71 / 304
第71話 ――桜ちゃんSide―― カミングアウト
しおりを挟む
ユウタさんを10番スクリーンに残し、アリスさんと二人で売店へ向かいます。きっと私達の生着替えを見てしまい、興奮してしまったのでしょう。特にアリスさんはビチョビチョですごい事になっていました。
「あの……桜ちゃん、ユウコちゃんは大丈夫なのかしら?」
「大丈夫です。ちょっとお着替えに時間が掛かるそうです」
「なら良いのですけど……」
「合流場所を連絡してありますので、先にお買い物をしましょう」
「分かりましたわ」
ユウタさんは大きくなってしまった愛棒が小さくなるまで、しばらく時間が掛かると思います。あれだけ過激な映画だとは思ってもいませんでした。百合の街の映画なので、女性同士の愛がテーマというのは知っていましたが、過激でしたね。
それにしてもアリスさんが絶頂上映会を選ぶなんて誤算でした。最初は恋愛映画を選択して良い感じに盛り上がり、そしてホテルに行こうと思っていたのに計画が狂ってしまいました。絶頂上映会はその名の通り、独りで楽しんでも良いし恋人と愛し合っても良い、さらに合意の上での乱交だって有りなのです。でもハーレムシートには手出し禁止です。……空いていて良かったです。
「その、アリスさんは大丈夫ですか? 足がガクガクしているように見えますが……」
「ええ、正直言ってキツイですわ。ユウコちゃんが鬼畜なのは知っていましたが、あそこまでやられるなんて……」
私もそうだ。体が火照ってすぐにでもユウタさんを押し倒したい、ユウタさんの子供が欲しくなってしまったのです。でも子供はまだダメですね。先生と計画して作る予定なのでまだ先です。薬を飲んで避妊しているので大丈夫ですが、今すぐ孕みたい気分です。
ユウタさんに玩具を渡したのはちょっとした気まぐれでした。元々アリスさんを発情させて、なし崩し的にユウタさんとエッチさせるという目的がありましたので私がやるつもりでしたが、ユウタさんにお外で遊んで欲しかったので渡してしまいました。まあアリスさんを発情させられたのでヨシとしましょう。
「ユウコちゃんは最初は責めて来ますけど、最後には逆転されてトロトロになるのが好きなんです。だから後で楽しみにしてて下さいね」
「そうですわね、楽しみですけど緊張しますの。……あのね桜ちゃん、私、その、独りでしかやったことありませんの……。キスだってユウコちゃんとしかした事ないんですのよ」
「えっ!?」
まさかのカミングアウトです。ユウタさんから聞いた話やチャットの内容を見る限り、女性大好きでエチエチな女性だと思っていました。それなのにユウコちゃんとしかキスもした事が無いなんて……。そう言えばアリスさんのご実家は名家でした。そこら辺も厳しかったのでしょう……。
「だからちょっと不安なの。大丈夫かしら……?」
「大丈夫ですよ。私だってフォローします。それにユウコちゃんは優しいですから、安心して下さいね」
「ふふ、これじゃあどっちがお姉さんか分かりませんわね。でもよろしくね桜ちゃん」
「はい」
ちょっとだけアリスさんという人物が分かったような気がする。今まで恋をした事が無かったお嬢様が、ユウコちゃんと出会って一目惚れしたんですね。私と同じように……。
混雑した館内を進み、やっと売店へ辿り着いた。そして長い行列に並び、お待ちかねのアレを買う事が出来るのだ。
「いらっしゃいませ~」
高校1年生くらいに見える若々しい店員さんですね。この女性も女の子が好きなのでしょう。確か採用条件が百合だった気がします。
「デスサイズを2個お願いします」
「か、畏まりましたっ!」
私とアリスさんの映画チケットの半券を渡し、デスサイズの購入を伝えた。映画で京子お姉様が絶頂していた凶悪なブルブルスティックです。ここでしか買えないレア物らしいです。
初心な店員さんが顔を真っ赤にして商品を取りに行きました。可愛らしいですね。
「何ですのデスサイズって?」
「映画で出て来たブルブルですよ。あの湾曲した凄いやつです」
「あ、アレですのね。ちょっとだけ気になってましたの。……あとガーゼが……」
最後の言葉は聞かなかった事にした。ガーゼってあれですよね、ロリ子さんが京子お姉様にやっていた宝石研磨です。あれってローションを浸したガーゼで擦るんですよね。お家でも出来そうですし、ユウタさんのお仕置きに良さそうですね。ふふ、男性の潮吹きというのも有るらしいですね。
