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友達でいる方法なら知ってる
静馬の話①
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「まただよ!実家に息子連れて帰ってさ」
「大変だな」
「だろ?静馬も早く結婚しろよ!回避できる方法とか一緒に調べられたり出来るだろ」
「ハハ、僕はまだいいよ」
「そんな事言ってるとすぐにじじぃだぞ!」
「そうだね」
僕の名前は、江島静馬。今年、35歳を迎えた。彼は、4歳から幼馴染みの浜野俊太。
俊太は、5年前に結婚した。
そして、2年前に子供が産まれた。
それから、度々奥さんが実家に帰るんだ。
「もう、寝るならベッドだよ」
ドサッ…
そして、僕の家にやってきて愚痴を言って泊まるんだ。
「悪い!顔近いな」
「それは、俊太が」
「静馬って綺麗な顔してるよな!女だったら抱くのに」
「出来るよ」
「野郎抱く趣味ないから」
そう言って、すぐに俊太は寝てしまった。
胸のドキドキが静まらなくて、目を閉じては開けてを繰り返して朝を迎えた。
「じゃあ、帰るわ」
朝御飯を食べると帰っていく。
「フフフ」
「そんなにおかしいかよ」
「だって、静馬。結構アピールしてるのにね」
そして、僕は俊太が帰ると5歳下のこの子を呼ぶんだ。
阿藤慎吾、近所のお弁当屋さんの店長だ。
体の関係だけを続けて5年になる。
「静馬、いつになったら僕を好きになってくれる?」
酔うといつもこう言ってくる。
「それ言うなら、もう会わないから…」
「ごめん、嘘だよ」
慎吾は、悲しい顔をした。
「本当に、嘘なの?」
「嘘だから、言わないからだから会わないなんて言わないでよ」
僕は、慎吾を傷つける方法を知ってる。
だって、慎吾は僕そのものだから…。
「わかった、言わないよ」
顔が一瞬で明るくなった。
「よかった!本当に嬉しい」
そう言って僕を抱き締めてくる。
でも、今日の慎吾は少し様子が違っていた。
後ろから、僕を抱き締める。
「静馬、僕ね。もうね、無理なのかなって」
「何が?」
「ずっとね、胸がね。苦しくてね。堪らないんだ」
「じゃあ、やめようか?」
「そんな簡単に言わないでよ」
「苦しいなら、やめればいいんじゃないか?わざわざ、ずっといる必要ないだろ?」
「何で、そんな言い方するんだよ」
「慎吾から言ってきたんだろ?」
「静馬」
「じゃあ、慎吾は僕にどうして欲しいんだよ」
そう言って、振り返った慎吾の目は真っ黒だった。
絶望の色をしていた。
まるで、あの日の僕みたいだった。
「静馬、待って。ちょっと、急に振り向かないでよ。やだなー」
頑張って、取り繕って、嫌われないようにするんだ。
やめようって言われたくなくて、精一杯笑うんだ。
まるで、本当にあの日の僕…。
「大変だな」
「だろ?静馬も早く結婚しろよ!回避できる方法とか一緒に調べられたり出来るだろ」
「ハハ、僕はまだいいよ」
「そんな事言ってるとすぐにじじぃだぞ!」
「そうだね」
僕の名前は、江島静馬。今年、35歳を迎えた。彼は、4歳から幼馴染みの浜野俊太。
俊太は、5年前に結婚した。
そして、2年前に子供が産まれた。
それから、度々奥さんが実家に帰るんだ。
「もう、寝るならベッドだよ」
ドサッ…
そして、僕の家にやってきて愚痴を言って泊まるんだ。
「悪い!顔近いな」
「それは、俊太が」
「静馬って綺麗な顔してるよな!女だったら抱くのに」
「出来るよ」
「野郎抱く趣味ないから」
そう言って、すぐに俊太は寝てしまった。
胸のドキドキが静まらなくて、目を閉じては開けてを繰り返して朝を迎えた。
「じゃあ、帰るわ」
朝御飯を食べると帰っていく。
「フフフ」
「そんなにおかしいかよ」
「だって、静馬。結構アピールしてるのにね」
そして、僕は俊太が帰ると5歳下のこの子を呼ぶんだ。
阿藤慎吾、近所のお弁当屋さんの店長だ。
体の関係だけを続けて5年になる。
「静馬、いつになったら僕を好きになってくれる?」
酔うといつもこう言ってくる。
「それ言うなら、もう会わないから…」
「ごめん、嘘だよ」
慎吾は、悲しい顔をした。
「本当に、嘘なの?」
「嘘だから、言わないからだから会わないなんて言わないでよ」
僕は、慎吾を傷つける方法を知ってる。
だって、慎吾は僕そのものだから…。
「わかった、言わないよ」
顔が一瞬で明るくなった。
「よかった!本当に嬉しい」
そう言って僕を抱き締めてくる。
でも、今日の慎吾は少し様子が違っていた。
後ろから、僕を抱き締める。
「静馬、僕ね。もうね、無理なのかなって」
「何が?」
「ずっとね、胸がね。苦しくてね。堪らないんだ」
「じゃあ、やめようか?」
「そんな簡単に言わないでよ」
「苦しいなら、やめればいいんじゃないか?わざわざ、ずっといる必要ないだろ?」
「何で、そんな言い方するんだよ」
「慎吾から言ってきたんだろ?」
「静馬」
「じゃあ、慎吾は僕にどうして欲しいんだよ」
そう言って、振り返った慎吾の目は真っ黒だった。
絶望の色をしていた。
まるで、あの日の僕みたいだった。
「静馬、待って。ちょっと、急に振り向かないでよ。やだなー」
頑張って、取り繕って、嫌われないようにするんだ。
やめようって言われたくなくて、精一杯笑うんだ。
まるで、本当にあの日の僕…。
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