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第十六章 傷跡
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うにゃ、むにゃ……うわん……にゃあん……
マルコがうなされていた。小さくうめくように鳴きながら、足をバタつかせ、何かから必死に逃げているようだった。
ときどき爪を立てるように前足を振り、虚空に牙をむき出す。
夢の中で、戦っているのだろう。あの夜の記憶が、今もマルコを苦しめているのかもしれない。
遥香はその鳴き声で目を覚ました。薄明かりの差し込む室内で、寝床の毛布が揺れている。
彼女はそっとマルコの毛並みに手を添え、優しく撫でた。マルコはぱちりと目を開け、きょろきょろと辺りを見回す。
そして、自分が安全な場所にいると確認すると、また目を閉じ、微かな寝息を立てはじめた。
……
朝。
マリンは窓辺にうずくまるマルコにそっと声をかけた。
「どうしたの? 今朝はずいぶんうなされてた。悪い夢でも見てたの?」
「……ああ。あの夜のことを、何度も夢に見る。犯人が襲ってくるんだ。俺は飛びかかって戦う。でも、毎回やられて……逃げ出す。……終わらない、悪夢さ」
「……マルコ、本当に戦ったんだよね。ご主人さまを守ろうとして」
「ああ。爪で引っかいて、腕にかみついた。でもあいつは強かった。俺は払い飛ばされて、床に転がった。気づいたら外へ飛び出してて……それから戻れなくなった」
マリンは真剣な顔でうなずいた。
「ということは―犯人には引っかき傷やかまれた跡が残っているはずね。それが証拠になるかもしれないわね」
「……そうだな。俺はあいつに、確かに爪痕を残した。ご主人さまを殺したやつを、俺は絶対に許さない」
「気持ちはすごくわかるわ。でも、助けてくれた人たちに迷惑をかけないようにしようね。犯人を見つけても飛びかかったりしたらダメだよ。遥香が帰ってきたら、このことを話してみよう」
マルコは静かに目を閉じた。部屋に朝の光が満ちてゆく。
ふたりは、それぞれ陽だまりの中でまどろみ始めた。
……
玄関のドアが開き、明るい声が部屋に届いた。
「ただいま~! マリン、マルコ、おりこうさんにしてた?おやつの時間だよ~、こっちおいで~」
遥香は袋から猫用のおやつを取り出して差し出す。マリンが、さっと彼女の前に跳ねた。
「ねぇねぇ、ちょっと聞いてほしいことがあるにゃあ。さっき、マルコと話したんだけど――マルコ、事件の夜に犯人と戦ったって言ってたにゃあ。
爪で引っかいて、牙でかみついた。でも負けて逃げたにゃあ。そして、そのことを毎晩夢で見てるらしいにゃあ」
遥香の手が止まる。
「つまり……犯人には、傷跡が残ってる可能性がある、ってことよね?」
「そうにゃあ。ひっかき傷や噛み跡。もしそれが残ってれば、それが証拠になるにゃあ」
「……ありがとう、マリン。すごく重要なことかもしれない。でもそうなると、マルコは“重要参考猫”になっちゃうかも」
「参考猫……?」
「たとえば歯型を調べるとか。マルコを警察に連れていかれて、証拠品のように扱われるのは可哀想だわ……。慎重に進めないと」
遥香は携帯電話を手に取った。
「まずは、小田切先生に相談してみるね」
プルルルル、プルルルル
「はい、もしもし、小田桐ですが。」
「もしもし、こんにちは小田桐先生、加賀美です。今、お電話でお話をさせていただいても大丈夫ですか?お時間いただけますか?」
「こんにちは、加賀美さん、あぁ、いいよ。今は車の中で待機中だから。どうしたの?猫達は元気かな?」
「ありがとうございます。はい、猫たちは元気です。マルコもメイもジュンも、みんな順調です。あの、少し気が付いたことがありまして。先生のご意見を伺いたくてお電話したんです。」
「それはよかった。で気づいたことって?何か問題でもあった?」
