【完結】復讐に燃える帝国の悪役令嬢とそれに育てられた3人の王子と姫におまけ姫たちの恋愛物語<キャラ文芸筆休め自分用>

書くこと大好きな水銀党員

文字の大きさ
29 / 54

王国の姫の意趣返し

しおりを挟む

 シャルティエは学園の廊下を歩き、学園での娘の長期休みの申請で立ち寄る。心踊らず懐かしき学び屋に足を踏み入れた。そんな中で廊下を歩き中庭を見ると歩が止まってしまう。騎士の護衛も一緒に止まりシャルティエの目線を追った。


 中庭では……複数の令嬢と一人の令嬢が喧嘩をしていた。しかし……一人の令嬢は全く引かず。胸を張っている。声を聞いてみると……


「あなた!! 私の婚約者に色目使ったでしょ!!」


「使ってないわ!! 婚約者から来てるの!! 怒るのはお門違いですわ」


 堂々と喧嘩をし……シャルティエは止めに入ろうかと考え。動こうとするとシャルティエを騎士が止めに入る。


「シャルティエさま。私めが行きます」


 そう言い。騎士が止め入ろうとしたとき。一人の令嬢が度胸を持った笑みを溢す。


「ミェースチ女王のように群れずに一人で言い合えないの? 複数人で護って貰えないと何も出来ないの?」


「そ、その名!? あなた!! 王国でその名前は禁句よ!!」


「禁句? 父上、母上……婚約者は皆コッソリと言ってるわよ。ああになれと」


「私も言われるけど。だ、ダメよ。殺されるわ……」


「……はぁ。そうね。ねぇ……嫌なら復讐鬼のお話でもしない?」


「そうね……復讐鬼になられると嫌ね。騎士さまにも見つかったし……お開きよ」


 令嬢達がその名で冷静になり。何事もなかったかのように去っていく。落ち着き、婚約者を〆に行こうと言い合っているの聞きながら今の令嬢たちは逞しいと思う。騎士も戻って来た瞬間は苦笑いをしていた。


「……何事もありませんでしたね」


 シャルティエは手を胸にやり……


「え、ええ……」


 騎士の言葉に答えた。ミェースチの名前に心臓の鼓動が早くなる。


「全く……ミェースチなど。尊敬できる部分はないのにな……そうでしょう女王陛下」


「……そうですね」


 シャルティエは……ぎゅっと拳を握る。そして……心で思う。尊敬できる部分は多いと、羨ましいと思うのだ。聞こえる噂はいつだってきれいに聞こえるから。


「そっか………」


 シャルティエは一つだけ……噂を思い出す。もしかしたら。メイチェルを救う事が出来るのではないかと。







「ふふ。レイチェル姫」


「なによ? なにか?」


「いえ。帝国は楽しみですね」


「そうね……」


 舗装されていない路地を馬車に乗りながら進む中で寒さ対策に着込んだレイチェルは外を見る。これから向かう帝国は冬はすごく冷える場所と聞いており。身構える。王国の商人は素晴らしい場所と言い。王国の貴族は無法者の巣窟と蛮族たちと罵る。


