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第6章 終局七将イゴロウ
第22転 盗神の手
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テュケー。
ギリシア神話に登場する運命の女神。ローマ神話のフォルトゥナに対応する。その名は「運」を意味し、運命以外にも都市の財産や繁栄を司る。ヘレニズム時代の古代ギリシャの硬貨には彼女が刻まれたものが多く見られた。
◆ ◇ ◆
超高速の攻防が火花を散らす。鋼と鋼が激突する音は絢爛たるオーケストラのようだ。イゴロウの動きは人の限界を超え、まるで出鱈目だ。
イゴロウの装飾品に備わるスキル『一定確率で相手を即死させる』、『急所を突く』、『倍のダメージを与える』、『倍の速度で攻撃する』、『器用さを上乗せする』は実際に使うと自動追尾攻撃に、『攻撃を無効化する』は自動防御、『攻撃を回避する』は自動回避となって表れる。つまりスキルによってイゴロウの動きは最適化されているのだ。
最善を選び続ける無駄のない戦闘技術。それを鍛え上げたイゴロウの肉体――高い筋力値と敏捷値――で振るっているのだ。今のところ俺もどうにか喰らい付いてはいるが、いっぱいいっぱいだ。いつ均衡が崩れてもおかしくない。
「……テメェも何か持ってんのか?」
剣劇の最中、イゴロウが話し掛けてきた。その間にも短剣を振るう手は休めない。こいつも元はただの一般人だった筈だ。それが戦闘中に会話できるほどの余裕と度胸。恐らくは異世界転生後の経験のお陰なのだろう。
「持っている? 何の話だ?」
「とぼけてんのか? なんで無事なんだって話だよ」
そう言われても何の事か分からない。何が無事だというのか。イゴロウは何をしたというのか。
「あー……埒が明かねえから言っちまうとな。俺の短剣【バジリスクの血眼】は『斬り付けた相手に猛毒を付与する』、『麻痺を付与する』、『石化を付与する』といった相手を弱体化させるスキルが備わっているんだよ。傷を負わせなくても斬り結んだだけで相手に付与する」
何だ、その理不尽な仕様。ただでさえ強いっていうのに更にこちらを弱らせてくるとか何の嫌がらせだ。
だが、現状の俺はピンピンしている。何も苦しくはない。何らかの異常に蝕まれている様子はない。これは一体どういう事なのか――
「――ああ、心当たりがない訳じゃないな。桃は昔から破邪の果実と言われてきたからな」
中国において桃は仙果と呼ばれている。邪気を祓い、不老長寿を与える果物として親しまれてきたのだ。桃饅頭という縁起物の菓子もある。日本においてもこれは同様であり、桃には霊力が宿っていると信じられてきた。
桃から生まれた桃太郎、その転生者であるこの俺。この身には桃の霊力が宿っている。前世でも当世でも生まれてこの方、大病どころか風邪一つ引いた事がない。毒も呪いも俺には通じないだろう。
【大神霊実流剣術春聯】はそもそもその破邪の霊力を刃に纏う技である。
「成程、人間やそこいらの魔物よりも弱体化に耐性があっても不思議じゃねえのか。弱体化を期待するだけ無駄って事だな。ハッ、面倒くせえな。となると、この両手の力で戦うしかねえって事か」
「両手の力?」
イゴロウが不意に剣撃をやめて後方に跳ぶ。刀を空振りするが、問題ない。すぐさま追撃する。
イゴロウはいやらしい笑みを見せると、右手に握っていた短剣を左手に持ち替え、自由になった右掌を俺へとかざした。何を仕掛けてくるのかと警戒しつつも腰の下から刀を振り上げる。
「【盗神の手】――!」
次の瞬間、俺の手中から刀が消失した。
「えっ……?」
「はは、一発成功とは運がいい!」
呆気に取られた俺にイゴロウが襲い掛かる。その手にはたった今、消失した筈の俺の刀が握られていた。武器を失い、無防備になった俺の左肩が切り裂かれる。身を翻して致命傷こそ免れたが、傷は深い。
鮮血が噴出した。
「ぐっ、ああああっ、ああ……!」
激痛に苦悶の声が漏れる。痛い。傷口が熱い。目の奥が真っ白になってチカチカする。
思えば、こんな深い傷を負ったのは百地吉備之介としては初めての経験だ。桃太郎だった頃は負傷なんて日常茶飯事だったが、今は日本の高校生だ。今生、刀で斬られるなんて事は一度もなかった。
「おい。何だ……今の!? 今のもまさかチートスキルか!?」
今、確かに刀が空間転移した。しっかりと握っていた俺の手から刀が消えて、イゴロウの手中に刀が現れた。イゴロウと俺との間には手を伸ばしても届かない距離があったにも拘らずだ。