「お、お待たせしました~」
「す、凄い凶悪な形状ですわ」
「ふふ……後で使ってあげますから楽しみに待ってて下さいね」
支払いをして商品を受け取る時、私達の会話を聞いた店員さんが顔を真っ赤にしていた。私とアリスさんがお楽しみなところを想像したのですね。アリスさんがやられるのは間違いないですけど、きっと私もやられちゃうのでしょう。こんな玩具を見たらユウタさんが興奮しない訳がないですからね。
「じゃあ集合場所の喫茶店へ行きましょう」
そうして私達は喫茶店でユウタさんが来るのを待つ事にしたのでした。
◇
喫茶店は混んでいましたが、4人席に座る事が出来ました。向かい合って座り、それぞれアイスコーヒーを注文しました。
届いたコーヒーを一口飲み、ホッと一息です。アリスさんもちょっと疲れていたようで、溜息を吐いていました。
「またちょっと下着が濡れて来てしまいましたわ。もう今日はボロボロですわね」
「ふふ……メインはこれからですよ?」
私も換えた下着が濡れています。こんな事もあろうかと下着の替えと洋服の替えをかなり持って来ましたが、どうやら正解だったようです。お外で玩具を使って遊ぶことがこんなに興奮するなんて知りませんでした。でも、愛する人と一緒だからかもしれませんね。
「ちょっと聞いて欲しい事がありますの。大きな声じゃ言えないので耳を貸して頂戴」
「……何でしょうか?」
アリスさんが周囲を見渡した後、小声で言って来た。もしかして下着がビチョビチョで交換したいのかもしれませんね。体を前に出し、耳を向けた。
「……ユウコちゃんって、男性ですわね?」
「……えっ!?」
まさかの発言に驚いてしまった。ユウコちゃんの女装がバレていたのでしょうか……。ちょっと計画が崩れそうです。この後ホテルに行って、発情したアリスさんをユウタさんの愛棒でメロメロにして結婚させようと考えていました。男嫌いなアリスさんですが、ユウタさんの愛棒で堕ちると思ったのです。
アリスさんは真剣な表情で私を見つめて来る。もう誤魔化す事は出来ないですね。正直に言いますか。……これでアリスさんに逃げられてしまったら、ユウタさんは私が慰めてあげましょう。ふふ……それはそれで楽しそうです。
「はぁ……。いつ気が付いたんですか?」
「本当についさっきですわ。映画を見ながらユウコちゃんとキスをした時、ユウコちゃんの体を触りましたの。でもちょっと女性とは違うと思いましたわ。それに以前から引っかかる事がありましたの」
「引っ掛かる事ですか?」
「……うちのお母様が、女性だけどユウコちゃんとだったら結婚しても良いと言いましたの」
「アリスさんのお家って古くから栄えた名家ですよね?」
そう、私の目的はアリスさんの家柄なのです。もしもユウタさんの存在が今以上に人気が出てしまった場合、上流階級からの問い合わせが来るはずです。メグちゃんレベルでは拒絶する事が出来ない本当のお偉いさんが。最悪の場合、ユウタさんを取られちゃうかもしれない。
『見て見てTube』に投稿するくらいなら影響ないと思っていましたが、もう『ユウタ』というブランドに火が付いてしまった。こんなに早くユウタさんが知れ渡るなんて思ってもみなかった。私も先生も予想出来なかったのです。
それを回避するため、恵美様の計らいで上流階級の頂点に位置する西園寺家と結び付きが提案されましたが、ユウタさんは自力でアリスさんと知り合っていたのです。これは神様の思し召しだと判断しました。だから私達はアリスさんを迎え入れたいと考えたのです。……まあ調子に乗った私が全部悪いのです。ユウタさんの魅力を全国に広げて、ユウタさんの精子を日本中の女性にばら撒くなんてアホな事を考えた私が……。
幸いなことにユウタさんはアリスさんの事が気に入っているようですから安心していましたが、男性だとバレてしまったのなら厳しいかもしれません。……今思えばホテルでアリスさんをメロメロにするっていう作戦も計画性が無いですね。……はぁ。
「そうですわ。うちの家系は古く遡れば天皇陛下の血筋に辿り着きますわ。そんな家を守るあの厳しいお母様が、女性との結婚を許すはずがありませんわ。早く結婚して跡取りを作れ、それが嫌なら人工授精をしろって毎日のように言われていましたもの……」
やはり西園寺家は凄いお家ですね。
