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第2章 王立フェブリア学院 ~ 1年生編 ~
第46話 2日目②
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出席を取られるなんて前世併せて何十年ぶりだろうか? 昔は「はい、元気です!」なんて言ってたもんだが、異世界ではどうなるんだ?
そんなことを考えていると、なんてことはない。登校して席に座っているかどうかだけ確認しているようだった。
これなら社長出勤しても意外と目立たないのでは?
そもそも、いてもいなくてもバレないようにするのが目標だしな。それに、ジュディさんからしたらいない方が助かるんじゃないか? 気を使わずに済むしな。
「今日の最初の授業は算術の応用だ。将来役に立つからしっかりと学ぶように」
マジか……まだサボる方法すら確立させていないのに、いきなりの算術か……仕方ないからバレずに寝る方法を先に試そう。
「ケビン君、算術って得意? 私はあまり得意じゃないんだけど」
何故に話しかけてくる!? これがコミュニケーション能力を持つ者の凄さか!
ここで得意なんて口走ったら授業中わからないところは、間違いなく全部聞いてくるに違いない。俺の安息の睡眠時間を確保するためには不得意だと答えておかなければ。
「俺もあまり得意じゃない」
「そうだよねーややこしくて嫌になるよねー」
「そうだな」
よし、会話は打ち切りだな。ここからは俺のターン! まずは肘をついて寝てみるか。うつ伏せだとモロバレだしな。
しばらくして……
「ケビン君、もしかして寝てない? ちゃんとノートに取らないとわからなくなるよ?」
何故だぁぁぁっ! 何故こうも話し掛けてくるんだ? コミュ充爆発しろ!
「そうだな」
肘付き寝入りは失敗だ……次はどうする? いっそのこと瞼に目でも書いて寝てみるか? いやいやいや、早まるな俺! それをしてはただの馬鹿だ。変人扱いされて目立ってしまう。
まずノートを取っている風に見せなくてはいけない。でなければまた隣から言われてしまう。考えるんだ……何か方法があるはずだ。
①ペンを持ってみる。
②ノートに視線を向ける。
③瞼を閉じる。
これだ! これなら自然に見える。如何にもノートをちゃんと取ってますよ的な。よし、実践だ!
またしばらくして……
「ケビン君、やっぱり寝てるよね? わかるよ、それ。頭も手も動いてないから」
あぁ、神よ……
「お前は何故俺に話し掛ける?」
「だって真面目に授業受けないと先生に怒られるよ」
「俺はいいんだよ。怒られないから」
「どうして?」
「ジュディさんとはちょっとした知り合いだから」
「知り合いなら余計に怒られるんじゃない?」
「それはない。現に今お前は授業中に話をしているにも関わらず、ジュディさんには怒られていない。普通なら授業中の私語は慎めと怒られるが、怒られないのは話している相手が俺だからだ」
「先生が気づいてないだけじゃないの?」
「気づいているぞ。こちらの様子を窺うために、チラチラと視線を向けている」
先程からチラチラと視線を向けてくるのでウザイことこの上ない。何がそんなに気になるんだ。たかが子供の会話だろうに。
「というわけで、俺には構わなくていい。ダラダラと過ごすのが目標だからな。お前は真面目に授業を受けてるんだな。先生に目をつけられるぞ」
これでもう話しかけてはこないだろう。引き続き寝るための姿勢を取ろうとすると、チャイムが鳴った……
「この授業はここまでだ。復習を忘れないようにやっておくんだぞ。では、休憩だ」
「……」
そうか、終わったのか……なんだこの敗北感は……全然寝れてないぞ。トライアル・アンド・エラーで終わっただけじゃないか。
「ケビン君、休憩だってさ。思いっきり寝れるね」
そうだ、こいつが絡んでこなければ寝れていたんだ。こうなったら無視するしかない。相手をするから増長するんだ。次の授業は何がなんでも寝てやる。
そう意気込む俺であったが、この発言がフラグだったとは知るよしもなかった……
