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10、お嬢様は元気で留守がいい
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外を見ているニアに並ぶように、シーツを抱えたアリーンと立つ。
昨夜も旦那様を受け入れた体が少し重い。
屋敷の門で平民の女が騒いでいるように見えるが、ちょっと遠くて分かりづらい。でも目がいいニアとアリーンがそう言うなら間違いないだろう。
「マーロはここにいてね。旦那様にお知らせしてくるから」
ニアが最高速度で部屋を出て行く。ニアのすごい所は、そんな速度で動いても決して走っているようには見えない所だ。
最高速度を出したニアに追いつこうとしたら、走らないと無理。
鉄の柵を挟んで門係が対応してるけど、きついだろうな。
旦那様はお仕事中だから、もしかしたら屋敷にいないかもしれない。
時間がかかる可能性を考え、慌てて着替えた。
「マーロ、女主人が戻ったのよ。開けなさい」
門に駆けつけた俺とアーリンの顔を見るなり、ふんぞり返るお嬢様。いつも丁寧に結われていた艶やかな髪は乱れ、その顔は少し薄汚れている。
すげぇな。
正式な婚姻も結ばず逃げたくせに、どうしたらこんなに堂々としてられるんだ。
それに元気そうだ。
ホントびっくりするくらい。
まぁそうだよな、これくらいで弱るような人ならアクジョノ家も苦労しなかっただろう。
門係さんに頷いて交代を示すと、強面の彼は申し訳なさそうな、しかしあからさまに安心した表情を浮かべた。
すみません、ご迷惑をおかけしました。
「お嬢様、お顔洗ってないんですか?」
「っ黙りなさい。さっさと門を開けて湯浴みの準備を」
全てを放り出し、自分勝手に逃げた人間が何を言うのか。
どうしよっかなー
アクジョノ家に強制送還が一番良さそうだけど、お嬢様もアクジョノ家も拒否しそうだ。
対応を考えていたら、焦れた嬢様の手がにゅっと鉄柵の隙間から入ってきた。
襟元を両手で掴まれ、引っ張られる。
いつもの癖で抵抗はしなかった。
ガンッと鉄柵に頭を打ちつけられる。
痛い。
思わず閉じた目を開けると、至近距離にお嬢様の顔が迫っていた。
「開けろと、言っているの」
こちらを下に見ていることを隠そうともしない、命令する事に慣れ切った低めた声。相変わらず迫力満点だ。
「おいっ、やめろっ! 手を離せ!」
「マーロ!」
門係が慌ててお嬢様の手を掴もうとし、背後からは俺の名を呼ぶアリーンの悲痛な声が聞こえた。
「放せ」
お嬢様の手を掴んだのは旦那様だった。
低くて、力強い。圧の強い、恐ろしい声。でもそれを聞いて俺は無性に安堵した。
「いっ」
旦那様に強く握られたのだろう、お嬢様は小さな悲鳴を上げ、手を離して後ろに下がる。
「馬車を用意した。アクジョノ家に帰りなさい」
「帰らないわ」
旦那様の淡々とした声にお嬢様は食い気味に答える。
「帰れと、言っている」
「わたくしはその男に騙されたのです」
うっわ、俺のせいにしやがった!
ご丁寧に指まで差された。
「ほう」
旦那様がなにか愉悦のようなものを混じらせ、低く唸った。
「侍従ごときにしてやられたと? そんな無能はいらん。お前のような無能から生まれる子も期待できんしな」
こんなにお怒りの旦那様に立て突くなんてお嬢様、強いなー
旦那様に肩を抱かれたまま、旦那様の顔を見上げる。
……慣れたと思っていたが、怖かった。
事態が事態だ、当然だとしても怖すぎる。
思わず乱れた襟元を掴んだ。
「ハッ、そういう事」
俺の喉元を見たお嬢様は、鼻で笑って勝ち誇ったような表情を浮かべる。
「あなた、ついに男を誑し込んだのね。いつも男に媚びた視線送っていたものね、浅ましい」
吐き捨てられた俺はさっきから唖然としっぱなしだ。
はいはい、俺の首筋には鬱血痕が散りばめられてますからねー
「この泥棒猫!」
おお、お嬢様が好んで読まれる小説の中によく出て来るフレーズだ。
俺が寝取ったみたいに言うな。
━━いや、寝取ったのか?
