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第十四章 あの夜
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「マルコ、あの夜……何があったの?」
「ご主人さまと、ふたり。静かに過ごしていた。」
帰りのベスパの中、マリンがキャリーの中でマルコにそう尋ねていた。
エンジン音の向こうから、低く、震えるような声が聞こえていた。
家に戻ると、マリンが私をじっと見上げて言った。
「遥香、マルコの爪を切るにゃ。そして―その爪を保管するにゃ」
「え? マルコのケアをするのはわかるけど、なんで急に……?」
「理由はあとで言うにゃ。とにかく、今すぐ切って密封しておくにゃ。
ビニール袋に入れて、空気が入らないようにして保存しておくにゃ」
「……わかった。マルコ、ごめんね。ちょっとだけ、我慢してね」
マルコは、すでにマリンに説得されていたらしく、私の膝の上でおとなしく身を委ねた。
私は一本ずつ、丁寧に爪を切り、小さなかけらをジッパー付きの袋に集めて封をした。
そのあと、ふたりを風呂場へ連れていく。
河原や藪の中を歩き回っていたから、体にはホコリやダニ、もしかしたらマダニもいるかもしれない。
柔らかな毛を撫でながら、傷や腫れの有無も確認していく。
いつもながら、猫たちにとってお風呂は気が進まないイベントだ。
けれど、マリンもマルコもあらかじめ説明しておいたおかげで、おとなしく洗わせてくれた。
思った以上にスムーズに終えることができた。
夕食前、マリンが教えてくれた。
――マルコは、あの夜を“すべて見て”いたのだと。
「何者かが屋敷に入って、ご主人さまを襲ったにゃ。マルコは守ろうとしたけど、力では敵わなかったにゃ。
はじき飛ばされて、逃げるように外へ出たにゃ。……それから、ずっと河原に一匹で過ごしていたんだにゃ」
「じゃあ、マルコ……犯人を見たってこと……?」
「そうにゃ。ただ――犯人は黒いパーカーのフードで顔を隠してて、マスクもしてたらしいにゃ。
でも、マルコは“見覚えがある”って言ってるにゃ。あと――匂いに覚えがあるんだって」
「なるほど……匂い……。
つまり、もし“誰か”を思い出せれば――斎藤さんの無実を証明できる可能性があるってことね。これは……小田切弁護士に伝えなきゃ」
「それは、どうかにゃ。猫が“目撃者”って話は、人間には通じないにゃ。
あなたが“猫と話せる”ことも、普通には信じてもらえないにゃ。
ただ、“猫が何かを見ていた”ということぐらいは、みんなにも伝わるにゃ」
「そう……じゃあ、マルコが犯人の正体をハッキリ思い出すまでは、静かにしておいた方がいいのね。
でも……いざ思い出せたとして、どうやって証拠として示せばいいんだろう……」
話していると、母が仕事から帰ってきた。
「おかえり。お母さん、見て―迷子猫、見つけたんだよ。
今日、捜索の依頼を受けて探してた子。飼い主さんが不在だから、しばらくうちで預かることになったの。名前はマルコ。オスのキジトラちゃん。
もちろん世話は私が全部やるから、気にしないでね」
「まぁ、男の子なのね。かわいいじゃない。おとなしいし。大丈夫よ、うちは大歓迎。おやつ……あげてもいい?」
「だめって言わないけど、無理やりはやめてね。預かってる子だから、やさしくしてあげてね。お願い」
「はいはい。わかってます。あら、猫じゃらし……どこだったかしら?」
母はすっかりテンションが上がっているようで、マルコは迷惑そうな顔で私を見た。
「……ごめんね、マルコ」
「いや、俺は大丈夫にゃ……」
(となりではマリンがニヤニヤとほほ笑んでいる)
……
そのあと、私は携帯を取り出し、小田切弁護士に連絡を入れた。
「もしもし、小田切さん、加賀美です。こんにちは。今、少しお時間よろしいですか?」
「こんにちは、加賀美さん。はい、5分ぐらいなら。すぐクライアントとの会議があって」
「ありがとうございます。えっと……マルコくん、無事に見つかりました。
今は私の自宅で保護しています。元気で、ケガもありません」
「ほんとですか? よかった……。これは朗報です。すぐ斎藤さんにも伝えます。
……実は警察も少しずつ捜査範囲を広げ始めていまして。
斎藤さん“以外”の犯行の可能性も視野に入れてるようです」
「そうなんですね。それは進展ですね……あと、請求書の方ですが――」
「すみません! そろそろ会議に向かわないと。では、また後ほど」
――プツッ。ツーッ、ツーッ……
請求書、切られる前に言いたかったな。
まあいいか。マルコが見つかったことは伝えられたし、捜査も動き始めている。
さて、そろそろメイとジュンの世話に行かなくちゃ。