まさかこいつ、【神命豪運】以外にもチートスキルがあるのか。チートを二つも持っているなんて、そんな反則がありえるのか。
「んん? ああ、いやいや違う。今のは【盗神の手】――【窃盗】や【攫取】といった盗む系スキルの最上級の位置するもんよ。チートと違って、極めれば誰でも使える」
などと混乱していたらイゴロウが否定してきた。存外親切な奴だな。
「……その【窃盗】を知らないんだが」
「ああ、そりゃそうだわな。【窃盗】は数メートル範囲内にいる敵一体から所有物を一つランダムに盗む技、【攫取】は物じゃなくて人を奪う技だ。で、【盗神の手】は視界内にいる敵から好きな所有物を一つ、距離も遮蔽物も無視して奪い盗る業だ」
「視界内で好きな物とか破格すぎんだろ……」
「まあその分、成功率は極低なんだがな。普通ならまず成功しないんだが」
【神命豪運】で一〇〇パーセント成功させられるという訳か。やっぱりチートスキルってズルだわ。
それにしても、テュケーにヘルメス、アポロン、ベヒーモスにリヴァイアサン。異世界のチートスキルに地球の神々や神獣の名前が使われているのはどういう訳だ。地球の神々と異世界にどういう関係があるんだ。
「うぐっ! 何だ……!?」
突如、傷の痛みとは別の苦しみが俺を襲った。
背中に寒気が這い回り、心臓が早鐘を打つ。指先が震え、呼吸がまともにできなくなる。
これは恐怖か。戦いに対する恐怖心が湧き上がっているのだ。しかし、何故だ。なんで今更俺は戦いを怖がっているんだ。クリト、カルル、デクスターと三度も戦いを経験してきた俺が何故に今更。
「そうか、刀……!」
俺は刀を抜いた事で心の『桃太郎』のスイッチをオンにした。だから、逆に刀を手放した事でスイッチがオフになってしまったのだ。それで今まで抑え込んでいた恐怖心が戻ってきてしまったのだ。
まずい。この状況でこの状態になるのはまずい。よりにもよってイゴロウみたいな強敵相手に戦意を失うなんて致命的だ。このままでは為す術なく殺されてしまう。
クソ……どうする。どうする!?
ギリシア神話に登場する運命の女神。ローマ神話のフォルトゥナに対応する。その名は「運」を意味し、運命以外にも都市の財産や繁栄を司る。ヘレニズム時代の古代ギリシャの硬貨には彼女が刻まれたものが多く見られた。
◆ ◇ ◆
超高速の攻防が火花を散らす。鋼と鋼が激突する音は絢爛たるオーケストラのようだ。イゴロウの動きは人の限界を超え、まるで出鱈目だ。
イゴロウの装飾品に備わるスキル『一定確率で相手を即死させる』、『急所を突く』、『倍のダメージを与える』、『倍の速度で攻撃する』、『器用さを上乗せする』は実際に使うと自動追尾攻撃に、『攻撃を無効化する』は自動防御、『攻撃を回避する』は自動回避となって表れる。つまりスキルによってイゴロウの動きは最適化されているのだ。
最善を選び続ける無駄のない戦闘技術。それを鍛え上げたイゴロウの肉体――高い筋力値と敏捷値――で振るっているのだ。今のところ俺もどうにか喰らい付いてはいるが、いっぱいいっぱいだ。いつ均衡が崩れてもおかしくない。
「……テメェも何か持ってんのか?」
剣劇の最中、イゴロウが話し掛けてきた。その間にも短剣を振るう手は休めない。こいつも元はただの一般人だった筈だ。それが戦闘中に会話できるほどの余裕と度胸。恐らくは異世界転生後の経験のお陰なのだろう。
「持っている? 何の話だ?」
「とぼけてんのか? なんで無事なんだって話だよ」
そう言われても何の事か分からない。何が無事だというのか。イゴロウは何をしたというのか。
「あー……埒が明かねえから言っちまうとな。俺の短剣【バジリスクの血眼】は『斬り付けた相手に猛毒を付与する』、『麻痺を付与する』、『石化を付与する』といった相手を弱体化させるスキルが備わっているんだよ。傷を負わせなくても斬り結んだだけで相手に付与する」
何だ、その理不尽な仕様。ただでさえ強いっていうのに更にこちらを弱らせてくるとか何の嫌がらせだ。
だが、現状の俺はピンピンしている。何も苦しくはない。何らかの異常に蝕まれている様子はない。これは一体どういう事なのか――
「――ああ、心当たりがない訳じゃないな。桃は昔から破邪の果実と言われてきたからな」
中国において桃は仙果と呼ばれている。邪気を祓い、不老長寿を与える果物として親しまれてきたのだ。桃饅頭という縁起物の菓子もある。日本においてもこれは同様であり、桃には霊力が宿っていると信じられてきた。
桃から生まれた桃太郎、その転生者であるこの俺。この身には桃の霊力が宿っている。前世でも当世でも生まれてこの方、大病どころか風邪一つ引いた事がない。毒も呪いも俺には通じないだろう。
【大神霊実流剣術春聯】はそもそもその破邪の霊力を刃に纏う技である。
「成程、人間やそこいらの魔物よりも弱体化に耐性があっても不思議じゃねえのか。弱体化を期待するだけ無駄って事だな。ハッ、面倒くせえな。となると、この両手の力で戦うしかねえって事か」
「両手の力?」
イゴロウが不意に剣撃をやめて後方に跳ぶ。刀を空振りするが、問題ない。すぐさま追撃する。
イゴロウはいやらしい笑みを見せると、右手に握っていた短剣を左手に持ち替え、自由になった右掌を俺へとかざした。何を仕掛けてくるのかと警戒しつつも腰の下から刀を振り上げる。
「【盗神の手】――!」
次の瞬間、俺の手中から刀が消失した。
「えっ……?」
「はは、一発成功とは運がいい!」
呆気に取られた俺にイゴロウが襲い掛かる。その手にはたった今、消失した筈の俺の刀が握られていた。武器を失い、無防備になった俺の左肩が切り裂かれる。身を翻して致命傷こそ免れたが、傷は深い。
鮮血が噴出した。
「ぐっ、ああああっ、ああ……!」
激痛に苦悶の声が漏れる。痛い。傷口が熱い。目の奥が真っ白になってチカチカする。
思えば、こんな深い傷を負ったのは百地吉備之介としては初めての経験だ。桃太郎だった頃は負傷なんて日常茶飯事だったが、今は日本の高校生だ。今生、刀で斬られるなんて事は一度もなかった。
「おい。何だ……今の!? 今のもまさかチートスキルか!?」
今、確かに刀が空間転移した。しっかりと握っていた俺の手から刀が消えて、イゴロウの手中に刀が現れた。イゴロウと俺との間には手を伸ばしても届かない距離があったにも拘らずだ。
まさかこいつ、【神命豪運】以外にもチートスキルがあるのか。チートを二つも持っているなんて、そんな反則がありえるのか。
「んん? ああ、いやいや違う。今のは【盗神の手】――【窃盗】や【攫取】といった盗む系スキルの最上級の位置するもんよ。チートと違って、極めれば誰でも使える」
などと混乱していたらイゴロウが否定してきた。存外親切な奴だな。
「……その【窃盗】を知らないんだが」
「ああ、そりゃそうだわな。【窃盗】は数メートル範囲内にいる敵一体から所有物を一つランダムに盗む技、【攫取】は物じゃなくて人を奪う技だ。で、【盗神の手】は視界内にいる敵から好きな所有物を一つ、距離も遮蔽物も無視して奪い盗る業だ」
「視界内で好きな物とか破格すぎんだろ……」
「まあその分、成功率は極低なんだがな。普通ならまず成功しないんだが」
【神命豪運】で一〇〇パーセント成功させられるという訳か。やっぱりチートスキルってズルだわ。
それにしても、テュケーにヘルメス、アポロン、ベヒーモスにリヴァイアサン。異世界のチートスキルに地球の神々や神獣の名前が使われているのはどういう訳だ。地球の神々と異世界にどういう関係があるんだ。
「うぐっ! 何だ……!?」
突如、傷の痛みとは別の苦しみが俺を襲った。
背中に寒気が這い回り、心臓が早鐘を打つ。指先が震え、呼吸がまともにできなくなる。
これは恐怖か。戦いに対する恐怖心が湧き上がっているのだ。しかし、何故だ。なんで今更俺は戦いを怖がっているんだ。クリト、カルル、デクスターと三度も戦いを経験してきた俺が何故に今更。
「そうか、刀……!」
俺は刀を抜いた事で心の『桃太郎』のスイッチをオンにした。だから、逆に刀を手放した事でスイッチがオフになってしまったのだ。それで今まで抑え込んでいた恐怖心が戻ってきてしまったのだ。
まずい。この状況でこの状態になるのはまずい。よりにもよってイゴロウみたいな強敵相手に戦意を失うなんて致命的だ。このままでは為す術なく殺されてしまう。
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この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
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追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
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