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【後日談】そりゃないぜ、魔女様! 3
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「うわぁ!」
一瞬気持ち悪くなった後、目をあけると穴でもなく何故か小さな家の中に立っていた。
目の前にクルクルと踊る妖精が見えること以外、何の変哲もない民家だった。
「妖精?」
「触るな!」
手を伸ばせば鋭い叱咤が飛んできた。
「あ、ごめん」
思わず謝って振り向くと、女の子が立っていた。
「それは火の精霊なんだ。見えるものが触るとやけどすることがある」
「見えない人もいるってこと?」
「そうだ。お前は……誰だ? リスホードの守護がかかってるようだが」
ミッチェルより年下の女の子にお前と言われて驚いた。けれど、何故か腹が立たなかった。金色の髪に青い瞳がクロードに似ていて親近感がわいたせいかもしれない。もしかして義父エリオット様の隠し子だろうか。
「リスホードの守護?」
「リスホードの血に流れる竜の守護だ」
「竜?」
俺は結構まぬけな顔をしていると思う。でも竜だぞ、竜。
「血、というには薄いんだが……。女ならともかく男だしな。精子を体内に受けたわけでもあるまいし」
「ぶはっ!」
十五くらいの女の子に精子とか言われて驚きと羞恥で思わず吹いてしまった。
「汚いぞ」
「ご、ごめん……。俺はリスホードの跡継ぎ、クロードのパートナーだ」
「パートナー?」
「つまり奥さんてことだ」
若奥様と呼ばれるのもそうだが、王都以外では結構普通に奥様とか言われるのだそうだ。王都暮らしの俺は馴染みがないが。
「お前は男に見えるんだが……」
「男だよ。大貴族の跡継ぎのパートナーが男っていうのは珍しいけれど、別に今の時代そんなに驚くほどのことじゃないだろ」
目をこぼれんばかりに見開いた少女は頭を押さえて「うーん」と唸った。
「驚いてるな……。君はエリオット様の子供なのかな?」
「エリオット? 誰だ」
こんなに似てるのに、違うのか。まさかクロードの隠し子じゃないよな? 年齢的に。
「侯爵家のご当主様だよ」
「ほう、今の当主はエリオットというのか。なら、クロードは跡継ぎでは?」
少女は泣きそうな顔で、そう言った。
「そうだけど……」
「でもお前は男だから子供が産めない……。だから来たのか、仕方ない。我が力の限りでそなたに――」
ピカッと目の前が光って、身体がとてつもなく痛んだ。
「ぐぅ……、何を――」
膝をついて吐きそうなのを堪えた。
「子供を作るには子宮が必要だからな」
「子宮?」
「そなたの腸の奥に子宮を作っておいた。大丈夫だ。竜の身体を人間に作り替えることに比べればなんてことはない。ただ、それは一回しかもたぬ。子供は一人しかできないのだ、許せ――」
「許せるか――!」
驚きに痛みが飛んでいった。男なのに子宮を作られて許せですまそうとは。竜? に見えないけれど、酷い。
「何を怒っておるのだ?」
「勝手に身体を作り替えられて怒らずにいられるか!」
「はは、細かいのぅ。そうそう、相手はリスホードの血をひくものでなければ子供は育たぬぞ」
「クロード以外とHするか!」
「嫁はそれくらい清楚でなくてはな……」
グッと息を飲んで噎せた。
清楚、清楚、清楚。
「あんた、何て名前なの?」
妖精さんではないだろう。
「私か? 私の名前は魔女様だ。本当の名前はもうないのだ」
少し寂しげに笑った顔が、やはりクロード達に似ていた。
「魔女様……。元にもどしてくれ! 子宮はいらないんだ」
「無茶を言うな。身体を元になどできるものか」
「無茶はお前だ――!」
思わず怒鳴りつけてしまった。クラクラする。頭が痛い。
