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凛の話12
拓夢の荷物
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私は、拓夢の荷物を持つ約束をした。私は、拓夢に蓮見君の話を渡した。代わりに、拓夢のまっつんさんのお母さんの話を代わりに預かった。もう二度とその蓋を開かない約束を交わした。
拓夢は、私と同じでそれが嫌いだと言った。私にもわかるよ。覗き込まれる側も覗き込むように見れる側も嫌なんだよね。
拓夢は、まっつんさんの母親に会った話をしてくれる。目の色が消えてく。私は、拓夢の話を聞いて泣いていた。拓夢は、私に会うまで自分に嫌悪しかなかったと言った。わかるよ…。私も同じだった。
龍ちゃんを裏切ってる罪悪感に押し潰されそうだったから…。だけど、私は龍ちゃんを失いたくなくて平気なフリをした。私は、暫く拓夢を抱き締めていた。辛くて、悲しい気持ちがわかるから…。私も蓮見君をぞんざいに扱えたら、どれだけよかっただろうか…。
拓夢は、私から離れる。
自分は、大丈夫だから凛君の所に行っていいと言ってくれる。私は、拓夢が心配だった。剥き出しにした心のままの拓夢を一人には出来ない。だけど、拓夢は凛君と約束したから、行けと言った。私は、拓夢についてきてと頼んだ。帰りは一緒に帰れるか尋ねたけどどうかなと言われてしまった。私は、拓夢がいなくなってしまう気がした。心配するなって拓夢が笑った顔を見て私は頷いた。拓夢に預けたお陰で、心も体も驚く程軽くなった。拓夢は、私を引き寄せてキスをしてくる。
「今なら飛べるかも」その拓夢の言葉が私には理解できる。ずっと、重い鎖に繋がれているみたいだった。だけど、もう大丈夫。私と拓夢が出会ったのは、互いの荷物を預かる為なんだ。拓夢は、私の頬に手を当てて涙を拭ってくれる。
私は、拓夢と凛君の場所に行く。
ビー。
凛君が現れた。私は、凛君に「今日は一緒にいるから」と話しかける。凛君の母親が私に凄い剣幕で怒っていた。私は、何も言えなかった。
ただ、黙ってるだけの私を凛君や拓夢が庇ってくれていた。大人なのに、情けなくて堪らなかった。凛君の母親が出て行って、拓夢が追うようにいなくなってしまった。凛君と二人になるのが、何となく気まづい。
「凛さんのお酒、何本か母さんが飲んじゃってごめんね」
「ううん」
「星村さんと寝たの?」
凛君は、私の前に立ってそう言ってくる。
「何の話?」
心臓が飛び出してきそうな程、ドクドクいってるのがわかる。凛君は、私の手を握りしめる。
「別に、隠さなくてもいいよね!星村さんとしたんでしょ?」
「どうして」
「さっきと雰囲気が違ってるように感じたから」
凛君の鋭さに、私は目を合わせずに俯いていた。
拓夢は、私と同じでそれが嫌いだと言った。私にもわかるよ。覗き込まれる側も覗き込むように見れる側も嫌なんだよね。
拓夢は、まっつんさんの母親に会った話をしてくれる。目の色が消えてく。私は、拓夢の話を聞いて泣いていた。拓夢は、私に会うまで自分に嫌悪しかなかったと言った。わかるよ…。私も同じだった。
龍ちゃんを裏切ってる罪悪感に押し潰されそうだったから…。だけど、私は龍ちゃんを失いたくなくて平気なフリをした。私は、暫く拓夢を抱き締めていた。辛くて、悲しい気持ちがわかるから…。私も蓮見君をぞんざいに扱えたら、どれだけよかっただろうか…。
拓夢は、私から離れる。
自分は、大丈夫だから凛君の所に行っていいと言ってくれる。私は、拓夢が心配だった。剥き出しにした心のままの拓夢を一人には出来ない。だけど、拓夢は凛君と約束したから、行けと言った。私は、拓夢についてきてと頼んだ。帰りは一緒に帰れるか尋ねたけどどうかなと言われてしまった。私は、拓夢がいなくなってしまう気がした。心配するなって拓夢が笑った顔を見て私は頷いた。拓夢に預けたお陰で、心も体も驚く程軽くなった。拓夢は、私を引き寄せてキスをしてくる。
「今なら飛べるかも」その拓夢の言葉が私には理解できる。ずっと、重い鎖に繋がれているみたいだった。だけど、もう大丈夫。私と拓夢が出会ったのは、互いの荷物を預かる為なんだ。拓夢は、私の頬に手を当てて涙を拭ってくれる。
私は、拓夢と凛君の場所に行く。
ビー。
凛君が現れた。私は、凛君に「今日は一緒にいるから」と話しかける。凛君の母親が私に凄い剣幕で怒っていた。私は、何も言えなかった。
ただ、黙ってるだけの私を凛君や拓夢が庇ってくれていた。大人なのに、情けなくて堪らなかった。凛君の母親が出て行って、拓夢が追うようにいなくなってしまった。凛君と二人になるのが、何となく気まづい。
「凛さんのお酒、何本か母さんが飲んじゃってごめんね」
「ううん」
「星村さんと寝たの?」
凛君は、私の前に立ってそう言ってくる。
「何の話?」
心臓が飛び出してきそうな程、ドクドクいってるのがわかる。凛君は、私の手を握りしめる。
「別に、隠さなくてもいいよね!星村さんとしたんでしょ?」
「どうして」
「さっきと雰囲気が違ってるように感じたから」
凛君の鋭さに、私は目を合わせずに俯いていた。
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