「この後ホテルでカミングアウトする予定でしたが、バレてしまったからにはしょうがないですね。ユウコちゃんは私と後一人、夏子さんという女性と結婚しています」
「……2人もいたのですわね」
「まずはこれを見て下さい」
ここまでバレてしまったなら全部説明するしか無いですね……。スマホを取り出し、ユウタさんの性教育動画を再生した。もちろんイヤホン付きです。
アリスさんが真剣な表情で動画を見始めた。その間にこれからの事を考える。でもアリスさんくらい素敵な女性は中々居ないのではと思ってしまう。そうね、アリスさんがダメだったら『見て見てTube』も終了して平穏に暮らそう。そう思ったらちょっと気が楽になった。
しばらくして動画が終わり、アリスさんがスマホを返してくれた。でも予想と違った……。
「それで桜ちゃん、私も家族に入れてくれるって判断して良いのかしら?」
「えっ!? ……もちろんです。今日はそのつもりで来ましたし、夏子さんも了承済みです。知らないのはユウコちゃんだけですね。でも良いのですか? その、男性は嫌いだと……」
男嫌いなアリスさんがまさか結婚に頷くとは思わなかった。責め立ててトロトロにしてユウタさんに告白させて、それで強引にお嫁さんにしてしまおうと計画していたのです。まさかシラフな状態でオッケーが出るなんて。
「ユウコちゃんをそこら辺のゴミと一緒にしないでちょうだい。ユウコちゃんは良い匂いがしますし可愛いですわ。それに動画のセリフに感動しましたの。きっと私はユウコちゃんと一緒になるために生まれてきたのですわ」
アリスさんがトリップしてしまった。でも動画が役に立ったようですね。あのユウタさんの女性に向けたメッセージを聞いたら、キュンキュンしてしまうのも頷けます。
「じゃあアリスさん、これからもよろしくお願いします」
「ええ、ユウコちゃんは私達のもの。お母様にだって渡さないわ」
「みんな平等に愛してくれますから大丈夫です。あと、この後ですけどアリスさんは男性の事、知らない振りでお願いします」
「どうしてですの?」
「ふふ……その方が絶対に楽しいからです」
「それじゃあしょうがないわね。今から楽しみですわ」
アリスさんがお嫁さんに加わった事を、ユウタさんはまだ知らない。
「あの……桜ちゃん、ユウコちゃんは大丈夫なのかしら?」
「大丈夫です。ちょっとお着替えに時間が掛かるそうです」
「なら良いのですけど……」
「合流場所を連絡してありますので、先にお買い物をしましょう」
「分かりましたわ」
ユウタさんは大きくなってしまった愛棒が小さくなるまで、しばらく時間が掛かると思います。あれだけ過激な映画だとは思ってもいませんでした。百合の街の映画なので、女性同士の愛がテーマというのは知っていましたが、過激でしたね。
それにしてもアリスさんが絶頂上映会を選ぶなんて誤算でした。最初は恋愛映画を選択して良い感じに盛り上がり、そしてホテルに行こうと思っていたのに計画が狂ってしまいました。絶頂上映会はその名の通り、独りで楽しんでも良いし恋人と愛し合っても良い、さらに合意の上での乱交だって有りなのです。でもハーレムシートには手出し禁止です。……空いていて良かったです。
「その、アリスさんは大丈夫ですか? 足がガクガクしているように見えますが……」
「ええ、正直言ってキツイですわ。ユウコちゃんが鬼畜なのは知っていましたが、あそこまでやられるなんて……」
私もそうだ。体が火照ってすぐにでもユウタさんを押し倒したい、ユウタさんの子供が欲しくなってしまったのです。でも子供はまだダメですね。先生と計画して作る予定なのでまだ先です。薬を飲んで避妊しているので大丈夫ですが、今すぐ孕みたい気分です。
ユウタさんに玩具を渡したのはちょっとした気まぐれでした。元々アリスさんを発情させて、なし崩し的にユウタさんとエッチさせるという目的がありましたので私がやるつもりでしたが、ユウタさんにお外で遊んで欲しかったので渡してしまいました。まあアリスさんを発情させられたのでヨシとしましょう。
「ユウコちゃんは最初は責めて来ますけど、最後には逆転されてトロトロになるのが好きなんです。だから後で楽しみにしてて下さいね」
「そうですわね、楽しみですけど緊張しますの。……あのね桜ちゃん、私、その、独りでしかやったことありませんの……。キスだってユウコちゃんとしかした事ないんですのよ」