再びチャイムが鳴りみんなが席につくと、ジュディさんが教室に入って来た。
「よし、みんな揃ってるな。次は魔法学の授業だ。あらゆる魔法の基礎になるから真面目に受けるように」
終わった……寝れないじゃないか。まさかの受けたい授業が次にくるとは……仕方ないから寝るのは諦めよう。これさえ受けてしまえばあとはもう大丈夫だろう。
「みんなも知っていると思うが、魔法とは自身の中にある魔力を使って現実に不思議な現象を起こすことを言う。魔法を当たり前に使える者は常識として捉えてあまり不思議とは思わないかもしれないが、魔法を使えない者からしたら不思議にしか思えない」
実際、俺にも不思議としか思えない。魔法のない世界から来たからな。
「魔力にはわかりにくいかもしれないが魔法そのものの威力の強さと、それに対し消費するエネルギーとが存在する。どちらの言葉に対しても魔力という言葉を使うため、慣れないうちはこんがらがるだろう。一般的に魔力を込めれば強い魔法になるし、その分消費するエネルギーは増えるのでこの2つは比例する関係とされている」
そうなんだよなぁ、ステータスはMPと魔力で別れてるからわかりやすいんだが、言葉にするといきなりややこしくなるんだよな。
「皆も洗礼を受けて知っていると思うが、ステータスのMPと魔力は言葉にするとどちらも魔力だ。MPが自身の使えるエネルギー量で、魔力が魔法の威力に対する数値だ」
ジュディさんの授業は意外とわかりやすいな。基礎を知らない俺でもちゃんと理解できるぞ。
「ちなみに消費したエネルギーはマナポーションを飲むことで回復させることができる。あとは自然回復だ。これは寝ている時が1番効率がいいとされている。起きていても回復はしていくが微々たるものだ。しかし、戦闘中に寝るわけにはいかないので、冒険者なんかはマナポーションを常備して一気に回復させたりする――」
それからも魔法学の授業は続き、あっという間にチャイムがなった。楽しい時間は過ぎるのが早いな。
その後の授業は一般教養が続いたので全力で寝た。寝るのに全力を使うのもおかしな話だが。
こうして、2日目の学院生活は終わったのだった。
そんなことを考えていると、なんてことはない。登校して席に座っているかどうかだけ確認しているようだった。
これなら社長出勤しても意外と目立たないのでは?
そもそも、いてもいなくてもバレないようにするのが目標だしな。それに、ジュディさんからしたらいない方が助かるんじゃないか? 気を使わずに済むしな。
「今日の最初の授業は算術の応用だ。将来役に立つからしっかりと学ぶように」
マジか……まだサボる方法すら確立させていないのに、いきなりの算術か……仕方ないからバレずに寝る方法を先に試そう。
「ケビン君、算術って得意? 私はあまり得意じゃないんだけど」
何故に話しかけてくる!? これがコミュニケーション能力を持つ者の凄さか!
ここで得意なんて口走ったら授業中わからないところは、間違いなく全部聞いてくるに違いない。俺の安息の睡眠時間を確保するためには不得意だと答えておかなければ。
「俺もあまり得意じゃない」
「そうだよねーややこしくて嫌になるよねー」
「そうだな」
よし、会話は打ち切りだな。ここからは俺のターン! まずは肘をついて寝てみるか。うつ伏せだとモロバレだしな。
しばらくして……
「ケビン君、もしかして寝てない? ちゃんとノートに取らないとわからなくなるよ?」
何故だぁぁぁっ! 何故こうも話し掛けてくるんだ? コミュ充爆発しろ!
「そうだな」
肘付き寝入りは失敗だ……次はどうする? いっそのこと瞼に目でも書いて寝てみるか? いやいやいや、早まるな俺! それをしてはただの馬鹿だ。変人扱いされて目立ってしまう。
まずノートを取っている風に見せなくてはいけない。でなければまた隣から言われてしまう。考えるんだ……何か方法があるはずだ。
①ペンを持ってみる。
②ノートに視線を向ける。
③瞼を閉じる。
これだ! これなら自然に見える。如何にもノートをちゃんと取ってますよ的な。よし、実践だ!