「いや、問題じゃないんですけど。先日にマルコが匂いに反応した事をお話ししたかと思うんですけれど、あれからマルコは毎晩、うなされてて悪い夢を見ているようなんです。どうも、マルコは犯人と夢の中で戦っているような感じです。ひょっとすると、ひょっとするとですよ。マルコが犯人と出くわしていたなら、西園寺さんを守ろうとして、犯人と戦ったというか、とびかかったというか。そういう状態だったんじゃなかったのかなと思って。あと、猫はすぐ引っ掻くし、最悪は噛みつくんです。シャーって言いながら。だからマルコは犯人を引っ掻いたり、噛みついたりした可能性があるのかなと。」
「加賀美さん、なかなか、想像力豊かだね。確かに犯行現場にはマルコの足に西園寺さんの血液が付着して足跡になっているところもあったし、犯人の犯行時に犯人と西園寺さんが争ったときに犯人にとびかかった可能性はあるね。それで犯人に傷を負わせたかどうかまではわからないけど。君はなかなか鋭い指摘をしているかもしれない。君の想像の賜物かい?それとも、また、猫に聞いたとかじゃないよね。この件は私より、捜査1課の阿部刑事に聞いてもらった方がいいかもしれない。直接に電話して話をしてもらってもいいかな。」
「先生、でも、マルコが警察に連れていかれるような事になると、かわいそうだし、私は嫌なんです。猫を物のように扱われると。できれば、私のところで保護しておきたいんです。」
「わかった。僕の方から阿部刑事には連絡しておくよ。あくまでも仮説で、猫は君が保護した状態にしてほしいって。だから、一度、話をしてくれないかな。犯人を絞りこむためのヒントになるかもしれないから。それは結果的に斎藤さんをお家に帰してもらえるきっかけになるかもしれないから。西園寺家の猫を君が保護していることも伝えて、君の保護した状態で協力することを前提に話をしてみるから。」
「先生、ありがとうございます。それじゃあ、お願いします。できれば、私から阿部刑事に電話をするよりかは、阿部刑事から私の方にお電話いただけるようにお願いしていただくとありがたいです。私の携帯電話番号を伝えていただいていいので、お願いします。私から警察に電話するなんて、なんだか緊張しちゃいます。ちょっと、怖い気もするし、あのお屋敷で入れてくれた刑事さんですよね。私、なんだか苦手なんです。あの人。」
「了解。阿部刑事にはくれぐれも君には優しく対応してもらえるようにお願いしとくよ。あの人、あれで結構、いいひとなんだよ。仕事柄、いかつい顔をしているけど、中身はとってもまともで紳士だよ。ま、楽しい感じじゃないのは認めるけどね。じゃあ、連絡しておくからよろしくね。」
「はい。わかりました。よろしくお願いします。」
ツーツーツー、通話が切れると、すぐにマリンが膝上にのってきた。
「大丈夫にゃ。話はできたかにゃ。」
「できたけど、刑事さんから電話くることになっちゃった。なんか、緊張するよね。警察って、悪いことしてないのに、パトカーとか白バイとか見るとなんだか緊張しちゃうのよね。だって、なんかいろいろ難癖つけられて捕まえられるのって嫌じゃない。スピード違反とか一時停止とか車線変更違反とか、なんにも悪いことしてないし、危ないこともしてないのに。捕まえて罰金とられたりするから。スクーター乗っていると本当に多くて。気を付けないとって思っちゃうんだよね。だから警察って聞いただけで緊張しちゃう。」
「でも、メイとジュンのご主人さまを助けるためにゃ。あと、マルコのご主人さまの敵討ちにゃ。犯人は捕まえないといけないにゃ。」
「そうね。マリンの云う通り。阿部刑事からの電話を待ちましょう。」
「あーさっぱりした。ビール♪ビール♪ぷふぁーお風呂上りの一杯は最高ですな。お母さん、お父さんは?」
「お父さんは遅くなるそうよ。晩御飯はいらないみたい。」
