女性だらけの世界に迷い込んだショタが、年上のお姉さん達に色々されてドロドロに溶かされるまで

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第189話 お宝いっぱい

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 双子ちゃんのお家にお邪魔してマッキュをモグモグしていたら、双子ちゃんがバーガーキングちゃんの生みの親だった事が判明しました。この地雷系ファッションをこよなく愛する双子ちゃんから、あの可愛いバーガーキングちゃんが生み出されたと言われても信じられず、ボクは二人に証拠を要求したのでした。

 だってさ、二人はボクと同じような自宅警備を生業にする生粋の主夫ベストフレンドだと思ったんですよ。それなのに二人はマッキュのデザイナーとか……まさに裏切られた気分です。

 そんなアホな事を考えていたところ、椿さんがタブレット端末を持って来ました。あれ、左に座ってたから椿さんだよね?

「…………これが証拠」

「…………来月のスタンプカードで貰える商品」

「こ、これは……!?」

 タブレット端末に表示されていたのは、新作と思われるバーガーキングちゃんです。バンズに挟まれた茶色いコロッケのようなものが可愛いです。来月も特大ぬいぐるみという事は、千代ちゃんへまた貢ぐ必要があるのか……?

「…………来月はグラコロマッキュが目玉商品」

「…………こっちのページには過去のデータがある。私達はマッキュジャパンからイラストのお仕事を貰ってるの」

「ううぅ……疑ってごめんなさいでした」

 タブレット端末を操作して色々なページを見せてくれました。月見マッキュ、ハワイマッキュ、侍マッキュ、ハロウィンマッキュ等々、ボクが知らないバリエーションのバーガーキングちゃんのデザインが勢揃いです。

 特に侍マッキュは着物っぽい感じとチョンマゲが可愛いです。こんな極秘情報を見せられたらボクは信じるしかありません。そうか、ニートじゃなかったのか……。

 いや、待てよ。ここで双子ちゃんを嫉妬するのは間違いだ。双子ちゃんの思わぬ職業に驚いたけど、ボクだって本職は主夫で副業はカリスマ見て見てTuberなのです。きっと二人にボクがユウタですって言っても信じてくれないだろうけど、立場的には同じですね。

 そう思ったらちょっと心に余裕が出来た。そんな余裕が良かったのかもしれません。急にボクの頭にキュピーンとユウタブレインが閃きました。

「あのあの、この月見マッキュのバーガーキングちゃんのぬいぐるみの写真撮っても良いですか!?」

 まだ世に出回ってないバーガーキングちゃんのぬいぐるみをギュッと抱き締めている写真を撮って千代ちゃんに送れば、ボクの好感度がうなぎ登りですよ。『ユウタ様好きっす、抱いて欲しいっす!』っていう感じで迫られるに違いない。

 でもそんな淡い期待も双子ちゃんからの言葉により一瞬で崩れ去ってしまうのでした。

「…………これはダメ。守秘義務がある。タブレットの情報もユウコお姉様だから見せてあげた」

「…………バレたら大変な額の損害賠償を請求される。そして死ぬ」

「死ぬ!?」

 そ、そうか……マッキュはアメリカにある会社が本体だって聞きました。つまりここでボクが自分の承認欲求を満たすだけの身勝手な行動をした場合、好意で見せてくれた二人に多大な迷惑を掛けてしまうのですね。

 二人の好意を無駄にしないためにも、ボクも誠意を見せましょう。

「分かりました。失礼な事を言ってごめんなさい。二人の期待を裏切らないためにも、このお家に居る間はボクのスマホを預けます!」

「…………ユウコお姉様」

「…………ありがとうございます」

「えへへ。だってボク達、ズッ友ですよ!!」

 このお家にはマッキュグッズお宝が大量にあるのです。もしかしたら未発表の凄いやつがあるかもしれません。ボクだって人間ですからね、魔が差して盗撮しちゃう可能性もゼロでは無いのです。そう、スミレさんにレイプされちゃうくらいの確率ですよ。