またしばらくして……
「ケビン君、やっぱり寝てるよね? わかるよ、それ。頭も手も動いてないから」
あぁ、神よ……
「お前は何故俺に話し掛ける?」
「だって真面目に授業受けないと先生に怒られるよ」
「俺はいいんだよ。怒られないから」
「どうして?」
「ジュディさんとはちょっとした知り合いだから」
「知り合いなら余計に怒られるんじゃない?」
「それはない。現に今お前は授業中に話をしているにも関わらず、ジュディさんには怒られていない。普通なら授業中の私語は慎めと怒られるが、怒られないのは話している相手が俺だからだ」
「先生が気づいてないだけじゃないの?」
「気づいているぞ。こちらの様子を窺うために、チラチラと視線を向けている」
先程からチラチラと視線を向けてくるのでウザイことこの上ない。何がそんなに気になるんだ。たかが子供の会話だろうに。
「というわけで、俺には構わなくていい。ダラダラと過ごすのが目標だからな。お前は真面目に授業を受けてるんだな。先生に目をつけられるぞ」
これでもう話しかけてはこないだろう。引き続き寝るための姿勢を取ろうとすると、チャイムが鳴った……
「この授業はここまでだ。復習を忘れないようにやっておくんだぞ。では、休憩だ」
「……」
そうか、終わったのか……なんだこの敗北感は……全然寝れてないぞ。トライアル・アンド・エラーで終わっただけじゃないか。
「ケビン君、休憩だってさ。思いっきり寝れるね」
そうだ、こいつが絡んでこなければ寝れていたんだ。こうなったら無視するしかない。相手をするから増長するんだ。次の授業は何がなんでも寝てやる。
そう意気込む俺であったが、この発言がフラグだったとは知るよしもなかった……
再びチャイムが鳴りみんなが席につくと、ジュディさんが教室に入って来た。
「よし、みんな揃ってるな。次は魔法学の授業だ。あらゆる魔法の基礎になるから真面目に受けるように」
終わった……寝れないじゃないか。まさかの受けたい授業が次にくるとは……仕方ないから寝るのは諦めよう。これさえ受けてしまえばあとはもう大丈夫だろう。
「みんなも知っていると思うが、魔法とは自身の中にある魔力を使って現実に不思議な現象を起こすことを言う。魔法を当たり前に使える者は常識として捉えてあまり不思議とは思わないかもしれないが、魔法を使えない者からしたら不思議にしか思えない」
実際、俺にも不思議としか思えない。魔法のない世界から来たからな。
「魔力にはわかりにくいかもしれないが魔法そのものの威力の強さと、それに対し消費するエネルギーとが存在する。どちらの言葉に対しても魔力という言葉を使うため、慣れないうちはこんがらがるだろう。一般的に魔力を込めれば強い魔法になるし、その分消費するエネルギーは増えるのでこの2つは比例する関係とされている」
そうなんだよなぁ、ステータスはMPと魔力で別れてるからわかりやすいんだが、言葉にするといきなりややこしくなるんだよな。
「皆も洗礼を受けて知っていると思うが、ステータスのMPと魔力は言葉にするとどちらも魔力だ。MPが自身の使えるエネルギー量で、魔力が魔法の威力に対する数値だ」
ジュディさんの授業は意外とわかりやすいな。基礎を知らない俺でもちゃんと理解できるぞ。
「ちなみに消費したエネルギーはマナポーションを飲むことで回復させることができる。あとは自然回復だ。これは寝ている時が1番効率がいいとされている。起きていても回復はしていくが微々たるものだ。しかし、戦闘中に寝るわけにはいかないので、冒険者なんかはマナポーションを常備して一気に回復させたりする――」
それからも魔法学の授業は続き、あっという間にチャイムがなった。楽しい時間は過ぎるのが早いな。
その後の授業は一般教養が続いたので全力で寝た。寝るのに全力を使うのもおかしな話だが。
こうして、2日目の学院生活は終わったのだった。
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