「マリン、マルコのことお願いね。メイたちのとこ、行ってくる」
「了解にゃ。帰ってきたら、おやつお願いにゃ」
「わかったわよ。ママにお願いしたら? マルコのこと気に入ってるみたいだから」
「ちぇっ……ママ、マルコには甘いにゃ。あたしだって、もふもふなのににゃ……ふん、寝よ」
……
「メイ、ジュン。こんにちは。マルコくん、無事に見つかったよ」
「ほんとにゃ? よかったにゃぁ。私、心配してたにゃぁ」
「うんうん、かわいそうだったにゃぁ。よかったにゃぁ」
「で……遥香さん、ご主人さまは……いつ帰ってくるのかにゃ?」
「それは、まだわからないの。捜査が続いていて、私にも何とも……
でも、小田切さんに聞いてみるつもり」
「寂しいにゃ……ご主人さまがいないと、やっぱり寂しいにゃ」
「昼間は二匹きりにゃ。遥香さんが朝と夜来てくれるけど、ずっと一緒じゃないから不安にゃ」
「大丈夫。もし、私が来られないときは、私の母にもお願いしてあるの。
知らないおばさんが来たら、それが私の母だから。仲良くしてね。優しい人だから、隠れなくていいからね」
「わかったにゃ。その時はちゃんとお迎えするにゃ」
「ありがとう。じゃあ、今日はこれで帰るね。また明日、来るからね。
……マルコが見つかったから、前よりももう少し長く一緒にいられるわ。
だから安心してね。お母さんのことも、私がちゃんと説明しておくから」
「にゃー、それは嬉しいにゃ」
「ほんとにありがとにゃぁ。気をつけて帰るにゃ」
私はふたりの額にそっと手を当て、小さく笑った。
「またね。おやすみの前に、星を眺めるのもいいかもね」
ジュンが窓辺に歩いていって、しっぽを揺らした。
メイはおっとりと私に背中を向け、フローリングに体を丸める。
そのまま、私は静かにドアを閉めて、スクーターにまたがった。
夜の風は、昼間より少しだけ湿っていて、ほんのり夏の匂いがした。
季節の狭間。街の息づかいが少しずつ変わっていくのを感じる。
アクセルを開きながら思った。
―この街には、猫の目線でしか見えない“風景”があるんだ。
真相を明かすには、常識だけでは足りない。
だから、私はこの“不思議な境界”にいるのかもしれない。
猫と人のあいだ。沈黙と言葉のあいだ。日常と非日常のあいだに。
マルコの記憶を、やがて“証拠”へと変えるには。
私はできることをひとつずつ積み重ねていくしかない。
今夜は、マリンとマルコ、2匹が待ってる。帰って、遊んであげなきゃね。
そして、明日―また新しい続きがはじまる。
「ご主人さまと、ふたり。静かに過ごしていた。」
帰りのベスパの中、マリンがキャリーの中でマルコにそう尋ねていた。
エンジン音の向こうから、低く、震えるような声が聞こえていた。
家に戻ると、マリンが私をじっと見上げて言った。
「遥香、マルコの爪を切るにゃ。そして―その爪を保管するにゃ」
「え? マルコのケアをするのはわかるけど、なんで急に……?」
「理由はあとで言うにゃ。とにかく、今すぐ切って密封しておくにゃ。
ビニール袋に入れて、空気が入らないようにして保存しておくにゃ」
「……わかった。マルコ、ごめんね。ちょっとだけ、我慢してね」
マルコは、すでにマリンに説得されていたらしく、私の膝の上でおとなしく身を委ねた。
私は一本ずつ、丁寧に爪を切り、小さなかけらをジッパー付きの袋に集めて封をした。
そのあと、ふたりを風呂場へ連れていく。
河原や藪の中を歩き回っていたから、体にはホコリやダニ、もしかしたらマダニもいるかもしれない。
柔らかな毛を撫でながら、傷や腫れの有無も確認していく。
いつもながら、猫たちにとってお風呂は気が進まないイベントだ。
けれど、マリンもマルコもあらかじめ説明しておいたおかげで、おとなしく洗わせてくれた。
思った以上にスムーズに終えることができた。
夕食前、マリンが教えてくれた。
――マルコは、あの夜を“すべて見て”いたのだと。
「何者かが屋敷に入って、ご主人さまを襲ったにゃ。マルコは守ろうとしたけど、力では敵わなかったにゃ。
はじき飛ばされて、逃げるように外へ出たにゃ。……それから、ずっと河原に一匹で過ごしていたんだにゃ」
「じゃあ、マルコ……犯人を見たってこと……?」
「そうにゃ。ただ――犯人は黒いパーカーのフードで顔を隠してて、マスクもしてたらしいにゃ。
でも、マルコは“見覚えがある”って言ってるにゃ。あと――匂いに覚えがあるんだって」
「なるほど……匂い……。
つまり、もし“誰か”を思い出せれば――斎藤さんの無実を証明できる可能性があるってことね。これは……小田切弁護士に伝えなきゃ」
「それは、どうかにゃ。猫が“目撃者”って話は、人間には通じないにゃ。
あなたが“猫と話せる”ことも、普通には信じてもらえないにゃ。
ただ、“猫が何かを見ていた”ということぐらいは、みんなにも伝わるにゃ」