 こんなボクには勿体無いくらいに二人は大切なお友達、マッキュ仲間でありゲーム仲間です。せっかくめぐり逢えた気の合う友人を裏切るような事はしたくないのです。

 二人がキラキラと尊敬する眼差しでボクを見て来ます。いつもジト目や生暖かい目でしか見られないので新鮮で嬉しいですね。

「…………ユウコお姉様、過去のぬいぐるみだったら写真撮っても良いです」

「…………特別ですよ?」

「え、良いんですか!?」

 ふふふ、これもボクの人徳ですね。

 二人がボクの手を引いて違う部屋に案内してくれました。そのお部屋に入ると、部屋を埋め尽くす勢いでバーガーキングちゃんのグッズがあるのでした。

「す、凄いです! これが全部過去のグッズなんですか!?」

 大小様々なぬいぐるみからキーホルダー、バッグ、クリアケース等々、マニアなコレクターでもここまで持ってないんじゃないかと思えるラインナップです。

 特大ぬいぐるみが並んでいるのは最高に映える気がします!

 でも何故でしょうか、凄く甘い香りがするのでした。きっと双子ちゃんのフェロモンですね。クンカクンカ。

「…………このお部屋だったら撮影して良いです」

「…………私が撮ってあげます」

「えっ、良いんですか!? あのあの、お友達にバーガーキングちゃんの大ファンな子が居るんですけど、写真送ってもオッケーですか?」

 厚かましいお願いをしてみました。ほら、一応許可取ってからじゃないとね?

「…………良いですよ」

「…………ユウコお姉様と一緒に撮影してあげます」

「ありがとうございますー!」

 言ってみるものですね。ボクのスマホを構える桔梗さんに撮影を任せて、特大ぬいぐるみが並ぶ一角に寝転がってみました。

 そして椿さんがボクを埋める勢いでぬいぐるみを配置して行きました。ふふ、こりゃ凄い写真が出来そうだ。

 パシャパシャとカメラのシャッター音を聞きながらニコニコの笑顔を振り撒きます。





 撮影会も無事に終わり、撮影した写真も双子ちゃんチェックが完了しました。ふふふ、これで千代ちゃんに良い顔が出来そうです。早速千代ちゃんに送って見たところ、直ぐに返信が来ましたよ。

『凄いっす!! 激レアな侍マッキュ君の特大ぬいぐるみがあるじゃないっすか! これは抽選でしか手に入らないですし、市場にもまず出回らないウルトラレアですよ!!! 他にもレアな……』

「うわ、凄い長文が帰って来た。見て下さいこれ」

「…………めっちゃ詳しい」

「…………ユウコお姉様のお友達?」

「そうなんですよ。マッキュとバーガーキングちゃんが大好きな女の子です」

 想像以上に喜んで貰えましたね。ふふふ、これでボクの好感度もアップした事でしょう。千代ちゃんラブラブ大作戦も一歩前進ですね。

 千代ちゃんとキャッキャウフフな場面を妄想していたところ、双子ちゃんから思わぬ提案がありました。

「…………信用出来る子なら連れて来ても良いですよ?」

「…………マッキュファンとの触れ合いも良い刺激になるかも」

「ほ、本当ですか!? しっかりとした子ですし、きちんと説明しておけば悪い事する子じゃないと思います。今度誘ってみますね」

 ユウタ・コーラのマッキュコラボは厳しそうですが、双子ちゃんのお陰で千代ちゃんの好感度が限界突破出来そうな気がして来ました!





 帰る時までスマホを双子ちゃんに預け、3人でゲームをしました。サンダーブレイクは全部クリアしちゃったので、いま流行りのスプラッシュトゥーンをやりましたよ。これはみんなご存知の色塗りバトルですね。同じスプラッシュでもシコシコスプラッシュと違って健全なやつです。うっ……頭が。

 二人とワイワイしながら楽しんでいたら、ふと尿意を感じてしまいました。シコシコスプラッシュを思い出したからじゃなくて、きっとマッキュジュースを飲み過ぎたからですね。