 レイチェルは貴族から悪評しか聞いた居なかったため。そんな蛮族。未開地を想像しげんなりする。


 王国の方が住みやすいのは決まっている。そう、レイチェルは決めつけた。


「楽しくないわよきっと……ただただ復讐に燃えるだけ。母上を後宮に押し込み。母上を見下すあの女にね」


「そうですね。姫様。ですが……最後の時ぐらいは笑って居ましょう」


 使用人兼護衛の騎士がニコニコとし。姫を見つめる。レイチェルはそれを見ながら……胸を当て……落ち着かせようとする。


 死に行くような事を知っている。だが……愛する母のため。愚かに無知な姫様は見下す帝国に政略の道具にされるのだった。







 ウリエルが個室の鍵をかける。そして……重々しい声で用件を伝えた。


「緊急家族会議です。シャルティエ女王の娘であるメイチェル・グローライト姫が来るそうです」


「「「来てしまったか……」」」


 ミカエル、ガブリエル、ラファエルが頭を振る。最悪の結末しか思い付かないためだ。ミカエルがボソッと言い。全員がそれを思い浮かべた。


「絶対に処刑されるよね。俺は……剣で断頭されると思ってしまった」


「ミカエル。私はね……毒でゆっくり悶えて殺されると思ったわ」


「ウリエル……君は? 私は首を絞められてだ」


「ラファエル……先ず。消毒と名目で釜茹でを行い。大火傷の後に回復術士の治療後に拷問室で回復と拷問を繰り返し。意識が薄くなる前に女性として慰め物とされ。最後は四肢切断。その四肢を王国に逐次送り。最後は生きたまま送り返すのではと思ってます。ここまでやるでしょう」


「いや!? ウリエル!! 君はどれだけ残酷なのを想像したんだ!!」


「一番、嫌なものを全て想像したんですよ。ラファエル。わかりますか?」


「わかってたまるか!! 流石に引いたぞ」


「わかっているんです。恐ろしいことだと。昔に母上が喜ぶだろう事を考えてたんです。安心してください。罪を犯さなければ大丈夫です」


「ウリエルお兄様……罪を犯せばそれなんですね……」


「罪人の中の一人に行い。恐怖を植え付けて罪を犯さないようにする見せしめであれば……行うかもしれません」


 ウリエルが大真面目に歪んだ事を言い出し。3人はひきつった。


「まぁそんなことはいいのです。問題はシャルティエ女王の娘です」


「ウリエル!! 可愛いんかな?」


「ラファエル手を出さない」


「わかった。ウリエル兄さん。嫉妬は醜い、いでででで!?」


「骨を折れる音が聞きたいかい?」


「大丈夫!! 大丈夫!! ぎゃあああああああ!!」


「ミカエル。メイチェル姫様はそこそこ可愛いよね?」


「ガブ姉さん。可愛いと思う。まだ幼いけども母親譲りで大人しそうなんだけど。性格はちょっとあれかも」


「わかった。母上に始末してもらおう」


「ガブ姉さん!? 可愛いと言っただけだよ!? 嫉妬の沸点低くない!? お湯にならない水だよそれ!?」


「………よし。3人真面目に考えような。しかし……また母上は城に引きこもった事を考えるに何かあるだろう。それよりも私宛に密書も来ている。これもどうするかを考えないといけない」