プルルル。プルルル。携帯電話が鳴っている。
「あ、私の携帯だ。なってる。知らない番号だ。はい、もしもし。」
「もしもし、夜分遅くに恐れ入ります。加賀美さんの携帯電話で間違いありませんでしょうか。」
「はい、そうですけれど。」
なんか低音ボイスの声が携帯電話の向こうから聞こえてきた。
「こちら深城署 捜査1課の阿部と申します。小田桐先生からお聞きしまして、お電話をさせていただいている者です。」
まじもんの刑事さんからの電話に急に緊張する。もう、風呂上がりのビールどころではない。
「あ、はい、小田桐先生から聞いております。お電話ありがとうございます。加賀美は私です。えーと。」
携帯電話越しでは見えるはずもないのに直立不動で頭を下げながら会話する。
「お電話では話も長くなるでしょうから、ご都合の良いときに署までお越しいただけますと助かるのですが。いつならお越しいただけますかね。」
「はい。えーと、ちょっとお待ちください。スケジュール確認しますので。」
そうは言うものの、今のところ、朝夕の斎藤さん宅の猫の世話以外に特に予定はないのだけれど、一応、一呼吸置いて、少し緊張を解くためにスマホを耳元から離した。深呼吸して、再度、スマホを耳元に戻す。
「はい、明日の午後2時から4時の間ではいかがでしょうか?」
「あ、ちょっと待ってくださいね。自分の方も確認しますので。はい、大丈夫です。署までご足労いただけますか?場所はご存じですか?」
「はい、大丈夫です。存じ上げてます。明日の午後2時にお伺いさせていただきますのでよろしくお願いします。」
「すみませんが、お待ちしておりますので、よろしくお願いいたします。」
通話が終了すると、一気に緊張がほぐれて、全身から力が抜ける。ダイニングの椅子に力なく座り、気が抜けたグラスのビールを一気に飲んだ。明日は斎藤さん宅の後に警察署に出頭だ。私が何をしたわけでもないけれど、なんだか少し緊張とワクワクする。
今日はもう早めに寝て、ゆっくり休もう。また、明日も朝から猫達のお世話だから。
マルコがうなされていた。小さくうめくように鳴きながら、足をバタつかせ、何かから必死に逃げているようだった。
ときどき爪を立てるように前足を振り、虚空に牙をむき出す。
夢の中で、戦っているのだろう。あの夜の記憶が、今もマルコを苦しめているのかもしれない。
遥香はその鳴き声で目を覚ました。薄明かりの差し込む室内で、寝床の毛布が揺れている。
彼女はそっとマルコの毛並みに手を添え、優しく撫でた。マルコはぱちりと目を開け、きょろきょろと辺りを見回す。
そして、自分が安全な場所にいると確認すると、また目を閉じ、微かな寝息を立てはじめた。
……
朝。
マリンは窓辺にうずくまるマルコにそっと声をかけた。
「どうしたの? 今朝はずいぶんうなされてた。悪い夢でも見てたの?」
「……ああ。あの夜のことを、何度も夢に見る。犯人が襲ってくるんだ。俺は飛びかかって戦う。でも、毎回やられて……逃げ出す。……終わらない、悪夢さ」
「……マルコ、本当に戦ったんだよね。ご主人さまを守ろうとして」
「ああ。爪で引っかいて、腕にかみついた。でもあいつは強かった。俺は払い飛ばされて、床に転がった。気づいたら外へ飛び出してて……それから戻れなくなった」
マリンは真剣な顔でうなずいた。
「ということは―犯人には引っかき傷やかまれた跡が残っているはずね。それが証拠になるかもしれないわね」
「……そうだな。俺はあいつに、確かに爪痕を残した。ご主人さまを殺したやつを、俺は絶対に許さない」
「気持ちはすごくわかるわ。でも、助けてくれた人たちに迷惑をかけないようにしようね。犯人を見つけても飛びかかったりしたらダメだよ。遥香が帰ってきたら、このことを話してみよう」
マルコは静かに目を閉じた。部屋に朝の光が満ちてゆく。
ふたりは、それぞれ陽だまりの中でまどろみ始めた。
……
