた。
薄い水蒸気のような白い霧が立ち上り、その中からエルがゆっくりと体を起こす。
「・・・ん、さむっ・・・、あー、よく寝た。サイファ、ついたのか?」
「はい、エル、目的の惑星に到着しました、窓の外をみてください。」
ふらつく足取りでエルは立ち上がって窓辺へと歩み寄った。
宇宙の闇の中に、青く美しく輝くひとつの星が浮かんでいた。
「あれが・・・伝説の青い星・・・?」
それは、静かに自転する宝石のようだった。
濃紺の海と白い雲が渦を巻き、光を反射して輝いている。
大気圏を縁取るように、淡く輝く青の輪が浮かんでいた。
「本当にあったんだな・・・」
エルは息を呑み、しばらく呆然と言葉を忘れて、その美しい星を眺めていた。
シューッ。
続いてミケのカプセルが開く。彼女は目をこすりながらぼんやりと起き上がり、欠伸をした。
「ふわあ……ついたの? もう体がムズムズするわ。あれ、窓の外に……ほんとうに青い星。きれい……」
やがてノアとレオのカプセルも順に開き、ふたりもまた、ゆっくりと目を覚ました。
「……すごい……まるで神様がくれたプレゼントみたいだ」
ノアは信じられないといった様子で呟いた。
「……夢じゃないのか? 本当にあったんだ……青い星……」
レオの瞳には、純粋な感動があふれていた。
4人は無言で、しばらくその青い星を見つめ続けた。
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サイファの声に促され、乗組員たちは静かに頷いた。
宇宙船は徐々に高度を下げ、青い星の大気圏へと進入していく。船体がわずかに震え、まるで星に迎えられるように、ゆっくりとその懐へと吸い込まれていった――。
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