「ちょっとトイレ借りても良いですか?」

「…………どうぞ」

「…………廊下出て左にあります」

「じゃあ失礼しますね。ナワバリバトルやってて良いですからねー」

 二人をリビングに残してトイレへ向かいましょう。廊下を出て左ですね。あっ、トイレと書かれたバーガーキングちゃんの壁掛けがありました。

 トイレの中にもバーガーキングちゃんのグッズが沢山あります。むむっ、このトイレットペーパーのカバーは可愛いですね。スカートからパンツを降ろし、便座に座ってオシッコをするのでした。べ、別に双子ちゃんの使ってる便座に座りたいとかそういう訳じゃないんだからねっ! そう、立小便をして粗相したり便座が上がったままでいたら男だってバレちゃうかもしれませんからね。

 まるで女子トイレに女装して侵入している気分になりましたが、中々良い体験でした。スッキリです。

 トイレを出てリビングへ戻ろうとした時、さっきのバーガーキングちゃんのグッズが溢れるお部屋の隣にある部屋の扉が半分開いていたのです。もしやあそこは……双子ちゃんの作業部屋ですか!?

「ちょ、ちょっとだけなら良いよね?」

 思わず声を出してしまいましたが、左右を見渡しても双子ちゃんの気配はありません。リビングからバトルしている音楽が聞こえて来ます。ふふ、チラッと見て直ぐに戻りましょう。

 ドアの隙間から中を覗いて見たけど、真っ暗で何も見えません。窓は厚いカーテンで閉め切っているようです。コッソリと中へ侵入してみましょう。ふふふ、ユウタ探検隊の秘密の冒険が始まりましたよー!

 手探りで壁にあるスイッチを見つけてボタンを押した瞬間、お部屋の電気が付きました。きっとお宝がいっぱいあるに違いない!!






「えっ…………?」





 部屋の中にはバーガーキングちゃんのグッズなんて一つも無く、あるのはユウタ・・・の写真でした。それも非公式な写真ばかりで盗撮したとしか思えません。しかもユウコバージョンの写真まであるのです……。

「ひぃっ!?」

 思わず悲鳴が漏れてしまった。ど、どういう事ですか? あの双子ちゃんはボクのストーカーですか? はっ、そう言えば最初の出会いもハンカチを拾ってくれたと言っていたけど、もしかしてあれは偶然じゃなかったとか?

 もしかしてボクは、狙われていたのか……!?

「…………見ちゃいましたね?」

「…………勝手に部屋に入るなんて酷いです、ユウコお姉様」

「ぴぃっ!?」

 振り返れば双子ちゃんが居ました。ボクは唯一の出口を塞がれてしまい、逃げられません。まずは状況確認です。そう、これは何かの間違いかもしれませんからね。

「ど、どうしてボクの写真が? 二人は何者なんですか!?」

「…………ふふふ、ユウコお姉様が一人で家に来るのを狙っていました」

「…………もう逃げられませんよ。これから楽しい楽しい取り調べの時間です」

「ううぅ……」

 どうやらボクは最初から狙われていたようです。しかも椿さんから取り調べっていう言葉が出ました。……はっ、つまりボクがこの世界に迷い込んだ事を調査するつもりですね! 二人の背後には凄い組織がいて、ボクを虎視眈々と狙っていたという事ですか……。

「きょ、今日は帰ります。ごめんなーい!」

 くっ、ボクは一か八かの賭けに出る事にしました。そう、正面突破です!! か弱そうな双子ちゃんだったら突破出来るはずです。

「…………逃がしません」

「…………甘いです」

「あうっ!」

 良い感じに二人の間が空いていたので強行突破を試みましたが、残念ながらあっけなく捕まってしまいました。左半身を椿さんに、右半身を桔梗さんに抱き着かれたボクは、身動きが出来ずに完全に拘束されてしまったのです。いつものおっとりとした二人と違う俊敏な動きでした。運動神経抜群なボクが呆気なく捕まっちゃうくらい素早かったです。

 そしてボクの口元をピンク色のハンカチで覆われた途端、急激な眠気がボクを襲いました。ああ……これ漫画であるやつだ。意識が無くなる寸前、そんな事を思いました。

 ユウタの冒険はここで終了です。バッドエンドです。CM撮影は出来そうにありません……ごめんよ姫ちゃん先輩。












「…………寝ちゃいました。夏子先生から貰った薬は凄い効き目です」

「…………作戦成功です」

「…………直ぐに次の行動に移りましょう。ボスに連絡するから桔梗ちゃんは夏子先生に連絡を」

「…………分かりました」
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