お嬢様劇場が展開されるなか、旦那様のおかしそうな笑い声が小さく落ちた。
「ああ。確かに寝取ってやったな」
はっきりとそう言って、旦那様もまた勝ち誇ったような凄みの滲む笑みを浮かべる。
あ、似た者同士だ。
睨みあう二人の間で思った。
同族嫌悪、待ったなしだ。
相性が悪すぎる。
これはこの二人がくっついても、うまくいかなかっただろう。
「愛らしく、賢い妻を寄越していただき感謝している」
そう言った旦那様に肩を引き寄せられ、右眉の上の方にキスを落とされた。そこはさっき鉄柵にぶつけた辺りだ。
「アクジョノ嬢をお送りしろ」
旦那様が脇に目をやる。
視線の先には人がすっぽり入るような麻袋を持つアントンさんと、ロープを持たされた困惑顔の門係さんがいた。
じりと後ずさり、身を翻したお嬢様の背に咄嗟に声を張る。
「お嬢様っ! お腹空いてないですかっ?」
「ッ、空いているわよ!」
振り返ったお嬢様は、俺が助け舟を出したと思ったのだろう。一縷の望みを俺に託した顔だった。あのお嬢様が。
門の外に出たアントンさんが素早くお嬢様の行く手を阻んだ。
門係から奪ったロープの両端をニアとアリーンがそれぞれ持ち、お嬢様を中心に円状に走り出す。
ニアは左回り、アーリンが右回り。二人が交差する時は一方が身を屈め、お嬢様との距離を保ちながらあっという間に胸から膝近くまでをぐるぐる巻きにしてしまった。
膝から登って来るロープにお嬢様が手を伸ばすものだから、両手まで巻き込まれている。
田舎で猟をしたり、薪を縛ったりしていたニアやアリーンは、俺なんかよりよっぽどロープの扱いに慣れているんだ。
「アントンさん、本当にすみませんが頭からではなく、足から入れてやってもらえませんか」
「なっ━━!」
鮮やかなもんだねぇ、とニアとアリーンに感心しているアントンさんにお願いすれば、お嬢様が信じられないような表情でこちらを見た。
「マーロ! この裏切り者! あなたたち、わたくしにこんな事をしてただで済むと思っているの!」
……お嬢様はまだ自分とアクジョノ家がどんな状況に置かれているか、知らないからなぁ。
ただで済まないのはアクジョノ家っぽいのだが。
ウエディングドレスや宝飾品といった身ぐるみを剥がされ、見知らぬ街に放置されたであろう、世間慣れしていないお嬢様だが元気だ。
これなら麻袋に入れられたままでも元気に屋敷にたどり着くだろう。
悲鳴を上げるでもなく、気丈に抵抗しているお嬢様はたいしたものだ。
素直に感心した。
ただ元気すぎてうるさい。
「何か食べさせたら黙らせていい」
旦那様の指示がおっかない。
さすがのお嬢様も静かになった。
すごい、あのお嬢様を黙らせるなんて。
やっぱり旦那様はかっこ良すぎる。
昨夜も旦那様を受け入れた体が少し重い。
屋敷の門で平民の女が騒いでいるように見えるが、ちょっと遠くて分かりづらい。でも目がいいニアとアリーンがそう言うなら間違いないだろう。
「マーロはここにいてね。旦那様にお知らせしてくるから」
ニアが最高速度で部屋を出て行く。ニアのすごい所は、そんな速度で動いても決して走っているようには見えない所だ。
最高速度を出したニアに追いつこうとしたら、走らないと無理。
鉄の柵を挟んで門係が対応してるけど、きついだろうな。
旦那様はお仕事中だから、もしかしたら屋敷にいないかもしれない。
時間がかかる可能性を考え、慌てて着替えた。
「マーロ、女主人が戻ったのよ。開けなさい」
門に駆けつけた俺とアーリンの顔を見るなり、ふんぞり返るお嬢様。いつも丁寧に結われていた艶やかな髪は乱れ、その顔は少し薄汚れている。
すげぇな。
正式な婚姻も結ばず逃げたくせに、どうしたらこんなに堂々としてられるんだ。
それに元気そうだ。
ホントびっくりするくらい。
まぁそうだよな、これくらいで弱るような人ならアクジョノ家も苦労しなかっただろう。
門係さんに頷いて交代を示すと、強面の彼は申し訳なさそうな、しかしあからさまに安心した表情を浮かべた。
すみません、ご迷惑をおかけしました。
「お嬢様、お顔洗ってないんですか?」
「っ黙りなさい。さっさと門を開けて湯浴みの準備を」
全てを放り出し、自分勝手に逃げた人間が何を言うのか。
どうしよっかなー
アクジョノ家に強制送還が一番良さそうだけど、お嬢様もアクジョノ家も拒否しそうだ。
対応を考えていたら、焦れた嬢様の手がにゅっと鉄柵の隙間から入ってきた。
襟元を両手で掴まれ、引っ張られる。
いつもの癖で抵抗はしなかった。
ガンッと鉄柵に頭を打ちつけられる。
痛い。
思わず閉じた目を開けると、至近距離にお嬢様の顔が迫っていた。
「開けろと、言っているの」
こちらを下に見ていることを隠そうともしない、命令する事に慣れ切った低めた声。相変わらず迫力満点だ。
「おいっ、やめろっ! 手を離せ!」
「マーロ!」
門係が慌ててお嬢様の手を掴もうとし、背後からは俺の名を呼ぶアリーンの悲痛な声が聞こえた。
「放せ」
お嬢様の手を掴んだのは旦那様だった。
低くて、力強い。圧の強い、恐ろしい声。でもそれを聞いて俺は無性に安堵した。
「いっ」
旦那様に強く握られたのだろう、お嬢様は小さな悲鳴を上げ、手を離して後ろに下がる。
「馬車を用意した。アクジョノ家に帰りなさい」
「帰らないわ」
旦那様の淡々とした声にお嬢様は食い気味に答える。
「帰れと、言っている」
「わたくしはその男に騙されたのです」
うっわ、俺のせいにしやがった!
