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森林波瀾篇
神からの自立
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◇◇◇◇◇
…………
さて、僕は今《西の王都》ユレイグルにいる。
なぜこんなところにいるかって?
それにはだね、深い、深~い事情があるのだよ。
ユウキは、ゼピュロスと一緒に修行をしていた。
デッドウルフを倒して、その後の休みから、1日、また1日と淡々と修行→休憩→修行……と繰り返しているうちに、なんと!その日数がいつの間にやら1ヶ月にもなっていたらしい。
これには僕も驚いた。なぜなら、あっちの世界で三日坊主だった僕が、1ヶ月もこんな辛いことを続けられたのだから。驚く他ない。
まるで、自分の中で大革命が起きたみたいだった。
…………それを全部シャドウにやってもらっていたことは内緒である。
まあ、肉体的疲労は僕に掛かるんだし、問題ないでしょ?
ここに来たきっかけはその後のある日のことだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
僕は、いつものように、休日を部屋でゴロゴロすることにあてるので精一杯だった。
ゴロゴロゴロ。ゴロゴロゴロと何もせず、何も考えずにのんきに寝転がっていた。
「ユウキ様。失礼します。カオス様がお呼びです。」
ん?え?あのキツイ神様から?
音沙汰がなくててっきり世話するだけで見放されていると思っていたけど、違ったようだな。
実際のところ、それはあながち間違ってはいないのだが、カオスとユウキとでは、前提が違う。
僕が呼び出されたのはこの前の客間。
そして、呼び出してきたのはいつものメイドだった。
とても好みのいいむねーーーーーとても美人なメイドさんだったので、ずっとこのメイドさんに給仕してもらいたいと思っていたのは、心にしまっておくことにした。
「やっと来たか。遅いわユウキよ。」
カオスは、最初の時のように、1m程度の体で、足をはみ出しながらソファに座っている。
「そんなこと、知ったこっちゃないよ。それで話ってなんだい?」
「話だがな、お前、どうやっ…………いや、何でもない。」
ん??え?どうした?
「……お前、もう1ヶ月もゼピュロスと修行しておるそうではないか。私はびっくりしたぞ。てっきりお前のことだから、すぐ『いやだぁぁぁ!!』とか言うと思ったからな。」
「あ、はい。それはどうも。」
一回だけ、心でそう叫んだ記憶があるが気のせいだろう。そう。気のせいだ。
それに、さっきのは何だったのだろうか。
「それで、だ。もうお前は十分強いだろう。
そこでお前には自由に生活してもらおうと思う。」
「え?」
僕は思わずとぼけた声をあげてしまった。
それくらい、カオスの発言に驚いたのだ。
僕強いんすか?
「え?とはなんだ?自由だぞ?良いではないか。私を見ろ。毎日毎日、従者共に監視される日々だぞ?それは、今のお前も同じだろ?私たちに監視される日々。辛くはないのか?」
側にいたメイドさんが顔をしかめていたが、カオスは見ていないようだ。
しかめっ面も中々ーーーこれ以上の領域は危険な気がした。
それより、なんか言い回しに詐欺師の面影が見えたが…
まあ、そんなことはどうでもいいか。
そんなことより!!"自由"!!!この世界に来て、衣食住は完璧であった。しかし、そこに足りなかったもの。それは、
"プライベート"!!
それが手に入る。そう思うとウキウキが止まらない。
「え?あ、うん。自由ね。うん。えぇっと。」
「なんだ?私は別のリアクションを想定していたのだが、もしかしてお前、まだ修行を続けたいのか?あれを?お前、Mか?」
「Mじゃねぇ!!」
ここは、断固否定である。認めたが最後、それこそ永遠に修行だろう。そんな牢獄みたいな生活はごめんだ。
「なら、なぜそんな反応をするんだ?」
「いや、1ヶ月もこの生活しててさ、いきなり『はい、じゃあ君は自由だよ!』って言われても困るよ。どうすればいいのか。」
「……!ふむ。では、私が1つ案を提示してやろう。
以前、この世界にはギルドが存在すると言っただろう?そこに行け。」
なぜ君が指示するんだ。これは自由なのではないのか?と思ったが、おそらく口にしたらタダでは済まないだろう。
まあ、ギルドに興味は持ったのは事実だが。
「ギルドか!そういえばそんなものあるって言ってたなお前!!!
うん、……うん!!そこに行くよ!!」
もう、これは即決である。こんなゲームみたいな世界に来た以上、やるからには冒険。すなわち冒険者。
楽しみなこと他なかった。
「おお!そうか!では、明日、出るが良い。早い方が良いからな。」
「ああ、……そうするよ。」
「では、話はこれで終わりだな。もう部屋に戻って良いぞ。」
え?話ってこれだけだったの?
