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【後日談】そりゃないぜ、魔女様! 5
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「まずは体液だ」
ブハッ! と噴いたが、もうどちらも慣れたもので無言で魔女様の顔をパジャマの袖で拭いた。悪気はないんだ。
「血液でもいいんだぞ」
「ハードルが高いな……」
見た目は少女だけどさすが年の功、魔女様は照れもしない。
「それをこれにいれて」
瓶を渡された。
「わかった……」
できないことはないだろう。口でしてやって、ここに吐き出せばいい。
「後は髪の毛だな」
「本当に呪いみたいだな」
「祝福だというのに!」
ごめん、心の声が漏れただけなんだ。
「もしかして……ユナの母親にもそれを言ったの?」
「ユナ?」
「ここで侍女をしてる子の母親が妖精に願い事を聞いてもらったんだって。それを聞いて、俺もクロードの絶倫をなんとかならないかと魔女様の家? のあたりを探してたんだ」
「ああ、妖精な。たまに間違われるんだ。新月の夜は存在があやふやになってな。その時に時折願い事をされるんだ。髪の毛は媒体になりやすいから言っただろうな。後は本気度を見るために一ヶ月身につけた下着とか毎日樫の木にキスをしろとかな。私は嘘を見破れるからそういうのを言いつける。後は、相手の気持ちも確かめてから『何故かしら? 意識してしまうわ』みたいなおまじないをしてやるのさ」
「樫の木にキスするのとひと月同じ下着を履き続けるのじゃ随分と……」
「どちらも本気でないとできなさいさ」
「そうかな?」
「樫の木にキスなんて、雨の日だったら億劫だし、気持ちがなければ忘れてしまうだろう?」
「ああ、そっか。それはあるな。反対に下着は早く脱ぎたいから忘れられないしな」
魔女様は少し遠い目をした。
「それがそうでもないぞ。可哀想だから浄化の魔法はかけてやったんだが……男の場合結構平気だったな」
嫌だ、そんなやつ。一緒にはなれない。
「後、そなたの魔法には大事な者がある。それが一番のネックかもな」
魔女様はそう言って首を傾げた。
「まぁお前がどれだけ信用されてるかを図るにはちょうどいいかもしれないが……」
「なに? 何が必要なんだ」
魔女様は口元に笑みを浮かべて言った。
「家宝だ――」
……ここにあるのか?
「家宝って何があるんだ? 俺は花嫁修行する時間がなかったからそのへんは全然わからないぞ」
「私の髭だ――」
「お前、女に見えたけど実は男だったのか!」
確かに胸は平たいけど。
「馬鹿もん! 竜だったときのだ。竜は女というか雌にも髭があるんだ。髭でつくったかき混ぜ棒が家宝にあるはずだ。どんな高温にも耐える。どんな腐食にも耐える素晴らしい一品なんだが、家宝としてまつられててな……。もう私は竜にはもどれぬから髭を抜くわけにもいかないし……。今度の魔法には必要なんだが……」
チラッと横目で俺を見る。
「ここの屋敷にあるのか?」
「多分……」
絶倫を普通にしたいんだと言ってもクロードは頷かないだろう。と、なれば……。
「魔女様は子孫に姿を見せるつもりあるの? 隠れてるなら……」
「別に子孫に隠してるわけではない。ただ、いつまでもご先祖様に家にいられても困るだろうと思って屋敷を出たんだ……」
「そっか、ここはあんたのうちでもあったんだな……」
「いや、この屋敷は最近……百年位前に建てたんじゃなかったかな。元々は石造りの要塞のような屋敷だったからな」
歴史を見てきたようには見えないこの魔女様をどうやったらクロードに認めさせられるのかそれが問題だ。
「魔女様は薬師として働いてるんだろう? そしたらクロードにヘトヘトにされた俺を元気にしてくれよ。信用を得てから言うんだ。子供ができる魔法があるって」
「……嘘を吐くのか?」
「だって……俺が一週間出歩けないくらいになってるの、魔女様のせいだぞ。少しくらい手伝ってくれたって……」
魔女様が満足するようにと呪いを掛けたんなら魔女様のせいじゃないか。
「……しかたが無いな。それで、私は何をすればいいんだ?」
俺はクロードが帰ってくる日を教えた。それからきっと三日くらいは何とかもつだろう、俺の体力が。ズタボロになったころに『精力剤をもらった』と言って俺が薬を飲んで元気になって、クロードの相手をすればきっとクロードは魔女様を呼ぶだろう。
そこで秘技があると言って、俺の身体を妊娠できるようにする魔法のことを話せばかき混ぜ棒も貸してくれるだろう。多分……。
俺は魔女様と作戦を練って、クロードが帰ってくるのを待った。その間に魔女様は俺に『精力剤』を渡しにきてくれて美味しいケーキを食べて帰っていった。魔女様の村の家も教えてもらったし完璧だ。
