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エピローグ【凛の話1】

あっさりしてるんだね

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歯磨きをしながら、さっきの時間を思い出していた。短い時間だったけど、私の中に拓夢がハッキリと存在していた。
グチュグチュと口をゆすいだ。

もう、終わっちゃうんだ。私は、リビングに戻ってきた。スマホを持って確認する。全く読まれないメッセージ。

「あっさりしてるんだね」

私が、引きずっているのに拓夢は特に何も感じていないんだって思った。いや、眠ってしまったのかも?そんな筈ない。

「あー、もう!寝る寝る」

私は、首を横に振って寝室に向かった。寝室につくとパジャマに着替えて龍ちゃんの隣に起こさないようにそっと寝転がった。

「おやすみ、龍ちゃん」

私は、毛布をかぶって目を閉じる。





「うーん」

暖かさを感じて、私は目覚めた。

「起こした?」

どうやら、龍ちゃんに抱き締められていたようだった。

「おはよう」

うまく目が開けられないまま、そう言った。

「おはよう!昨夜は、遅かった?」

「あ、うん」

「打ち上げ的なやつ?」

「まぁ、そんな感じ」

夫以外の人に抱かれていたなどと口が裂けても言えやしない。

「もう、帰ってこないのかと思った」

「そんなわけない」

「そうだよな!水飲む?」

「あー、うん。トイレ行く」

龍ちゃんは、そう言った私の耳元で囁く。

「愛してる」

「うん」

龍ちゃんは、パジャマの上から胸を触ってくる。

「龍ちゃん、トイレ」

「わかってる」

私の言葉に離れた。

私は、ゆっくり起き上がるとトイレへと向かった。まだ、朝の四時だった。龍ちゃん、早く寝たんだ。トイレに行った帰りに洗面所で口をゆすいだ。寝室に戻る途中で、キッチンで水を飲んだ。私は、龍ちゃんの元に戻った。

「早起きだね」

「うん。昨夜は、八時半には寝たから」

「そうなんだね」

「うん」

私は、ベッドに入る。龍ちゃんは、私を抱き締めてくる。

「もう少し寝たい」

「いいよ」

「今日は、何時に帰ってくる?」

「少し遅いかも」

「わかった」

龍ちゃんは、私の体をくるりと反転させて後ろから抱き締めてくる。

「おやすみ」

私は、龍ちゃんの手を取って胸にもっていく。

「凛?」

「そのまま抱いて」

「朝から?」

「朝だから」

「時間かかるよ」

「大丈夫、すぐで」

私は、龍ちゃんの手を取ってズボンに持っていく。忘れたいとか忘れたくないとかじゃない。私は、皆月龍次郎を選んだ。だから、体にしっかりと龍ちゃんをつけて欲しい。

「凛」

「龍ちゃん」

私は、もうすでにそうなっていて龍ちゃんは、すぐに私の中に入ってきた。拓夢と違って、すぐに私達は終わった。

「早すぎた?」

「ううん」

これぐらいが、ちょうどいい。
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