ご丁寧に指まで差された。
「ほう」
旦那様がなにか愉悦のようなものを混じらせ、低く唸った。
「侍従ごときにしてやられたと? そんな無能はいらん。お前のような無能から生まれる子も期待できんしな」
こんなにお怒りの旦那様に立て突くなんてお嬢様、強いなー
旦那様に肩を抱かれたまま、旦那様の顔を見上げる。
……慣れたと思っていたが、怖かった。
事態が事態だ、当然だとしても怖すぎる。
思わず乱れた襟元を掴んだ。
「ハッ、そういう事」
俺の喉元を見たお嬢様は、鼻で笑って勝ち誇ったような表情を浮かべる。
「あなた、ついに男を誑し込んだのね。いつも男に媚びた視線送っていたものね、浅ましい」
吐き捨てられた俺はさっきから唖然としっぱなしだ。
はいはい、俺の首筋には鬱血痕が散りばめられてますからねー
「この泥棒猫!」
おお、お嬢様が好んで読まれる小説の中によく出て来るフレーズだ。
俺が寝取ったみたいに言うな。
━━いや、寝取ったのか?
お嬢様劇場が展開されるなか、旦那様のおかしそうな笑い声が小さく落ちた。
「ああ。確かに寝取ってやったな」
はっきりとそう言って、旦那様もまた勝ち誇ったような凄みの滲む笑みを浮かべる。
あ、似た者同士だ。
睨みあう二人の間で思った。
同族嫌悪、待ったなしだ。
相性が悪すぎる。
これはこの二人がくっついても、うまくいかなかっただろう。
「愛らしく、賢い妻を寄越していただき感謝している」
そう言った旦那様に肩を引き寄せられ、右眉の上の方にキスを落とされた。そこはさっき鉄柵にぶつけた辺りだ。
「アクジョノ嬢をお送りしろ」
旦那様が脇に目をやる。
視線の先には人がすっぽり入るような麻袋を持つアントンさんと、ロープを持たされた困惑顔の門係さんがいた。
じりと後ずさり、身を翻したお嬢様の背に咄嗟に声を張る。
「お嬢様っ! お腹空いてないですかっ?」
「ッ、空いているわよ!」
振り返ったお嬢様は、俺が助け舟を出したと思ったのだろう。一縷の望みを俺に託した顔だった。あのお嬢様が。
門の外に出たアントンさんが素早くお嬢様の行く手を阻んだ。
門係から奪ったロープの両端をニアとアリーンがそれぞれ持ち、お嬢様を中心に円状に走り出す。
ニアは左回り、アーリンが右回り。二人が交差する時は一方が身を屈め、お嬢様との距離を保ちながらあっという間に胸から膝近くまでをぐるぐる巻きにしてしまった。
膝から登って来るロープにお嬢様が手を伸ばすものだから、両手まで巻き込まれている。
田舎で猟をしたり、薪を縛ったりしていたニアやアリーンは、俺なんかよりよっぽどロープの扱いに慣れているんだ。
「アントンさん、本当にすみませんが頭からではなく、足から入れてやってもらえませんか」
「なっ━━!」
鮮やかなもんだねぇ、とニアとアリーンに感心しているアントンさんにお願いすれば、お嬢様が信じられないような表情でこちらを見た。
「マーロ! この裏切り者! あなたたち、わたくしにこんな事をしてただで済むと思っているの!」
……お嬢様はまだ自分とアクジョノ家がどんな状況に置かれているか、知らないからなぁ。
ただで済まないのはアクジョノ家っぽいのだが。
ウエディングドレスや宝飾品といった身ぐるみを剥がされ、見知らぬ街に放置されたであろう、世間慣れしていないお嬢様だが元気だ。
これなら麻袋に入れられたままでも元気に屋敷にたどり着くだろう。
悲鳴を上げるでもなく、気丈に抵抗しているお嬢様はたいしたものだ。
素直に感心した。
ただ元気すぎてうるさい。
「何か食べさせたら黙らせていい」
旦那様の指示がおっかない。
さすがのお嬢様も静かになった。
すごい、あのお嬢様を黙らせるなんて。
やっぱり旦那様はかっこ良すぎる。
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