「そう……じゃあ、マルコが犯人の正体をハッキリ思い出すまでは、静かにしておいた方がいいのね。
でも……いざ思い出せたとして、どうやって証拠として示せばいいんだろう……」
話していると、母が仕事から帰ってきた。
「おかえり。お母さん、見て―迷子猫、見つけたんだよ。
今日、捜索の依頼を受けて探してた子。飼い主さんが不在だから、しばらくうちで預かることになったの。名前はマルコ。オスのキジトラちゃん。
もちろん世話は私が全部やるから、気にしないでね」
「まぁ、男の子なのね。かわいいじゃない。おとなしいし。大丈夫よ、うちは大歓迎。おやつ……あげてもいい?」
「だめって言わないけど、無理やりはやめてね。預かってる子だから、やさしくしてあげてね。お願い」
「はいはい。わかってます。あら、猫じゃらし……どこだったかしら?」
母はすっかりテンションが上がっているようで、マルコは迷惑そうな顔で私を見た。
「……ごめんね、マルコ」
「いや、俺は大丈夫にゃ……」
(となりではマリンがニヤニヤとほほ笑んでいる)
……
そのあと、私は携帯を取り出し、小田切弁護士に連絡を入れた。
「もしもし、小田切さん、加賀美です。こんにちは。今、少しお時間よろしいですか?」
「こんにちは、加賀美さん。はい、5分ぐらいなら。すぐクライアントとの会議があって」
「ありがとうございます。えっと……マルコくん、無事に見つかりました。
今は私の自宅で保護しています。元気で、ケガもありません」
「ほんとですか? よかった……。これは朗報です。すぐ斎藤さんにも伝えます。
……実は警察も少しずつ捜査範囲を広げ始めていまして。
斎藤さん“以外”の犯行の可能性も視野に入れてるようです」
「そうなんですね。それは進展ですね……あと、請求書の方ですが――」
「すみません! そろそろ会議に向かわないと。では、また後ほど」
――プツッ。ツーッ、ツーッ……
請求書、切られる前に言いたかったな。
まあいいか。マルコが見つかったことは伝えられたし、捜査も動き始めている。
さて、そろそろメイとジュンの世話に行かなくちゃ。
「マリン、マルコのことお願いね。メイたちのとこ、行ってくる」
「了解にゃ。帰ってきたら、おやつお願いにゃ」
「わかったわよ。ママにお願いしたら? マルコのこと気に入ってるみたいだから」
「ちぇっ……ママ、マルコには甘いにゃ。あたしだって、もふもふなのににゃ……ふん、寝よ」
……
「メイ、ジュン。こんにちは。マルコくん、無事に見つかったよ」
「ほんとにゃ? よかったにゃぁ。私、心配してたにゃぁ」
「うんうん、かわいそうだったにゃぁ。よかったにゃぁ」
「で……遥香さん、ご主人さまは……いつ帰ってくるのかにゃ?」
「それは、まだわからないの。捜査が続いていて、私にも何とも……
でも、小田切さんに聞いてみるつもり」
「寂しいにゃ……ご主人さまがいないと、やっぱり寂しいにゃ」
「昼間は二匹きりにゃ。遥香さんが朝と夜来てくれるけど、ずっと一緒じゃないから不安にゃ」
「大丈夫。もし、私が来られないときは、私の母にもお願いしてあるの。
知らないおばさんが来たら、それが私の母だから。仲良くしてね。優しい人だから、隠れなくていいからね」
「わかったにゃ。その時はちゃんとお迎えするにゃ」
「ありがとう。じゃあ、今日はこれで帰るね。また明日、来るからね。
……マルコが見つかったから、前よりももう少し長く一緒にいられるわ。
だから安心してね。お母さんのことも、私がちゃんと説明しておくから」
「にゃー、それは嬉しいにゃ」
「ほんとにありがとにゃぁ。気をつけて帰るにゃ」
私はふたりの額にそっと手を当て、小さく笑った。
「またね。おやすみの前に、星を眺めるのもいいかもね」
ジュンが窓辺に歩いていって、しっぽを揺らした。
メイはおっとりと私に背中を向け、フローリングに体を丸める。
そのまま、私は静かにドアを閉めて、スクーターにまたがった。
夜の風は、昼間より少しだけ湿っていて、ほんのり夏の匂いがした。
季節の狭間。街の息づかいが少しずつ変わっていくのを感じる。
アクセルを開きながら思った。
―この街には、猫の目線でしか見えない“風景”があるんだ。
真相を明かすには、常識だけでは足りない。
だから、私はこの“不思議な境界”にいるのかもしれない。
猫と人のあいだ。沈黙と言葉のあいだ。日常と非日常のあいだに。
マルコの記憶を、やがて“証拠”へと変えるには。
私はできることをひとつずつ積み重ねていくしかない。
今夜は、マリンとマルコ、2匹が待ってる。帰って、遊んであげなきゃね。
そして、明日―また新しい続きがはじまる。
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