「えっ!?」
まさかのカミングアウトです。ユウタさんから聞いた話やチャットの内容を見る限り、女性大好きでエチエチな女性だと思っていました。それなのにユウコちゃんとしかキスもした事が無いなんて……。そう言えばアリスさんのご実家は名家でした。そこら辺も厳しかったのでしょう……。
「だからちょっと不安なの。大丈夫かしら……?」
「大丈夫ですよ。私だってフォローします。それにユウコちゃんは優しいですから、安心して下さいね」
「ふふ、これじゃあどっちがお姉さんか分かりませんわね。でもよろしくね桜ちゃん」
「はい」
ちょっとだけアリスさんという人物が分かったような気がする。今まで恋をした事が無かったお嬢様が、ユウコちゃんと出会って一目惚れしたんですね。私と同じように……。
混雑した館内を進み、やっと売店へ辿り着いた。そして長い行列に並び、お待ちかねのアレを買う事が出来るのだ。
「いらっしゃいませ~」
高校1年生くらいに見える若々しい店員さんですね。この女性も女の子が好きなのでしょう。確か採用条件が百合だった気がします。
「デスサイズを2個お願いします」
「か、畏まりましたっ!」
私とアリスさんの映画チケットの半券を渡し、デスサイズの購入を伝えた。映画で京子お姉様が絶頂していた凶悪なブルブルスティックです。ここでしか買えないレア物らしいです。
初心な店員さんが顔を真っ赤にして商品を取りに行きました。可愛らしいですね。
「何ですのデスサイズって?」
「映画で出て来たブルブルですよ。あの湾曲した凄いやつです」
「あ、アレですのね。ちょっとだけ気になってましたの。……あとガーゼが……」
最後の言葉は聞かなかった事にした。ガーゼってあれですよね、ロリ子さんが京子お姉様にやっていた宝石研磨です。あれってローションを浸したガーゼで擦るんですよね。お家でも出来そうですし、ユウタさんのお仕置きに良さそうですね。ふふ、男性の潮吹きというのも有るらしいですね。
「お、お待たせしました~」
「す、凄い凶悪な形状ですわ」
「ふふ……後で使ってあげますから楽しみに待ってて下さいね」
支払いをして商品を受け取る時、私達の会話を聞いた店員さんが顔を真っ赤にしていた。私とアリスさんがお楽しみなところを想像したのですね。アリスさんがやられるのは間違いないですけど、きっと私もやられちゃうのでしょう。こんな玩具を見たらユウタさんが興奮しない訳がないですからね。
「じゃあ集合場所の喫茶店へ行きましょう」
そうして私達は喫茶店でユウタさんが来るのを待つ事にしたのでした。
◇
喫茶店は混んでいましたが、4人席に座る事が出来ました。向かい合って座り、それぞれアイスコーヒーを注文しました。
届いたコーヒーを一口飲み、ホッと一息です。アリスさんもちょっと疲れていたようで、溜息を吐いていました。
「またちょっと下着が濡れて来てしまいましたわ。もう今日はボロボロですわね」
「ふふ……メインはこれからですよ?」
私も換えた下着が濡れています。こんな事もあろうかと下着の替えと洋服の替えをかなり持って来ましたが、どうやら正解だったようです。お外で玩具を使って遊ぶことがこんなに興奮するなんて知りませんでした。でも、愛する人と一緒だからかもしれませんね。
「ちょっと聞いて欲しい事がありますの。大きな声じゃ言えないので耳を貸して頂戴」
「……何でしょうか?」
アリスさんが周囲を見渡した後、小声で言って来た。もしかして下着がビチョビチョで交換したいのかもしれませんね。体を前に出し、耳を向けた。
「……ユウコちゃんって、男性ですわね?」
「……えっ!?」
まさかの発言に驚いてしまった。ユウコちゃんの女装がバレていたのでしょうか……。ちょっと計画が崩れそうです。この後ホテルに行って、発情したアリスさんをユウタさんの愛棒でメロメロにして結婚させようと考えていました。男嫌いなアリスさんですが、ユウタさんの愛棒で堕ちると思ったのです。
アリスさんは真剣な表情で私を見つめて来る。もう誤魔化す事は出来ないですね。正直に言いますか。……これでアリスさんに逃げられてしまったら、ユウタさんは私が慰めてあげましょう。ふふ……それはそれで楽しそうです。
「はぁ……。いつ気が付いたんですか?」