玄関のドアが開き、明るい声が部屋に届いた。
「ただいま~! マリン、マルコ、おりこうさんにしてた?おやつの時間だよ~、こっちおいで~」
遥香は袋から猫用のおやつを取り出して差し出す。マリンが、さっと彼女の前に跳ねた。
「ねぇねぇ、ちょっと聞いてほしいことがあるにゃあ。さっき、マルコと話したんだけど――マルコ、事件の夜に犯人と戦ったって言ってたにゃあ。
爪で引っかいて、牙でかみついた。でも負けて逃げたにゃあ。そして、そのことを毎晩夢で見てるらしいにゃあ」
遥香の手が止まる。
「つまり……犯人には、傷跡が残ってる可能性がある、ってことよね?」
「そうにゃあ。ひっかき傷や噛み跡。もしそれが残ってれば、それが証拠になるにゃあ」
「……ありがとう、マリン。すごく重要なことかもしれない。でもそうなると、マルコは“重要参考猫”になっちゃうかも」
「参考猫……?」
「たとえば歯型を調べるとか。マルコを警察に連れていかれて、証拠品のように扱われるのは可哀想だわ……。慎重に進めないと」
遥香は携帯電話を手に取った。
「まずは、小田切先生に相談してみるね」
プルルルル、プルルルル
「はい、もしもし、小田桐ですが。」
「もしもし、こんにちは小田桐先生、加賀美です。今、お電話でお話をさせていただいても大丈夫ですか?お時間いただけますか?」
「こんにちは、加賀美さん、あぁ、いいよ。今は車の中で待機中だから。どうしたの?猫達は元気かな?」
「ありがとうございます。はい、猫たちは元気です。マルコもメイもジュンも、みんな順調です。あの、少し気が付いたことがありまして。先生のご意見を伺いたくてお電話したんです。」
「それはよかった。で気づいたことって?何か問題でもあった?」
「いや、問題じゃないんですけど。先日にマルコが匂いに反応した事をお話ししたかと思うんですけれど、あれからマルコは毎晩、うなされてて悪い夢を見ているようなんです。どうも、マルコは犯人と夢の中で戦っているような感じです。ひょっとすると、ひょっとするとですよ。マルコが犯人と出くわしていたなら、西園寺さんを守ろうとして、犯人と戦ったというか、とびかかったというか。そういう状態だったんじゃなかったのかなと思って。あと、猫はすぐ引っ掻くし、最悪は噛みつくんです。シャーって言いながら。だからマルコは犯人を引っ掻いたり、噛みついたりした可能性があるのかなと。」
「加賀美さん、なかなか、想像力豊かだね。確かに犯行現場にはマルコの足に西園寺さんの血液が付着して足跡になっているところもあったし、犯人の犯行時に犯人と西園寺さんが争ったときに犯人にとびかかった可能性はあるね。それで犯人に傷を負わせたかどうかまではわからないけど。君はなかなか鋭い指摘をしているかもしれない。君の想像の賜物かい?それとも、また、猫に聞いたとかじゃないよね。この件は私より、捜査1課の阿部刑事に聞いてもらった方がいいかもしれない。直接に電話して話をしてもらってもいいかな。」
「先生、でも、マルコが警察に連れていかれるような事になると、かわいそうだし、私は嫌なんです。猫を物のように扱われると。できれば、私のところで保護しておきたいんです。」
「わかった。僕の方から阿部刑事には連絡しておくよ。あくまでも仮説で、猫は君が保護した状態にしてほしいって。だから、一度、話をしてくれないかな。犯人を絞りこむためのヒントになるかもしれないから。それは結果的に斎藤さんをお家に帰してもらえるきっかけになるかもしれないから。西園寺家の猫を君が保護していることも伝えて、君の保護した状態で協力することを前提に話をしてみるから。」
「先生、ありがとうございます。それじゃあ、お願いします。できれば、私から阿部刑事に電話をするよりかは、阿部刑事から私の方にお電話いただけるようにお願いしていただくとありがたいです。私の携帯電話番号を伝えていただいていいので、お願いします。私から警察に電話するなんて、なんだか緊張しちゃいます。ちょっと、怖い気もするし、あのお屋敷で入れてくれた刑事さんですよね。私、なんだか苦手なんです。あの人。」
