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嘘つきな人
さよならと再会
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大学生になった私は、学校の先生を目指した。
私は、歩君と一緒に生活をし始めた。
しかし、疲れていく私達。
生活をする事は、楽しい事ばかりじゃなくて…。
少しずつ、私達はすれ違っていった。
ゆっくりとゆっくりと…。
卒業する時には、私達は完全にすれ違っていた。
「別れようか、加奈枝」
「どうして、飽きたの?もっと、努力するから」
「そうじゃないんだよ」
そう言われて、終わった。
私は、歩君と別れた。
先生をやりながらも、心の空っぽは埋まらなかった。
私は、すれ違っていても歩君と一緒にいて楽しかったし、満たされていた事に、失ってからようやく気づいた。
結局、私は歩君を忘れる為に、たくさんの人と交際をして上書きを重ねた。
気づけば35歳になっていた。
結婚適齢期なんて、あっという間に過ぎていた。
もう、擦りきれていた。
心も体も、そんな日々の中で出会ったのが、前野先生だった。
「素敵ですね、それは、詞ですか?」
「昔、作詞家になりたかったんですよ。才能ないですよね」
「そんな事ないです。」
私は、前野先生に惹かれていった。
すり減った心を埋めていける気がした。
前野先生と生きて行きたいと思った。
「友作さん、何食べたい?」
「ラザニア」
「えー。作れるかな?」
「頑張ってみてくれる?加奈枝」
学校では、前野先生で帰宅すると友作さんって呼んでいた。
幸せだった。
歩君と別れて、やっと満たされた。
私は、前野先生と結婚しよう。
プロポーズされたら、OKして。
子供は、出来なくたって二人で幸せに生きて行きたい。
そう、思いながら友作さんとの日々を過ごして一年半が立ったある日の出来事だった。
「加奈枝」
私の前に、歩君が現れた。
「久しぶり」
「元気だった?加奈枝」
「元気だったよ」
「嘘ついてる、加奈枝」
「嘘じゃない」
「俺との約束も、守ってなかったでしょ?裏切るなって言ったのに」
「そんなの無理に決まってるじゃない。歩君だけを思ってなんかいれないよ」
「待って」
立ち去ろうとした腕を掴まれた。
歩君のこの手に触れられたら拒むことなんて出来ない。
私は、友作さんを裏切った。
「加奈枝、上手になったな」
「歩君、こそ」
「歩って呼んでくれよ」
「歩」
「向こうでの仕事が、まだ残ってるから3ヶ月後戻るんだよ。それまで、会えないかな?」
頷いてしまった。
だって、いったん歩の温もりを知ってしまえば、離れるなんて出来なかった。
もう、手放したくなかった。
後ろから、抱き締められて首筋に息がかかる。
「可愛いな、加奈枝」
「そんな事ないよ」
「可愛いよ、すごく可愛い。会いたかったよ、加奈枝」
その言葉に、引き寄せられるようにキスをした。
ポッカリと空いた穴を塞ぐのは、歩しかいなかった。
初めては、特別だった。
私は、歩から放れたくなかった。
何食わぬ顔をして、友作さんの家に言った。
平然と友作さんに、抱かれて帰宅した。
「こっちにいる間は、うちに泊まってよ」
「彼氏がいるの」
「そんなのどうだっていい、加奈枝を感じたい」
「歩は、結婚は?彼女は?」
「いないし、してない。結婚するなら、加奈枝しか考えられなかった。あれから俺、色んな人と付き合ったんだよ。でも、加奈枝と別れて空いた穴を埋める人なんか一人も現れなかったんだ。加奈枝じゃなきゃ無理なんだ。」
「なぜ、ここに?」
「加奈枝のご両親、まだあのマンションにいるだろ?だから、お母さんに聞いた」
「そうだったんだ。お母さんも、今は家にいるから。昔より仲良くなったの」
「よかったな。加奈枝」
歩に抱き締められると、身体中が歩を求めた。
私は、友作さんと会って歩の家に帰る生活をする事に決めた。
身体にピッタリとフィットする感覚は、歩としか感じられなかった。
「加奈枝」
「歩」
イケナイ事なのは、わかっていた。