 ウリエルが手紙を見せる。差出人は………


「「「シャルティエ女王!?」」」


「内容は娘を死なせないで欲しいとのお願いだ。もちろん偽物かと考えたが本物の王国印であり。驚く事に………王を裏切っての密書だ」


「……裏切っての密書? ウリエル……王国の狙いは……やっぱり」


「ああ。ラファエル……王国の準備が整ったようだ。母上が全く予想外な事をしたが。それの予想通りの事をしようとしている。開戦正当化を」


「かわいそうに…………ミカエルと同じ歳で政略の道具に」


「ガブ姉。俺たちも王国おいてけぼりあったよね。あれも政略だよね」


「だから。同情するの親の玩具で……ウリエルみたいな」


「ガブリエル。親の玩具ではありません」


「喜んで親の玩具になってる気がしたんだけど? ウリエルお兄様?」


「喜んでおりません。ラファエルのあの演説の犠牲者です」


「…………ウリエル。忘れてくれ」


「あれは……俺も拷問だった。ガブ姉もだよね」


「そうね……ミカエル。忘れましょう。耳が溶けるわ」


 話がすぐに脱線しながらも……細かな話をし。メイチェル姫をどうするかを母上に聞きに行くことになった


「誰が聞きに行きますか? 母上と呼ぶのを禁じられておりますので……」


「その母禁止処分いつまでなんですかね? ウリエル……私が行くよ。流石に処分中の兄を行かせるわけにはいかない」


「ラファエルお兄様……気持ちわかります。兄ばかり行かせるのは良くないわ。私が行きます」


「ラファエル兄さん、ガブリエル姉さん……いつもいつも大変な役を俺の代わりにしてくれてありがとう。だけど……今回は行かせない。俺が行きます!!」


「ミカエル、ガブリエル、ラファエル……お前たち……怖いだろうに大きくなって。大丈夫……僕も行こう……」


「「「あっどうぞどうぞ」」」


「……………」


 ウリエルが代表として。いつものように上申者となった。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

お掃除侍女ですが、婚約破棄されたので辺境で「浄化」スキルを極めたら、氷の騎士様が「綺麗すぎて目が離せない」と溺愛してきます

咲月ねむと
恋愛
王宮で侍女として働く私、アリシアは、前世の記憶を持つ転生者。清掃員だった前世の知識を活かし、お掃除に情熱を燃やす日々を送っていた。その情熱はいつしか「浄化」というユニークスキルにまで開花!…したことに本人は全く気づいていない。 ​そんなある日、婚約者である第二王子から「お前の周りだけ綺麗すぎて不気味だ!俺の完璧な美貌が霞む!」という理不尽な理由で婚約破棄され、瘴気が漂うという辺境の地へ追放されてしまう。 ​しかし、アリシアはへこたれない。「これで思う存分お掃除ができる!」と目を輝かせ、意気揚々と辺境へ。そこで出会ったのは、「氷の騎士」と恐れられるほど冷徹で、実は極度の綺麗好きである辺境伯カイだった。 ​アリシアがただただ夢中で掃除をすると、瘴気に汚染された土地は浄化され、作物も豊かに実り始める。呪われた森は聖域に変わり、魔物さえも彼女に懐いてしまう。本人はただ掃除をしているだけなのに、周囲からは「伝説の浄化の聖女様」と崇められていく。 ​一方、カイはアリシアの完璧な仕事ぶり(浄化スキル)に心酔。「君の磨き上げた床は宝石よりも美しい。君こそ私の女神だ」と、猛烈なアタックを開始。アリシアは「お掃除道具をたくさんくれるなんて、なんて良いご主人様!」と、これまた盛大に勘違い。 ​これは、お掃除大好き侍女が、無自覚な浄化スキルで辺境をピカピカに改革し、綺麗好きなハイスペックヒーローに溺愛される、勘違いから始まる心温まる異世界ラブコメディ。

ワンチャンあるかな、って転生先で推しにアタックしてるのがこちらの令嬢です

山口三
恋愛
恋愛ゲームの世界に転生した主人公。中世異世界のアカデミーを中心に繰り広げられるゲームだが、大好きな推しを目の前にして、ついつい欲が出てしまう。「私が転生したキャラは主人公じゃなくて、たたのモブ悪役。どうせ攻略対象の相手にはフラれて婚約破棄されるんだから・・・」 ひょんな事からクラスメイトのアロイスと協力して、主人公は推し様と、アロイスはゲームの主人公である聖女様との相思相愛を目指すが・・・。

そのご寵愛、理由が分かりません

秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。 幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに—— 「君との婚約はなかったことに」 卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り! え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー! 領地に帰ってスローライフしよう! そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて—— 「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」 ……は??? お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!? 刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり—— 気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。 でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……? 夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー! 理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。 ※毎朝6時、夕方18時更新! ※他のサイトにも掲載しています。

自業自得じゃないですか?~前世の記憶持ち少女、キレる~

浅海 景
恋愛
前世の記憶があるジーナ。特に目立つこともなく平民として普通の生活を送るものの、本がない生活に不満を抱く。本を買うため前世知識を利用したことから、とある貴族の目に留まり貴族学園に通うことに。 本に釣られて入学したものの王子や侯爵令息に興味を持たれ、婚約者の座を狙う令嬢たちを敵に回す。本以外に興味のないジーナは、平穏な読書タイムを確保するために距離を取るが、とある事件をきっかけに最も大切なものを奪われることになり、キレたジーナは報復することを決めた。 ※2024.8.5 番外編を2話追加しました!

転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎

水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。 もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。 振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!! え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!? でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!? と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう! 前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい! だからこっちに熱い眼差しを送らないで! 答えられないんです! これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。 または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。 小説家になろうでも投稿してます。 こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

処理中です...