秘密のdiary【傷と家族】

三愛 紫月 (さんあい しづき)

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日記

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僕は、兄の日記の竹君の事を書いている場所を探した。

あった!これだ。

母親を亡くした後の竹君の事が、書かれてる。

【竹と話す。お母さんがいなくなり、父親からお前は生きてる価値がないと言われたと泣いていた。血の繋がった親なのに、なぜそんな酷いことが言えるのだろうか?】

【竹は、父親から死んでくれればよかったのにと言われたと言う。何で、そんな言い方をされなければいけないのだろうか?】

僕は、ページを捲りながら竹君の話を読んでいた。

気になったページで、とめた。

【竹の父親が、再婚した。竹の家にいる条件は、再婚相手と関わらない事と食事は部屋でとることらしい。竹は、向こう側の世界にはいけないと泣いていた。まるで、画面越しに幸せな家族ドラマを見せられてるようだと笑った。俺は、竹の苦しみをわかってあげられなくてもどかしい。竹は、わからないぐらい幸せな事が一番なんだと言ってくれた。】

竹君は、やっぱり優しい人間だ。

兄が、芽衣子さんの死の話を書いてるページで指をとめた。

【芽衣子の葬儀の異様さ。母親と義理父は楽しそうにしていた。骨壺も捨てていった。一旦、竹が骨壺を持って帰ると言った。帰り道、竹が「俺も今死んだらあんなんやろなぁ、若。」って笑った。俺は、無力や。竹や芽衣子の苦しみや悲しみを理解出来なかった。もし、竹に何かあっても俺がちゃんと引き取るからって言った。竹は、「若の人生の重荷になりたくないから、いらんよ」って笑った。何で、人の事しか考えへんの?】

僕は、その日記に泣いていた。

竹君の苦悩を知り、兄もまたずっと悩んでいた。

僕が、若竹コンビに愛されてるーって調子にのって、鼻高々で
過ごしてた日々の裏で、抱えきれない痛みや辛さと闘っていた二人を知った。

僕は、またページを捲り、読んでいない黒塗りのページで手をとめた。

【八(はち)への気持ちは、消えさったのに俺は、■■とまだしていた。】

この黒塗り部分をたけと読めばいいのだ。

【■■と繋がると、あの日の痛みや苦しみ。■■が抱えてるものが、身体中に流れてくるのを感じる。とめたくない。■■の痛みや苦しみをちゃんとわかってあげたい。頭で考えてもわからなかったから、身体で教えて欲しい。】

僕は、次のページを捲る。

【■■が、好きな子にデートに誘われた。■■は、自分から誘いたかったって言ってた。アホや、俺。隠れてついていった。楽しそうにしてる■■を見てムカつく。女の子と別れた■■に偶然を装って近づいた。一緒に帰る。イライラがおさまらん。■■の家にきた。家族は、旅行に行ったらしい。ムカついたから、家でした。■■は、若、酷いよって泣いた。】

兄は、この日苦しみを感じていたようで、まだ日記が続いていた。

【何が酷いん?って聞いたら、好きな子とせっかくデートした日やから。余韻に浸りたいと言った。俺は、アカンって言ってまたした。■■とこうしてたら、■■の痛みや苦しみが全部俺に流れてきて好きやって言ったら驚いた顔をした。また、くしゃくしゃな顔してええよ、好きにしてって笑った。】

ここにいた兄は、苦しんでいた。

【■■の必要とされたら受け入れるところをわかっていながら俺は…。でも、とめられんくて何度も気持ちをぶつけるようにした。■■が、めちゃくちゃ泣いてしまった。若、好きな子おるやんって言った。俺は、好きな子ができていた。なのに、■■にまた酷い事をした。ごめんって言ったら、謝られたら辛いと泣いた。そして、俺とおったらこんなんばっかりするやん。何でなん?って聞かれた。】

兄が泣きながら書いていたのか、文字が滲んでいた。

【嫌なんって聞いたら、竹はいいねん。でも、若に好きな人が出来て前向けるようなったらやめないとアカンやんって笑う。親友にまた戻ろうや。って、笑った。俺は、まだ無理やって言った。■■は泣いていた。】

兄のその日の日記は長かった。

すごく悩んでいたのがわかった。

僕は、またページを飛ばした。

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