ま、いいや。
「あ、あぁ。」
それが、カオスとの最後の会話だった。
…………
さて、僕は今《西の王都》ユレイグルにいる。
なぜこんなところにいるかって?
それにはだね、深い、深~い事情があるのだよ。
ユウキは、ゼピュロスと一緒に修行をしていた。
デッドウルフを倒して、その後の休みから、1日、また1日と淡々と修行→休憩→修行……と繰り返しているうちに、なんと!その日数がいつの間にやら1ヶ月にもなっていたらしい。
これには僕も驚いた。なぜなら、あっちの世界で三日坊主だった僕が、1ヶ月もこんな辛いことを続けられたのだから。驚く他ない。
まるで、自分の中で大革命が起きたみたいだった。
…………それを全部シャドウにやってもらっていたことは内緒である。
まあ、肉体的疲労は僕に掛かるんだし、問題ないでしょ?
ここに来たきっかけはその後のある日のことだ。
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僕は、いつものように、休日を部屋でゴロゴロすることにあてるので精一杯だった。
ゴロゴロゴロ。ゴロゴロゴロと何もせず、何も考えずにのんきに寝転がっていた。
「ユウキ様。失礼します。カオス様がお呼びです。」
ん?え?あのキツイ神様から?
音沙汰がなくててっきり世話するだけで見放されていると思っていたけど、違ったようだな。
実際のところ、それはあながち間違ってはいないのだが、カオスとユウキとでは、前提が違う。
僕が呼び出されたのはこの前の客間。
そして、呼び出してきたのはいつものメイドだった。
とても好みのいいむねーーーーーとても美人なメイドさんだったので、ずっとこのメイドさんに給仕してもらいたいと思っていたのは、心にしまっておくことにした。
「やっと来たか。遅いわユウキよ。」
カオスは、最初の時のように、1m程度の体で、足をはみ出しながらソファに座っている。
「そんなこと、知ったこっちゃないよ。それで話ってなんだい?」
「話だがな、お前、どうやっ…………いや、何でもない。」
ん??え?どうした?
「……お前、もう1ヶ月もゼピュロスと修行しておるそうではないか。私はびっくりしたぞ。てっきりお前のことだから、すぐ『いやだぁぁぁ!!』とか言うと思ったからな。」
「あ、はい。それはどうも。」
一回だけ、心でそう叫んだ記憶があるが気のせいだろう。そう。気のせいだ。
それに、さっきのは何だったのだろうか。
「それで、だ。もうお前は十分強いだろう。
そこでお前には自由に生活してもらおうと思う。」
「え?」
僕は思わずとぼけた声をあげてしまった。
それくらい、カオスの発言に驚いたのだ。
僕強いんすか?
「え?とはなんだ?自由だぞ?良いではないか。私を見ろ。毎日毎日、従者共に監視される日々だぞ?それは、今のお前も同じだろ?私たちに監視される日々。辛くはないのか?」
側にいたメイドさんが顔をしかめていたが、カオスは見ていないようだ。
しかめっ面も中々ーーーこれ以上の領域は危険な気がした。
それより、なんか言い回しに詐欺師の面影が見えたが…
まあ、そんなことはどうでもいいか。
そんなことより!!"自由"!!!この世界に来て、衣食住は完璧であった。しかし、そこに足りなかったもの。それは、
"プライベート"!!
それが手に入る。そう思うとウキウキが止まらない。
「え?あ、うん。自由ね。うん。えぇっと。」
「なんだ?私は別のリアクションを想定していたのだが、もしかしてお前、まだ修行を続けたいのか?あれを?お前、Mか?」
「Mじゃねぇ!!」
ここは、断固否定である。認めたが最後、それこそ永遠に修行だろう。そんな牢獄みたいな生活はごめんだ。
「なら、なぜそんな反応をするんだ?」
「いや、1ヶ月もこの生活しててさ、いきなり『はい、じゃあ君は自由だよ!』って言われても困るよ。どうすればいいのか。」
「……!ふむ。では、私が1つ案を提示してやろう。
以前、この世界にはギルドが存在すると言っただろう?そこに行け。」
なぜ君が指示するんだ。これは自由なのではないのか?と思ったが、おそらく口にしたらタダでは済まないだろう。
まあ、ギルドに興味は持ったのは事実だが。
「ギルドか!そういえばそんなものあるって言ってたなお前!!!
うん、……うん!!そこに行くよ!!」
もう、これは即決である。こんなゲームみたいな世界に来た以上、やるからには冒険。すなわち冒険者。
楽しみなこと他なかった。
「おお!そうか!では、明日、出るが良い。早い方が良いからな。」
「ああ、……そうするよ。」
「では、話はこれで終わりだな。もう部屋に戻って良いぞ。」
え?話ってこれだけだったの?
ま、いいや。
「あ、あぁ。」
それが、カオスとの最後の会話だった。
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