女性だらけの世界に迷い込んだショタが、年上のお姉さん達に色々されてドロドロに溶かされるまで

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第121話 ―― アヤちゃんSide ―― 出会い

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 私と恵美様との出会いは、もう7年くらい前になる。

 アメリカの大学を卒業して帰国したのは良いけれど、就職する気にもならずにプラプラしていた。頭だけは良かった私は、幸運にも奨学金制度を利用して大学を卒業する事が出来たのです。経済学を学んだのは良いけれど、庶民の私が会社を作ったところで儲けられるかと言ったら無理である。会社を興す程のお金も無ければやりたい仕事も無いのでした……。

 そんな感じで暇していたところ、好奇心に負けてホストクラブに行ってしまった。今まで勉強一筋で男性との接点も無く、寂しい人生だと思ってしまったのです。手持ちは少ないけど、一回くらい男の人とイチャイチャしても良いよね♪

 初めて入ったホストクラブは、世界が輝いていた。カッコイイ男性はもちろんだけど、店内もライトアップされている。まるで物語の主人公になった気分で居たら、王子様が迎えに来てくれた。

「こんばんは! 始めましてだよね? キミみたいな綺麗な女性、ボクが忘れるはずが無いからねっ!」

「キャッ!」

 私の隣に座ってくれた王子様は、強そうだった。私よりも背が高くて筋肉がモリモリなのだ。でも……こんな私の事を綺麗って言ってくれた。リップサービスだと思うけど、初めての言葉にドキドキしてしまったのでした。

 勉強一筋だった私は、お世辞にも綺麗とは言えないだろう。ホストクラブに来るためにお化粧と服を頑張ってみたけど、他のテーブルに座っている女性に比べたら華が無かった。メガネとかダメなのかな?

「じゃあ二人の出会いに乾杯しましょうか。良いよね?」

「は、はいぃ!」

 私は初めてのホストクラブで混乱してしまい、言われるがままに乾杯をするのでした……。





 どうやら私はお酒には強いらしい。カクテルなどのお酒を沢山飲んでいるけど、酔わないのです。気分が高揚する事はあれ、酔い潰れる事はありませんでした。

 でもホストクラブの王子様はそうでは無いらしく、どんどん酔い潰れてしまっています。ちょっと弱すぎじゃないですかね?

 もう何人目か分からない王子様にチェンジされた時、お店の入り口から入って来たお客さんが吠えていた。

「ちょっとちょっと、どうなってんのよ!? 今日は男の子が随分と少ないじゃない!」

「すみません恵美様。キャストが数名体調を崩してしまいまして……」

「はぁ~?」

 黒いスーツを着た偉そうな女性と小さい背丈の女性が話し込んでいました。そして偉そうな女性がこっちをチラチラと見て来るのです。そしてしばらくすると、背丈の小さい女性が私のテーブルに近づき、私の隣の席に座ってしまったのでした。やばい、絡まれる!?

「あんた見ない顔ね。もしかして初めて?」

「そうですけど……」

 私と違うオシャレなスーツに身を包んだ女性が私を睨んで来ます。ロングポニーテールが似合う幼く見える女性ですね。会話を聞いていた感じ、常連さんなのでしょう。

 女性が私の身なりを見て鼻で笑ったあと、テーブルの上にあるお酒を見ていた。

「あんたお金持ってんの? こんだけ豪遊してお金持ってませ~んとか許されないわよ?」

「えっ!?」

 言われて気付いたけど、テーブルの上にはシャンパンタワーが出来ていた。代わる代わる来る王子様に言われるがまま、ついつい注文をしてしまったのでした。女性からの指摘を受け、私は血の気が引くのを感じました……。

 お財布には10万円を入れて来た。銀行に行けばもう少しあるから大丈夫だと思う。そんな高くないよね?

「えっと、10万円持って来ました!」

「………………はっ?」

 小柄な女性がポカーンと口を開けて放心しています。あれ、私やっちゃいました? ここでお金払えなかったどうなっちゃうんですか!?

「あんた今すぐお金降ろして来なさい。全然足りないわよ」

「えっと、今おいくらですかね?」

 隣に座るヒョロヒョロな王子様に聞いて見た。すると王子様は席を立ち、伝票を持って来てくれたのです。いち、じゅう、ひゃく、せん、まん、じゅうまん、ひゃくまん……百万!?

 終わった。銀行のお金を降ろしたところで足りない……。私の手からポロリと伝票が落ちたのでした。

「あちゃー、随分と注文してるのね。キャストもとっかえひっかえだし、遊び方を知らないにも程があるでしょ……」

 手から落ちた伝票を見た小柄な女性が、私を呆れたような目で見て来た。

「あの、どうしましょう!? 私仕事にも就いてないのですぐに払えません。もう身売りしか無いですかね!?」

「あんたみたいなイモっぽい女、どこにも需要なんて無いわよ! あーあ、あんた終わったわね。東京湾に沈められておしまいね」

「ひぃっ!?」

 もうおしまいだ。……ふふ、でも私に相応しい人生だったのかもしれない。勉強一筋で頑張って来た私が、ホストクラブで豪遊して殺される。ああ、こんな事ならもっと遊んでおけば良かった。友達から誘われたホストクラブも、恥ずかしがらずに着いて行けば良かった……。

「………………あんた、何が出来るの?」

「えっ?」

 私が放心していたところ、女性が声を掛けて来た。良く聞き取れなかったけど、私に話し掛けて来たのよね。

「だから、得意な事は何かって聞いてるのよ。あんた学生でしょ?」

「そうです。えっと、私の名前は滝川綾香たきかわあやかです。出身は……」

 まるで就職面接のような雰囲気になりました。小柄だけどキリっとした女性は、まるで経営者のようなオーラを発しているのでした。もしかしたらお金を貸してくれるかもしれない、そう思った私は必死に自分をアピールしました。飛び級で大学を卒業して日本に戻って来た事、そして気分転換にホストクラブに遊びに来たところまで話ました。

「ふ~ん、あんたエリートなのね。でも経済学を学んでる癖にホストクラブの遊び方も知らないなんて笑っちゃうわね」

「ううぅ、仰る通りです……」

 顔から火が出そうなくらい恥ずかしかった。あれだけ必死に勉強してきた事が何一つ活かせていないのだから……。まあ、経済学の授業でホストクラブの遊び方について説明しなかった学校側が悪いのよね。

 それからしばらく、この小柄な女性、恵美様とお酒を飲みながら語り合った。どうやらこの恵美様は本物の経営者らしく、沢山の病院を経営しているそうです。

「うん、決めたわ。アヤちゃん、貴方私の秘書として働きなさい」

「秘書……ですか?」

 秘書ってもっと美人で知的な女性がやるお仕事じゃないですかね? 私みたいなイモっぽい女性が秘書をしたら恵美様が笑われてしまうだけなような……。でもメガネは知的ですよね!

「そう、私の秘書よ。色々と教えてあげるわね。そうね、まずはホストクラブの遊び方からねっ!」

 笑顔で微笑む恵美様にドキっとしてしまい、無言で頷いていた。




 これが私と恵美様の最初の出会い。あの頃は楽しかったな~。
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