それでも、私は、友作さんと別れずにいた。
私は、歩君と一緒に生活をし始めた。
しかし、疲れていく私達。
生活をする事は、楽しい事ばかりじゃなくて…。
少しずつ、私達はすれ違っていった。
ゆっくりとゆっくりと…。
卒業する時には、私達は完全にすれ違っていた。
「別れようか、加奈枝」
「どうして、飽きたの?もっと、努力するから」
「そうじゃないんだよ」
そう言われて、終わった。
私は、歩君と別れた。
先生をやりながらも、心の空っぽは埋まらなかった。
私は、すれ違っていても歩君と一緒にいて楽しかったし、満たされていた事に、失ってからようやく気づいた。
結局、私は歩君を忘れる為に、たくさんの人と交際をして上書きを重ねた。
気づけば35歳になっていた。
結婚適齢期なんて、あっという間に過ぎていた。
もう、擦りきれていた。
心も体も、そんな日々の中で出会ったのが、前野先生だった。
「素敵ですね、それは、詞ですか?」
「昔、作詞家になりたかったんですよ。才能ないですよね」
「そんな事ないです。」
私は、前野先生に惹かれていった。
すり減った心を埋めていける気がした。
前野先生と生きて行きたいと思った。
「友作さん、何食べたい?」
「ラザニア」
「えー。作れるかな?」
「頑張ってみてくれる?加奈枝」
学校では、前野先生で帰宅すると友作さんって呼んでいた。
幸せだった。
歩君と別れて、やっと満たされた。
私は、前野先生と結婚しよう。
プロポーズされたら、OKして。
子供は、出来なくたって二人で幸せに生きて行きたい。
そう、思いながら友作さんとの日々を過ごして一年半が立ったある日の出来事だった。
「加奈枝」
私の前に、歩君が現れた。
「久しぶり」
「元気だった?加奈枝」
「元気だったよ」
「嘘ついてる、加奈枝」
「嘘じゃない」
「俺との約束も、守ってなかったでしょ?裏切るなって言ったのに」
「そんなの無理に決まってるじゃない。歩君だけを思ってなんかいれないよ」
「待って」
立ち去ろうとした腕を掴まれた。
歩君のこの手に触れられたら拒むことなんて出来ない。
私は、友作さんを裏切った。
「加奈枝、上手になったな」
「歩君、こそ」
「歩って呼んでくれよ」
「歩」
「向こうでの仕事が、まだ残ってるから3ヶ月後戻るんだよ。それまで、会えないかな?」
頷いてしまった。
だって、いったん歩の温もりを知ってしまえば、離れるなんて出来なかった。
もう、手放したくなかった。
後ろから、抱き締められて首筋に息がかかる。
「可愛いな、加奈枝」
「そんな事ないよ」
「可愛いよ、すごく可愛い。会いたかったよ、加奈枝」
その言葉に、引き寄せられるようにキスをした。
ポッカリと空いた穴を塞ぐのは、歩しかいなかった。
初めては、特別だった。
私は、歩から放れたくなかった。
何食わぬ顔をして、友作さんの家に言った。
平然と友作さんに、抱かれて帰宅した。
「こっちにいる間は、うちに泊まってよ」
「彼氏がいるの」
「そんなのどうだっていい、加奈枝を感じたい」
「歩は、結婚は?彼女は?」
「いないし、してない。結婚するなら、加奈枝しか考えられなかった。あれから俺、色んな人と付き合ったんだよ。でも、加奈枝と別れて空いた穴を埋める人なんか一人も現れなかったんだ。加奈枝じゃなきゃ無理なんだ。」
「なぜ、ここに?」
「加奈枝のご両親、まだあのマンションにいるだろ?だから、お母さんに聞いた」
「そうだったんだ。お母さんも、今は家にいるから。昔より仲良くなったの」
「よかったな。加奈枝」
歩に抱き締められると、身体中が歩を求めた。
私は、友作さんと会って歩の家に帰る生活をする事に決めた。
身体にピッタリとフィットする感覚は、歩としか感じられなかった。
「加奈枝」
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イケナイ事なのは、わかっていた。
それでも、私は、友作さんと別れずにいた。
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