彩られる作品【仮】

三愛 紫月 (さんあい しづき)

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それぞれの思い

作品作りと感想

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「こんにちは」

「こんにちは、初めましてRinです。」

「初めまして、しんです。」

「宜しくお願いします」

「宜しくお願いします」

「私は、しんの担当しています。林優依です。」

「宜しくお願いします」

私達は、お互いに挨拶を交わした。

「今回は、どんなお話がいいのでしょうか?」

「不妊をテーマにした作品を私も書いていますので、RINさんも書いていらしたので、そのテーマでお願いしたいんです。」

「わかりました。こちら、資料を読みました。」

「RINさんの経験してる言葉で書いてもらいたいんですが、いいでしょうか?」

「もちろんです。」

「それで、この感じの話が凄くいいと思ったんです」

「読みました。私も、その考えは面白いと思いました。」

「では、是非このテーマで作りましょう」

「はい、宜しくお願いします」

「では、またご連絡します。」

「はい。わかりました」

私は、電話を切った。

「RINさんとの共同制作、楽しみだね」

「うん、楽しみだよ。」

「この話をテーマにしてるんだよ!どうかな?」

「凄いね。いいテーマだと思うよ」

「そうだろ!」

「【欠けたピースは戻らない】を書き上げたばっかりなのにね」

「忙しいよな」

.
.
.
.
.

「しん、ボッーとしすぎだよ」

「あっ、ごめん」

「切羽詰まってる?」

「まだ、三ヶ月はあるから!大丈夫だよ」

「何、考えてたの?」

「これのRINさんとのリモート楽しかったなぁーってね」

「りあのさんとの共同制作も、りあのさんが書いた部分、知っててもわからなかったよ。」

「確かにね」

「凄く、しんの作品をよく読んでるよね。りあのさんは…。だから、どっちが書いたかわからない程の出来映えだよね。それ考えたらRINさんも凄いよね。しんの作品、きちんと読んでるよね。」

「うん、そうだよな!台詞を書いてもらったからね。りあのにも、RINさんにも…。」

「どの台詞かわかってるけど、忘れたフリして見てる。わかってても、わからないんだよね。だから、りあのさんもRINさんも凄いよ。最後は、しんの世界のハッピーエンドにしちゃうんだからしんも凄いよ。」

優依は、そう言って俺を抱き締めた。

「しん、悩んでるんでしょ?新しい作品も、【欠けたピースは戻らない】のコメントも…。」

「俺ね、知ってたんだよ。梨華が、自分が産まれた事に嫌悪感もってるの。それをね、拭ってやりたかったんだけどね…。出来なかったんだよ。その事、絶対書いてくれって言われてさ。本当は、もう一つ書きたい事があったんだけどね。それは、梨華が俺の世界観じゃないって言ってね。ただ、よかったのかなー?って思ったりしてね。梨華は、書いてって言ったんだけどね。後、彼女さんの事も書いてって頼まれたから…」

優依は、俺の腕を掴んだ。

「性に奔放な僕には、嫌悪感を抱く気持ちはよくわからない。だけど、【欠けたピースは戻らない】は、心に響いたよ。本当に何度見ても僕は泣いてる。幼少期についた傷は、拭えないのがわかった。」

「優依が、奥底で自分に嫌悪感抱いてたのを俺は知ってるよ」

「しん…。」

優依は、俺にしがみついた。

「本当は、嫌だったんじゃないの?」

「しん」

「違う?違ったらごめんね」

「しん、僕も嫌だった時あったんだよ。」

「やっぱりね。」

俺は、優依の頬に手を当てる。

「出会った時、優依の心は、磨り減ってたね。もしかして、従兄弟が結婚した後もしてた?」

優依は、俺の言葉に驚いた顔を向けた。

「しん、僕を題材にして」

優依は、そう言って肩に頭を乗せる。

「って事は………。」

「奥さんが、妊娠してる時にね。実はね。しん、軽蔑してる?軽蔑してるよね?」

「してないよ。不倫したい気持ちはわかるよ。俺にもわかるよ。」

「でも、しんはしないでしょ?」

「しないよ。俺は、臆病者だから…。」

「臆病者だからじゃないよ。誰かを傷つけたくないからでしょ?僕は、従兄弟の奥さんを傷つけたでしょ。」

「言いなりになるしかなかったんだろ?優依」

「しん」

優依は、涙目で俺に抱きついてきた。

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