「今時の嫁は、怒りっぽくてかなわぬ」
勝手なことをいう魔女様にもの申さずにはいられなかったが、俺の身体は限界だったみたいに崩れ落ちた。
一瞬気持ち悪くなった後、目をあけると穴でもなく何故か小さな家の中に立っていた。
目の前にクルクルと踊る妖精が見えること以外、何の変哲もない民家だった。
「妖精?」
「触るな!」
手を伸ばせば鋭い叱咤が飛んできた。
「あ、ごめん」
思わず謝って振り向くと、女の子が立っていた。
「それは火の精霊なんだ。見えるものが触るとやけどすることがある」
「見えない人もいるってこと?」
「そうだ。お前は……誰だ? リスホードの守護がかかってるようだが」
ミッチェルより年下の女の子にお前と言われて驚いた。けれど、何故か腹が立たなかった。金色の髪に青い瞳がクロードに似ていて親近感がわいたせいかもしれない。もしかして義父エリオット様の隠し子だろうか。
「リスホードの守護?」
「リスホードの血に流れる竜の守護だ」
「竜?」
俺は結構まぬけな顔をしていると思う。でも竜だぞ、竜。
「血、というには薄いんだが……。女ならともかく男だしな。精子を体内に受けたわけでもあるまいし」
「ぶはっ!」
十五くらいの女の子に精子とか言われて驚きと羞恥で思わず吹いてしまった。
「汚いぞ」
「ご、ごめん……。俺はリスホードの跡継ぎ、クロードのパートナーだ」
「パートナー?」
「つまり奥さんてことだ」
若奥様と呼ばれるのもそうだが、王都以外では結構普通に奥様とか言われるのだそうだ。王都暮らしの俺は馴染みがないが。
「お前は男に見えるんだが……」
「男だよ。大貴族の跡継ぎのパートナーが男っていうのは珍しいけれど、別に今の時代そんなに驚くほどのことじゃないだろ」
目をこぼれんばかりに見開いた少女は頭を押さえて「うーん」と唸った。
「驚いてるな……。君はエリオット様の子供なのかな?」
「エリオット? 誰だ」
こんなに似てるのに、違うのか。まさかクロードの隠し子じゃないよな? 年齢的に。
「侯爵家のご当主様だよ」
「ほう、今の当主はエリオットというのか。なら、クロードは跡継ぎでは?」
少女は泣きそうな顔で、そう言った。
「そうだけど……」
「でもお前は男だから子供が産めない……。だから来たのか、仕方ない。我が力の限りでそなたに――」
ピカッと目の前が光って、身体がとてつもなく痛んだ。
「ぐぅ……、何を――」
膝をついて吐きそうなのを堪えた。
「子供を作るには子宮が必要だからな」
「子宮?」
「そなたの腸の奥に子宮を作っておいた。大丈夫だ。竜の身体を人間に作り替えることに比べればなんてことはない。ただ、それは一回しかもたぬ。子供は一人しかできないのだ、許せ――」
「許せるか――!」
驚きに痛みが飛んでいった。男なのに子宮を作られて許せですまそうとは。竜? に見えないけれど、酷い。
「何を怒っておるのだ?」
「勝手に身体を作り替えられて怒らずにいられるか!」
「はは、細かいのぅ。そうそう、相手はリスホードの血をひくものでなければ子供は育たぬぞ」
「クロード以外とHするか!」
「嫁はそれくらい清楚でなくてはな……」
グッと息を飲んで噎せた。
清楚、清楚、清楚。
「あんた、何て名前なの?」
妖精さんではないだろう。
「私か? 私の名前は魔女様だ。本当の名前はもうないのだ」
少し寂しげに笑った顔が、やはりクロード達に似ていた。
「魔女様……。元にもどしてくれ! 子宮はいらないんだ」
「無茶を言うな。身体を元になどできるものか」
「無茶はお前だ――!」
思わず怒鳴りつけてしまった。クラクラする。頭が痛い。
「今時の嫁は、怒りっぽくてかなわぬ」
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