「本当についさっきですわ。映画を見ながらユウコちゃんとキスをした時、ユウコちゃんの体を触りましたの。でもちょっと女性とは違うと思いましたわ。それに以前から引っかかる事がありましたの」
「引っ掛かる事ですか?」
「……うちのお母様が、女性だけどユウコちゃんとだったら結婚しても良いと言いましたの」
「アリスさんのお家って古くから栄えた名家ですよね?」
そう、私の目的はアリスさんの家柄なのです。もしもユウタさんの存在が今以上に人気が出てしまった場合、上流階級からの問い合わせが来るはずです。メグちゃんレベルでは拒絶する事が出来ない本当のお偉いさんが。最悪の場合、ユウタさんを取られちゃうかもしれない。
『見て見てTube』に投稿するくらいなら影響ないと思っていましたが、もう『ユウタ』というブランドに火が付いてしまった。こんなに早くユウタさんが知れ渡るなんて思ってもみなかった。私も先生も予想出来なかったのです。
それを回避するため、恵美様の計らいで上流階級の頂点に位置する西園寺家と結び付きが提案されましたが、ユウタさんは自力でアリスさんと知り合っていたのです。これは神様の思し召しだと判断しました。だから私達はアリスさんを迎え入れたいと考えたのです。……まあ調子に乗った私が全部悪いのです。ユウタさんの魅力を全国に広げて、ユウタさんの精子を日本中の女性にばら撒くなんてアホな事を考えた私が……。
幸いなことにユウタさんはアリスさんの事が気に入っているようですから安心していましたが、男性だとバレてしまったのなら厳しいかもしれません。……今思えばホテルでアリスさんをメロメロにするっていう作戦も計画性が無いですね。……はぁ。
「そうですわ。うちの家系は古く遡れば天皇陛下の血筋に辿り着きますわ。そんな家を守るあの厳しいお母様が、女性との結婚を許すはずがありませんわ。早く結婚して跡取りを作れ、それが嫌なら人工授精をしろって毎日のように言われていましたもの……」
やはり西園寺家は凄いお家ですね。
「この後ホテルでカミングアウトする予定でしたが、バレてしまったからにはしょうがないですね。ユウコちゃんは私と後一人、夏子さんという女性と結婚しています」
「……2人もいたのですわね」
「まずはこれを見て下さい」
ここまでバレてしまったなら全部説明するしか無いですね……。スマホを取り出し、ユウタさんの性教育動画を再生した。もちろんイヤホン付きです。
アリスさんが真剣な表情で動画を見始めた。その間にこれからの事を考える。でもアリスさんくらい素敵な女性は中々居ないのではと思ってしまう。そうね、アリスさんがダメだったら『見て見てTube』も終了して平穏に暮らそう。そう思ったらちょっと気が楽になった。
しばらくして動画が終わり、アリスさんがスマホを返してくれた。でも予想と違った……。
「それで桜ちゃん、私も家族に入れてくれるって判断して良いのかしら?」
「えっ!? ……もちろんです。今日はそのつもりで来ましたし、夏子さんも了承済みです。知らないのはユウコちゃんだけですね。でも良いのですか? その、男性は嫌いだと……」
男嫌いなアリスさんがまさか結婚に頷くとは思わなかった。責め立ててトロトロにしてユウタさんに告白させて、それで強引にお嫁さんにしてしまおうと計画していたのです。まさかシラフな状態でオッケーが出るなんて。
「ユウコちゃんをそこら辺のゴミと一緒にしないでちょうだい。ユウコちゃんは良い匂いがしますし可愛いですわ。それに動画のセリフに感動しましたの。きっと私はユウコちゃんと一緒になるために生まれてきたのですわ」
アリスさんがトリップしてしまった。でも動画が役に立ったようですね。あのユウタさんの女性に向けたメッセージを聞いたら、キュンキュンしてしまうのも頷けます。
「じゃあアリスさん、これからもよろしくお願いします」
「ええ、ユウコちゃんは私達のもの。お母様にだって渡さないわ」
「みんな平等に愛してくれますから大丈夫です。あと、この後ですけどアリスさんは男性の事、知らない振りでお願いします」
「どうしてですの?」
「ふふ……その方が絶対に楽しいからです」
「それじゃあしょうがないわね。今から楽しみですわ」
アリスさんがお嫁さんに加わった事を、ユウタさんはまだ知らない。
0
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる