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職場変更に異議あり 3
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「クロード様の仕事のスケジュール管理があなたの仕事になります。慣れていないでしょうから、しばらく私、ビアンカが補佐につきます」
最初あった女の人とは違って値踏みもしないし見下げもせず、ビアンカがアンリに手を出した。その手を握って、「アンリです。よろしくおねがいします」と挨拶した。
「私は外務長官の補佐の一人なんです。外務長官には息子の嫁だからしっかり教えてやってくれって言われましたけど、そうなんですか?」
ビアンカの興味深そうな笑顔に一瞬何を言われているのかわからなくなった。が、慌てて訂正をした。変な噂がまわっては困る。
「よよよ、嫁っ? それ、俺のことじゃありませんよ。ははっ、外務長官は面白い方ですね」
「そういう冗談を言う方じゃないんですけどね。そうなんですか」
「そうですよ」
「残念~」
何が残念かはわからないけれど、どうせ賭けでもされているんだろう。財務でもよくやるんだ。『新人はいつまでもつか』あのイケメンに『いつ食われるか』なんて下世話なものまで。もう食われてるけど。
「クロード様は帰ってきてすぐなのでそれほど仕事が入っているわけではありません。大使はおやめになると書類提出して受理されているので、リン国担当になられると思います。今までは外務長官が担当されていたのです。とりあえず、アンリはリン国について知ることが一番かと思います。それはクロード様が教えてくれるはずなので、私は大使として来ているリン国の要人について説明しますね」
リン国は一番仲のいい国で、ここ何代も戦争になっていない。海がある貿易を主としているこの国とは穀物のやりとりが一番多いはずだ。
「今の大使はとてもイケメンが好きなんです。ですからクロード様なら簡単に転がせると思いますが、めちゃくちゃ狙われているので、そこは頑張って守ってください」
「え、守るって……俺強くないですよ」
自慢にならないが喧嘩をしたこともない。女姉妹が三人いて、簡単にいうとしもべ状態だ。
「大使は女性なので腕力を使ってくることはないと思いますが、王宮に泊まる際の就寝時は必ず同じ部屋に寝泊まりしてください」
「それは……、確認だけして鍵をかければいいのでは」
「忍んでこないとも限りません」
「いや、そこは訴えましょうよ」
怖い大使じゃないか。
「訴えて、実はクロード様が望んだことだと言われて立証できるとは限りませんから」
「今までリン国の大使をしてたクロード……様はどうしてたの? 会ったりしてたでしょ」
「今までも補佐官が一緒の部屋にいたと思いますよ」
補佐官がそんなことまでやらないといけないなんて、見くびってたよ。
「できるだけ側にいてください。それが一番安全なので」
「護衛をつけた方がいいよ」
「護衛はついているのです。けれど抑止力になるので是非お願いします」
イヤイヤながら頷いた。仕事ならばしかたがない。
「素直な方ですね」
「え、嘘なの?」
「いえ、もっと嫌がられるかと思っていました」
ビアンカが笑いながら俺に書類を渡す。パラパラをめくると、リン国の要人と家族、大使館の人間について書かれていた。
「嫌がってないように見えたなら、その眼鏡新調したほうがいいよ」
「まぁ、そんなイヤミを言えるなんて――。鍛えがいがありますこと」
書類に気をとられて、口を滑らせてしまった。弟の勘がそう言う。
「すみません、眼鏡、お似合いです。鍛えなくていいです……」
クスクスと笑いながらビアンカが忠告してくれる。
「飲み物には気をつけてください。変な味がしたら絶対に飲まないでくださいね」
「毒……ですか?」
「いえ、媚薬とか平気で盛ってくるらしいので」
「やっぱり大使変更してもらってください~」
情けないけれど、俺はビアンカに泣きをいれた。が、もちろん取り合ってくれなかった。
最初あった女の人とは違って値踏みもしないし見下げもせず、ビアンカがアンリに手を出した。その手を握って、「アンリです。よろしくおねがいします」と挨拶した。
「私は外務長官の補佐の一人なんです。外務長官には息子の嫁だからしっかり教えてやってくれって言われましたけど、そうなんですか?」
ビアンカの興味深そうな笑顔に一瞬何を言われているのかわからなくなった。が、慌てて訂正をした。変な噂がまわっては困る。
「よよよ、嫁っ? それ、俺のことじゃありませんよ。ははっ、外務長官は面白い方ですね」
「そういう冗談を言う方じゃないんですけどね。そうなんですか」
「そうですよ」
「残念~」
何が残念かはわからないけれど、どうせ賭けでもされているんだろう。財務でもよくやるんだ。『新人はいつまでもつか』あのイケメンに『いつ食われるか』なんて下世話なものまで。もう食われてるけど。
「クロード様は帰ってきてすぐなのでそれほど仕事が入っているわけではありません。大使はおやめになると書類提出して受理されているので、リン国担当になられると思います。今までは外務長官が担当されていたのです。とりあえず、アンリはリン国について知ることが一番かと思います。それはクロード様が教えてくれるはずなので、私は大使として来ているリン国の要人について説明しますね」
リン国は一番仲のいい国で、ここ何代も戦争になっていない。海がある貿易を主としているこの国とは穀物のやりとりが一番多いはずだ。
「今の大使はとてもイケメンが好きなんです。ですからクロード様なら簡単に転がせると思いますが、めちゃくちゃ狙われているので、そこは頑張って守ってください」
「え、守るって……俺強くないですよ」
自慢にならないが喧嘩をしたこともない。女姉妹が三人いて、簡単にいうとしもべ状態だ。
「大使は女性なので腕力を使ってくることはないと思いますが、王宮に泊まる際の就寝時は必ず同じ部屋に寝泊まりしてください」
「それは……、確認だけして鍵をかければいいのでは」
「忍んでこないとも限りません」
「いや、そこは訴えましょうよ」
怖い大使じゃないか。
「訴えて、実はクロード様が望んだことだと言われて立証できるとは限りませんから」
「今までリン国の大使をしてたクロード……様はどうしてたの? 会ったりしてたでしょ」
「今までも補佐官が一緒の部屋にいたと思いますよ」
補佐官がそんなことまでやらないといけないなんて、見くびってたよ。
「できるだけ側にいてください。それが一番安全なので」
「護衛をつけた方がいいよ」
「護衛はついているのです。けれど抑止力になるので是非お願いします」
イヤイヤながら頷いた。仕事ならばしかたがない。
「素直な方ですね」
「え、嘘なの?」
「いえ、もっと嫌がられるかと思っていました」
ビアンカが笑いながら俺に書類を渡す。パラパラをめくると、リン国の要人と家族、大使館の人間について書かれていた。
「嫌がってないように見えたなら、その眼鏡新調したほうがいいよ」
「まぁ、そんなイヤミを言えるなんて――。鍛えがいがありますこと」
書類に気をとられて、口を滑らせてしまった。弟の勘がそう言う。
「すみません、眼鏡、お似合いです。鍛えなくていいです……」
クスクスと笑いながらビアンカが忠告してくれる。
「飲み物には気をつけてください。変な味がしたら絶対に飲まないでくださいね」
「毒……ですか?」
「いえ、媚薬とか平気で盛ってくるらしいので」
「やっぱり大使変更してもらってください~」
情けないけれど、俺はビアンカに泣きをいれた。が、もちろん取り合ってくれなかった。
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