「了解。阿部刑事にはくれぐれも君には優しく対応してもらえるようにお願いしとくよ。あの人、あれで結構、いいひとなんだよ。仕事柄、いかつい顔をしているけど、中身はとってもまともで紳士だよ。ま、楽しい感じじゃないのは認めるけどね。じゃあ、連絡しておくからよろしくね。」
「はい。わかりました。よろしくお願いします。」
ツーツーツー、通話が切れると、すぐにマリンが膝上にのってきた。
「大丈夫にゃ。話はできたかにゃ。」
「できたけど、刑事さんから電話くることになっちゃった。なんか、緊張するよね。警察って、悪いことしてないのに、パトカーとか白バイとか見るとなんだか緊張しちゃうのよね。だって、なんかいろいろ難癖つけられて捕まえられるのって嫌じゃない。スピード違反とか一時停止とか車線変更違反とか、なんにも悪いことしてないし、危ないこともしてないのに。捕まえて罰金とられたりするから。スクーター乗っていると本当に多くて。気を付けないとって思っちゃうんだよね。だから警察って聞いただけで緊張しちゃう。」
「でも、メイとジュンのご主人さまを助けるためにゃ。あと、マルコのご主人さまの敵討ちにゃ。犯人は捕まえないといけないにゃ。」
「そうね。マリンの云う通り。阿部刑事からの電話を待ちましょう。」
「あーさっぱりした。ビール♪ビール♪ぷふぁーお風呂上りの一杯は最高ですな。お母さん、お父さんは?」
「お父さんは遅くなるそうよ。晩御飯はいらないみたい。」
プルルル。プルルル。携帯電話が鳴っている。
「あ、私の携帯だ。なってる。知らない番号だ。はい、もしもし。」
「もしもし、夜分遅くに恐れ入ります。加賀美さんの携帯電話で間違いありませんでしょうか。」
「はい、そうですけれど。」
なんか低音ボイスの声が携帯電話の向こうから聞こえてきた。
「こちら深城署 捜査1課の阿部と申します。小田桐先生からお聞きしまして、お電話をさせていただいている者です。」
まじもんの刑事さんからの電話に急に緊張する。もう、風呂上がりのビールどころではない。
「あ、はい、小田桐先生から聞いております。お電話ありがとうございます。加賀美は私です。えーと。」
携帯電話越しでは見えるはずもないのに直立不動で頭を下げながら会話する。
「お電話では話も長くなるでしょうから、ご都合の良いときに署までお越しいただけますと助かるのですが。いつならお越しいただけますかね。」
「はい。えーと、ちょっとお待ちください。スケジュール確認しますので。」
そうは言うものの、今のところ、朝夕の斎藤さん宅の猫の世話以外に特に予定はないのだけれど、一応、一呼吸置いて、少し緊張を解くためにスマホを耳元から離した。深呼吸して、再度、スマホを耳元に戻す。
「はい、明日の午後2時から4時の間ではいかがでしょうか?」
「あ、ちょっと待ってくださいね。自分の方も確認しますので。はい、大丈夫です。署までご足労いただけますか?場所はご存じですか?」
「はい、大丈夫です。存じ上げてます。明日の午後2時にお伺いさせていただきますのでよろしくお願いします。」
「すみませんが、お待ちしておりますので、よろしくお願いいたします。」
通話が終了すると、一気に緊張がほぐれて、全身から力が抜ける。ダイニングの椅子に力なく座り、気が抜けたグラスのビールを一気に飲んだ。明日は斎藤さん宅の後に警察署に出頭だ。私が何をしたわけでもないけれど、なんだか少し緊張とワクワクする。
今日はもう早めに寝て、ゆっくり休もう。また、明日も朝から猫達のお世話だから。
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