ブハッ! と噴いたが、もうどちらも慣れたもので無言で魔女様の顔をパジャマの袖で拭いた。悪気はないんだ。
「血液でもいいんだぞ」
「ハードルが高いな……」
見た目は少女だけどさすが年の功、魔女様は照れもしない。
「それをこれにいれて」
瓶を渡された。
「わかった……」
できないことはないだろう。口でしてやって、ここに吐き出せばいい。
「後は髪の毛だな」
「本当に呪いみたいだな」
「祝福だというのに!」
ごめん、心の声が漏れただけなんだ。
「もしかして……ユナの母親にもそれを言ったの?」
「ユナ?」
「ここで侍女をしてる子の母親が妖精に願い事を聞いてもらったんだって。それを聞いて、俺もクロードの絶倫をなんとかならないかと魔女様の家? のあたりを探してたんだ」
「ああ、妖精な。たまに間違われるんだ。新月の夜は存在があやふやになってな。その時に時折願い事をされるんだ。髪の毛は媒体になりやすいから言っただろうな。後は本気度を見るために一ヶ月身につけた下着とか毎日樫の木にキスをしろとかな。私は嘘を見破れるからそういうのを言いつける。後は、相手の気持ちも確かめてから『何故かしら? 意識してしまうわ』みたいなおまじないをしてやるのさ」
「樫の木にキスするのとひと月同じ下着を履き続けるのじゃ随分と……」
「どちらも本気でないとできなさいさ」
「そうかな?」
「樫の木にキスなんて、雨の日だったら億劫だし、気持ちがなければ忘れてしまうだろう?」
「ああ、そっか。それはあるな。反対に下着は早く脱ぎたいから忘れられないしな」
魔女様は少し遠い目をした。
「それがそうでもないぞ。可哀想だから浄化の魔法はかけてやったんだが……男の場合結構平気だったな」
嫌だ、そんなやつ。一緒にはなれない。
「後、そなたの魔法には大事な者がある。それが一番のネックかもな」
魔女様はそう言って首を傾げた。
「まぁお前がどれだけ信用されてるかを図るにはちょうどいいかもしれないが……」
「なに? 何が必要なんだ」
魔女様は口元に笑みを浮かべて言った。
「家宝だ――」
……ここにあるのか?
「家宝って何があるんだ? 俺は花嫁修行する時間がなかったからそのへんは全然わからないぞ」
「私の髭だ――」
「お前、女に見えたけど実は男だったのか!」
確かに胸は平たいけど。
「馬鹿もん! 竜だったときのだ。竜は女というか雌にも髭があるんだ。髭でつくったかき混ぜ棒が家宝にあるはずだ。どんな高温にも耐える。どんな腐食にも耐える素晴らしい一品なんだが、家宝としてまつられててな……。もう私は竜にはもどれぬから髭を抜くわけにもいかないし……。今度の魔法には必要なんだが……」
チラッと横目で俺を見る。
「ここの屋敷にあるのか?」
「多分……」
絶倫を普通にしたいんだと言ってもクロードは頷かないだろう。と、なれば……。
「魔女様は子孫に姿を見せるつもりあるの? 隠れてるなら……」
「別に子孫に隠してるわけではない。ただ、いつまでもご先祖様に家にいられても困るだろうと思って屋敷を出たんだ……」
「そっか、ここはあんたのうちでもあったんだな……」
「いや、この屋敷は最近……百年位前に建てたんじゃなかったかな。元々は石造りの要塞のような屋敷だったからな」
歴史を見てきたようには見えないこの魔女様をどうやったらクロードに認めさせられるのかそれが問題だ。
「魔女様は薬師として働いてるんだろう? そしたらクロードにヘトヘトにされた俺を元気にしてくれよ。信用を得てから言うんだ。子供ができる魔法があるって」
「……嘘を吐くのか?」
「だって……俺が一週間出歩けないくらいになってるの、魔女様のせいだぞ。少しくらい手伝ってくれたって……」
魔女様が満足するようにと呪いを掛けたんなら魔女様のせいじゃないか。
「……しかたが無いな。それで、私は何をすればいいんだ?」
俺はクロードが帰ってくる日を教えた。それからきっと三日くらいは何とかもつだろう、俺の体力が。ズタボロになったころに『精力剤をもらった』と言って俺が薬を飲んで元気になって、クロードの相手をすればきっとクロードは魔女様を呼ぶだろう。
そこで秘技があると言って、俺の身体を妊娠できるようにする魔法のことを話せばかき混ぜ棒も貸してくれるだろう。多分……。
俺は魔女様と作戦を練って、クロードが帰ってくるのを待った。その間に魔女様は俺に『精力剤』を渡しにきてくれて美味しいケーキを食べて帰っていった。魔女様の村の家も教えてもらったし完璧だ。
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