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母上に……問う
しおりを挟むウリエルは城に引き込もっている母を見た。目は赤く腫れているがウリエルは長年から見ているため理由を理解し押し黙る。今はその時じゃないとタイミングが悪いと考え……行動は移さなかった。
「ミェースチ様、お話があります」
「……ウリエル。なに? 姫が来ること?」
「ご存知でしたか……」
「もちろん。手紙も噂も全て……そして。まぁ分かりやすい狙いだな。宣戦布告するためだろう」
「ミェースチ様……そうです」
「私が殺らずとも……ここで死ぬな」
ウリエルはまぁ分かりやすいとも思うがそれ以上に王国の分裂が予想出来た。姫側、王子側の両方が喧嘩しているらしい。姫を次期王に王子を次期王にと言う勢力があり。欲で戦う。帝国にもあるが……すでに象徴化している部分もあり。実権を握るには帝国の場合有能でないと許さな。
だからこそ。次期帝国王は誰でもいいとされる。その違いだ。
「………シャルティエ様から手紙です」
ウリエルは油に水を入れるイメージで彼女に手紙を渡す。ミェースチはそれを貰い。少し読んだ後にビリっと破き。窓の外へ捨てる。散らばる破片にミェースチは笑みを浮かべる。
「ふふふ……殺さないでねじゃなく。死なせないでね。私に向けずにウリエルに渡したのはあの女を評価してあげるわ。私なら何もしなかった」
「……ミェースチ様。頼まれたため。今回は裏切らせて貰います」
「裏切るね。いいわよ……でも、聞けば私に会いに来るそうじゃない。お通ししなさい」
「手を出さないことを約束いただけるなら……」
「………さぁ。会ってみないとわからない」
「わかりました。お任せします。開戦準備もしておくのでご安心を……では、失礼しました」
「待ちなさい」
「はい」
「母上言わないの?」
「処分期限内です」
「……期限言ってなかったわね。いいわ、もう終わりよ」
「ありがとうございます。ミェースチ様」
「ふむ……わかった。怒ってるのね」
「そんなまさか……」
「では……母上と呼びなさい」
「ミェースチ女王陛下」
「………怒ってるじゃん」
「怒ってません」
ウリエルは満足した状態でその母上の問いを信じる事にし。扉の外で盗み聞きしている3人に今の話をすることにした。帝国の動きがこれで決まると……そう考えた。
*
場所を移して会議室。鍵を閉めての報告会。盗み聞きしていたために内容は説明せずとも大丈夫だろう。
「と言う事らしい」
「ウリエル。わからないと言ったのか……あの母上がな……」
「大健闘ね。敵に慈悲はなかったのに……ウリエルお兄様も怖くないの凄いわ」
「ガブリエル……君達をどれだけ庇ったか覚えがないかい? どれだけ被ってきたかを」
「「「ごめん」」」
「いいですよ。好きで庇ってます。それよりも………」
ウリエルは考える。
「ラファエル。君が彼女の護衛兼監視と案内役は出来るかね? 番隊長であるが……」
「ウリエル、出来る。魔法隊は平時はただの騎士だからね。騎士の真似事は出来る。それに何人もつけるより……自分一人の方が信頼出来ると言うんだろ? ウリエル」
「その通り……ラファエル。騎士として君を使いたい。一番信用出来る。何十人つけるよりも」
「仰せのままに……兄上」
「ホモくさい……」
「ガブ姉!! それは怒る!!」
「ミカエル!?」
ミカエルがガブリエルをお説教を始め、ラファエルとウリエルはそれをいつもの事と無視して話を進める。
「宿泊は?」
「城の中」
「そうか……でっ謁見も済ませて……一月かな?」
「一応、一月以上冬の間に泊まり雪解けで暖かくなったら帰れるだろう。それよりも……連合がうまく動けてないらしいな」
「動けてない?」
「同盟が少しうまく動けていない……圧倒的に勝てるなら攻めてくる気配が無いことを見るに……反戦意識もあるようだ。それを黙らせる。怒りを持たせる方法が……これだろう。友好的に国交回復を目指すように仕向け姫に謝らせるように動かし」
「メイチェル姫暗殺か……謝ってるのに友好的にと言う言論が全て消える」
「それでやっとまとまるのかもしれない。僕ならそうする。戦うなら……征服より復讐のが戦っても胸を張れるだろう。弱い者苛めではなくなるからね」
「……だから。隣国は攻めず。鎖国してるのだろうな。まぁ何故かゆっくりと帝国に入って属国化してるな……生活豊かだと憧れるから」
「ですね。難民に武器を持たせで革命させる手もありますが……学園がその難民も少し受け入れているのがいいんでしょうね。でっ……卒業後。国を奪って領主で帰って来ると言う」
「そう……だな。まぁ洗脳ではあるが……うまく行っているうちはそのままだな」
「ええ……話が脱線しましたね」
「ああ。そうだね。脱線した……農業用トロッコより真っ直ぐ走らないね」
「二人ともひねくれてるからね。ははは」
「ウリエルがひねくれてるとは思えないけど?」
「ラファエル……見た目だけで評価はしてはならな
いよ」
ウリエルは指を立て静かにと仕草をし、秘密があること示す。ラファエルは……兄の秘密までわからいため。流石ウリエルしか思わなかった。兄に対して盲目になるラファエル。そうこうしているうちにガブリエルがシュンとした状態で謝りだす。
「……ラファエルお兄様、ウリエルお兄様……ごめんなさい」
「まぁいいですよ。ラファエルも大丈夫ですよね? 気にすることも……」
「ガブリエル、私は肯定するから謝らなくていいよ」
「「「!?」」」
「そっちも大丈夫か……知りたくてね。ミカエル」
「ラファエル兄ちゃん!? 冗談だよね!?」
「冗談、ガブリエルも暗器出さない」
「心臓に悪いよ……ラファエル兄ちゃん」
「ふふふ……今はね」
ウリエル、ガブリエル、ミカエルはラファエルに危機感を覚え。あの1件から……ラファエルに壁を作る3人。
「と言うことで話も終わった事です。晩御飯奢るから何処へ行こうか? 鰻行く?」
「……行きましょう」
「行く行く」
「奢りかぁ……しかも鰻……冬で喰えるの?」
「今が旬ですよ。ウリエル、ガブリエルは知っていたでしょうし、ミカエルも小さいころ食べたでしょう?」
「ミカエルが……4才5才のときじゃなかった? 骨があって嫌って」
「うぅ……忘れてるね」
「では……行きますか?」
「「「行く」」」
壁は容易く崩れ去った。
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