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拓夢の話3

帰宅…

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家に帰ってきた俺は、あるメッセージを見つめていた。

【了解!よろしく】とだけ送信した。

凛の人生を少しでも変えれるかもしれない。そう思えるだけで、嬉しかった。

ブー、ブー

「もしもし」

『久しぶり』

「うん」

『今から、会えない?』

「今から?」

『もう、家の前にいる』

「わかった」

俺は、玄関のドアを開けに行った。

ガチャ……

「久しぶり」

「たっちゃん、久しぶり」

「美沙、何で家知ってるの?ってか、お見合いしたんだろ?」

「とりあえず、あげてよ」

「あっ、ごめん」

俺は、美沙を家に上げた。ダイニングに美沙は、腰かけると手に持っていた紙袋をテーブルに置いた。

「珈琲買ってきたの!懐かしいでしょ?大好きなとこのだよ」

そう言って、差し出された。

「だから、何で美沙が俺の家知ってるんだ?」

「智君に聞いたから」

そう言われて、俺の顔は強ばった。

「バンド抜けたんでしょ?今、美沙が働いてる所の営業として働いてるよ!美沙は、店舗任されてるから!それで、智君に会って…。話聞いたの」

「そっか」

俺は、美沙から珈琲を受け取って飲み始める。

「たっちゃん達、解散するんでしょ?」

「えっ?」

「智君が、声かけられてる事務所に連絡して聞いたんだって」

「それで、智に何か言われたから美沙が来たの?」

「違うよ」

「じゃあ、何?」

美沙は、俺の目をジッーと見つめる。

「美沙ね、やり直したいの!たっちゃんと…」

「どうして?」

美沙は、立ち上がって俺の横に座った。

「たっちゃんの赤ちゃん、駄目になったからだよ!だから、美沙。お見合い相手に振られたんだよ」

「嘘だろ?」

「嘘なわけない」

「だって…俺」

「避妊してたけど、絶対なんてないんだよ!現に美沙は、妊娠しちゃったから」

「俺に結婚しろって事を言ってるの?」

「やり直してって言ってるだけだよ」

美沙は、俺の手を握りしめてくる。

「やり直した先は、結婚だろ?」

「当たり前じゃない!責任とってよ!美沙、傷ものになったんだよ。お母さんとお父さんにも、怒られたんだよ。お見合い駄目にしてって」

美沙は、ポロポロ泣き出してしまった。俺は、美沙を抱き締める。

「ごめん。少しだけ時間が欲しい」

「少しって?」

「三日でいいから、お願い」

「好きな人いるの?」

「どうして?」

美沙は、俺から離れた。

「三日って好きな人がいるんでしょ?」

「ち、違う!智が抜けて、バンドの事悩んでたりとか」

「嘘」

「本当だよ!美沙」

「じゃあ、証明して」

「証明?」

「今すぐ、美沙を抱いてよ!たっちゃん」

「わかった」

美沙は、俺を知っている。俺は、気持ちが乗らないと出来ない人間だった。でも、美沙を…

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